烏嶺 夢
烏嶺 夢
窓を見れば、太陽が少しずつ顔を覗かせている。
この時期での夜明けとなれば、大体四時くらいだろうか。
烏嶺 夢
なな
隣にはなながぐっすり寝ている。
私はあれから帰るまでの間、ななの過ごしている寮で住まわせて貰うことになった。
烏嶺 夢
外はまだ少し薄暗い。
反対側の方は橙色に輝いていて、もう直ぐで太陽が登り切る。
烏嶺 夢
目と頭が痛くなるが、必死に堪える。
?
烏嶺 夢
?
?
烏嶺 夢
何を言っているのかは分からないけど、誰かの叫び声が聞こえた気がした。
思わず足を歩ませる。
寝不足だからか、頭が働いていなかった。
あの組織の存在をうっかり忘れてしまっていた。
烏嶺 夢
こっそり顔を覗かせると、額に穴が空いている黒服が倒れている真ん中に、男性が一人立っている。
烏嶺 夢
黒服
あの黒服は味方だろうか。何やら会話しているのが分かる。
中原 中也
中原 中也
烏嶺 夢
烏嶺 夢
足音を立てないように、こっそり歩みを進める。
中原 中也
黒服
中原 中也
黒服
タッタッと足音が響く。
寝不足の身体には少しキツい。
烏嶺 夢
そりゃそうだ。
普通の夢小説のように上手くは行かない。何せ相手はポートマフィアだ。
烏嶺 夢
烏嶺 夢
手を伸ばした時、激痛が走った。
バンッと大きな音と共に。
烏嶺 夢
倒れ込み、貫通してどろどろと血液が流れ出る太ももを抑える。
寝不足のこともあり、段々と意識が遠のいていく。
中原 中也
チャキ、と拳銃を向ける音が聞こえた。
烏嶺 夢
もしあの子なら。
烏嶺 夢
なんて、こんな状況で嫉みなんて醜過ぎる。
太宰 治
烏嶺 夢
目を見開いた。これも夢小説なりの補正だろうか。
中原 中也
太宰 治
太宰 治
中原 中也
太宰 治
そう言って細い腕で横抱きする。
烏嶺 夢
様々な感情が混ざり合い、思わずボッと顔が赤く染る。
彼の表情はどこか満足気に笑っているような気がした。
中原 中也
太宰 治
中原 中也
太宰 治
太宰 治
その発言に、私も彼も目をぱちくりさせた。
中原 中也
太宰 治
中原 中也
太宰 治
ハァ…と間近で溜め息が聞こえる。
ただ画面越しであれば尊いの一言で終わったのに。
私を生かすか殺すかで言い争っているとなれば、ただただ恐怖しか感じられない。
烏嶺 夢
烏嶺 夢
烏嶺 夢
足の感覚はほぼ無い。
目がしゅぱしゅぱと滲みる。そのまま重たい瞼を閉じてしまった。
烏嶺 夢
未だ生きていますように。
コメント
1件