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色のない灰色の世界～色彩を見つけた～

第19話 - 色彩の始まりだった

2023年04月22日

#文豪ストレイドッグス

#文スト

#恋愛系

#辛い過去

歌大好き

歌大好き(作者)

皆さん、作者の歌大好きです！
今回の話は、前回と繋がっています。

歌大好き(作者)

単体で読んでも理解は出来ますが
前回を読んでからの方が
繋がっている部分は理解できます。

*注意* 今回は実際の文豪が登場します。アニメ·歴史とは関係ありません。

歌大好き(作者)

私が文豪様の中から一人を
取ってきただけです。

歌大好き(作者)

創作前のアニメとも、実際の文豪とも
関係はないですからね！

歌大好き(作者)

では、大丈夫な方から！
レッツ始め！

あの日は、他の国に襲撃する任務の前日だった。

桜子

双子は何処？先刻から
見当たらないけど…

雨翠

外に行きましたよ。

琵琶乃

多分、明日への備えじゃない？

桜子

そう。空は明日の為に、部屋に
引きこもってるから。

雨翠

師匠が倒れそうで、最近怖いですよ。

琵琶乃

そんなこと、ないと思うけど。

雨翠

ああ見えて、師匠は抜けてますから。

初めての襲撃ではない。でも、双子は訓練で空は作戦立案。

桜子

…私は、先生に報告してくる。

雨翠

分かりました。

琵琶乃

気をつけて、行ってきて。

──コンコン

桜子

先生、報告に来た。

先生

お、珍しいな。桜子が来るなんて。

桜子

双子は外で訓練、空は引きこもってる。

先生

そんなこと言うなや。空、傷つくで。

桜子

大丈夫だと思うけど…

先生

明日は仏蘭西の倫敦の襲撃やろ？

桜子

うん、生物兵器を隠していると
情報が入ったから。

先生

こりゃまた、物騒やな。

桜子

戦況上、仕方ないけど。

仏蘭西の倫敦は現在、戦争ではかなり不利な状況にある。

仏蘭西が西と東に分裂して境目となるのが首都の倫敦。 ──紛争を止めるために、生物兵器を作ったんだと思う。

先生

けど、これは同盟に反するからな。

桜子

…そんな、同盟あったの？

先生

あったやろ？生物兵器禁止同盟。

桜子

3年前に英国が破ってるけど。

先生

それは、そうやけどな。

桜子

守る意味がないと思う。

3年前、英国が近くの国々に生物兵器を密売し、街の人々を実験台に使ったんだ。

理由は戦況が不利だったからと言う。

先生

…人と言うものは時には
獣のように、残酷になるんやな。

桜子

私達、風殺にピッタリだね。

先生

そんなこと、ないやろ！
確りと、意志があるやろ？

桜子

そうなの…？

先生

当たり前やろ？

本当だろうか？ ──上からの命令を聞いて従っているだけなのに。

先生

そもそも、皆につけた名前には俺が
意味を込めてるんやで。

桜子

意味？どんな…？

先生

空の蒼井空っていう意味は、予想通り
晴れの空から持ってきたんや。
空っていうもんは、雨や曇りの憂鬱な
時があってもまた晴れるやろ？
暗くなっても、明るくなってほしい
という意味なんや。

淡々と先生は意味を説明していく。

先生

琵琶乃のびわは、花言葉の意味から
由来してるんや。
「温和」っていう、意味があってな。
温かくて柔和な心を持つように、
なってほしいという意味や。

花言葉── 先生なりに、考えてるんだ。

先生

雨翠の翠は元々、鳥のカワセミから
取ってきてる。なんの色にも染まらない
というカワセミのように
何時までも此処に染まらずに、自分で
羽ばたいて欲しいという意味。

雨翠はもう、軽々に羽ばたいてるけど。

先生

桜子は花の桜からやな。
桜は寒い冬を乗り越えて、春には
綺麗な花を咲かす生命力の強い花や。
桜子自身も、桜のようにどんな試練が
あっても乗り越えられるという
意味を込めてるんや。

桜子

…そんな意味があるなんて、
知らなかった。

先生

ほら、凄いやろ？

雨翠

はいはい、凄いですね。

先生

う、雨翠？！何時の間におったん？！

雨翠

「あったやろ？生物兵器禁止同盟。」
という、所からです。

桜子

よく聞いてたままだったね。

先生

桜子は知ってたんか？！

桜子

気配で気付くけれど。

教えてくれや！と、先生は付け足す。

雨翠

桜子、貴方、総司令官に
呼ばれてましたよ。

桜子

分かった、行ってくる。

先生

気を付けてな、桜子。

桜子

ありがとう、先生。

そして、私は総司令官のいる部屋へと向かった。

桜子が出ていけば部屋には静寂が広がっていた。

雨翠

…先生も呑気ですね。

先生

何がや？雨翠。

雨翠

ウチらは、何時死ぬかも
分からない命です。

────そんなウチらに名前をつけても先生に良いことなんてないじゃありませんか。

先生

そんなこと無いやろ？
風殺は十分に強い。俺は、何時も
皆が無事だと信じてる。

雨翠

信じてるからって死なない
訳じゃないですよ？

先生

雨翠は随分と否定的やな。

雨翠

ウチはもう、行きます。
あ、師匠が先生を呼んでます。

先生

空がか？分かった。ありがとな。

先生はウチの頭を撫でた後に、部屋を出ていった。

雨翠

…先生には何時も、感謝してますよ。

──コンコン

先生

空、邪魔するぞ。

空

『如何したの、先生？』

先生

雨翠に呼ばれたって言われて来たんや。
何か、問題でもあったか？

空

『…特に先生のこと、
呼んでないけど。』

先生

あぁ…なら、雨翠の勘違いか？

空

『いや、多分だけど私への労いを
してやれの意味じゃない？』

先生

そうなんか、はは。
雨翠は、空に甘いな。

空

『私には、要らないお世話だけど。』

雨翠は何故か、私を師匠として誰よりも尊敬してる。だから、たまに仕事をしているとこんな事が起こる。

先生

言われる前に来るべきやったな。

空

『大丈夫、慣れてるから。』

先生

やけど、疲れるやろ？
人はそういう、ものなんや。

空

『疲れはしないけど…』

先生

空は強がりやな。
甘えても良いんやで？

空

『双子みたいに、最年少でもないんだし
必要ないから。』

先生

歳なんて関係ないやろ？

先生の言う通りだけど。如何も私は、誰かに甘えるのが苦手だ。

先生

空は何時も軍のために頑張ってくれる。
本当にありがとな。

空

『やるべきことを、やってるだけ。
お礼は要らないよ。』

先生

無理しないで、早く寝るんやで。

手を振りながら先生は出ていく。

空

…子供じゃないんだけど。

雨翠

訓練はここまでにしましょう。

桜子

そうだね、無駄に体力を使ったら、
任務の時に動けない。

琵琶乃

なら、また3時間後にね。

訓練をしていた私達、3人は体力温存の為に各々、休憩に向かった。

琵琶乃

(作戦は完成したのかな…双子のことも
先刻から見てないけど。)

────なん…や…が！

琵琶乃

(先生の声？言い争い？)

先生の怒り声が聞こえて、何事かと私はそちらへと近づく。

先生

だから、アンタの目的は皆を感情のない
作りあげるっちゅうことやろ？！

？？

その通りだ。そうすれば、この国は
戦争に勝つことができる。

先生

そんなん、人間じゃない！
只の人を殺す、殺戮兵器や！

？？

それが最終目的だ。この軍にいるものは
感情など必要ない。

先生

人間のやることじゃない！
戦争に勝つということなんかに、皆の
ことを弄ぶな！

言い争っているのは、先生と総司令官だった。

？？

一つ一つに言い訳を…
そう思えば、お前が来てからのこと
彼奴らは変わったな。

先生

…如何いうことや？

？？

彼奴らの目に、生気が感じられる
ようになった。
最初にお前は言ったな？彼奴らを正しく
育て上げるとな。

先生

あの子達は、光の本で育つべきや。
こんな薄暗い所にいる、べきやない。

先生の何時もより低い声。あれは、激怒している。

先生

お前の計画なんぞ、ぶち壊してやる！！

？？

…っ！！川端康成！おのれ！！

──バンッ！！バンッ！！

琵琶乃

…っ！せん、せッ…！！

先生

…))ｼｯ

琵琶乃

…っ、ぁ！！

すぐに駆けつけたかった。けれど、先生が大丈夫だと言うかのように人差し指を口に当てる。

？？

…我々の計画は、決して潰れない。

そう言った後に総司令官は消えた。

琵琶乃

せ、先生！先生！！

先生

…ご、めんな……琵琶、乃

琵琶乃

如何して！！何を…！！！

先生

しか、た…ないん、や……
何時…かは、こうなるしか…

琵琶乃

喋らないでください！
今、医務室に行きますから！

先生

…無駄、や。心臓の、近くに…
撃たれた、からな……

琵琶乃

そんな…！

先生の手から力が抜けてくる。呼吸も浅いから、これは助かりそうにない。

琵琶乃

そんなこと、ありません！
先生は、助かります！

先生

っ…琵琶、乃…聞いてくれん、か？

琵琶乃

嫌です…聞きたくありません！

信じたくなかった。先生が助からないなんて。先生が死ぬだなんて。 ──信じたくないんだ。

先生

…琵琶乃、きっと……俺が死んだら、
皆は、暴れる…やろうな。

琵琶乃

…っ、当たり前でしょう！
先生は私達にとって、大切で…

先生

嬉しい、な…ありがと、う。

琵琶乃

感謝を言うのは私達ですよ…っ、
先生には、返しきれない恩があるのに…

先生

琵琶乃…あの子らを、頼む

そうして先生は事切れた。

琵琶乃

…っ、あ…殺してやる！
全員、殺してやる！！

歌大好き(作者)

今回のお話は、全ての始まりという
意味でトリップ前の話を書きました！

歌大好き(作者)

皆は、とても苦しい過去を
経験したんですね…養ってあげたい。

( ´-ω-)( ´-ω-)

桜子

気持ち悪いんだけど。

歌大好き(作者)

＝(;ﾟ;Д;ﾟ；;)⇒グサッ!!

空

そんなんだから、嫌われるんだよ。

歌大好き(作者)

(´；ω；`)

琵琶乃

気色悪い。

歌大好き(作者)

＿|￣|○

雨翠

死んでください。

歌大好き(作者)

｡･(つд`｡)･｡

*少しだけお待ちください*

────

歌大好き(作者)

……では、またの機会に。

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