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今日もいつも通り、同じルートで散歩する
いつも通り、川辺で休憩をとる
身体に爆弾を抱えている俺は
いつ発作が来るか分からない
だから、休憩をこまめに取っている
いるま
そう思い、立ち上がった瞬間
???
いるま
声がした方を向いた時、1人の男の子が川で溺れていた
どうすればいいか考えていたつもりだった
気づいた頃には、財布とスマホ、ジャケットを脱いで
川に飛び込んでいた
川は思っていたよりも冷たく、流れが早かった
いるま
いるま
すぐに沖にあがり、呼吸を確かめた
いるま
焦るな、落ち着け
そう自分に言い聞かせながら、心臓マッサージを続けた
???
いるま
普通に呼吸ができている
良かった
しかし、このままだと凍え死んでしまう
ジャケットを脱いだ場所に取りに行き、彼にかけてあげる
いるま
遠くからサイレンの音が聞こえる
近くで見ていた人が呼んでくれていたのか
いるま
安心した矢先
今度は俺かよ...!
心臓部分が痛む
視界もぼやけてきている
いるま
そのまま目を閉じた
???
誰かが俺に話しかけていたのは幻だろう
俺は昔から心臓病だった
そのため、学校行事・家族旅行・遊びに行けなかった
なんでこんな身体になってしまったのか
なんで普通じゃなかったのか
神様はなぜ俺を幸せにしてくれなかったんだ
普通にしてくれなかったんだ
そんな考えが頭いっぱいになった
そんな俺に何度も何度も
「普通に産んであげられなくてごめんね」
「私のせいで...ごめんね」
涙を流しながら俺に謝る親を見て
なんとも思わなかった
小学生5年生になったとき
ある本を見つけた
「日本の四季」 〜風景写真〜
そう書かれている本だった
手に取ってはペラペラめくった
素敵だった
それと同時に
こんな写真を撮ってみたい
そう思った
俺はその本を借り、急いで帰った
家に帰り、すぐにお母さん達に本を見せた
「すごいわね」
「とっても綺麗だな」
そう言いながら笑顔で話しているお母さん達
俺も、綺麗な写真を撮ったら
たくさんの笑顔、見せてくれるかな?
お母さん達、喜んでくれるかな?
それから俺は小学6年生になった
お母さん
お父さん
いるま
お母さん
お母さん
いるま
お父さん
いるま
特にない思っていたけど、一つだけ欲しいものが浮かんできた
それは
いるま
あの頃に持って帰ってきていた本みたいに
自分で写真を撮って
母さんと父さんに見せてあげたい
お母さん
いるま
お父さん
いるま
その夜
喉が渇いたため、リビングに向かっていた
珍しく、リビングに電気が着いており、何か話していた
俺はそのままリビングには入らず、耳を済ましてみた
お母さん
お母さん
お父さん
お父さん
あぁ、迷惑だったかな?
俺が写真を撮って見せて、喜んでもらおうと思ってたんだけど....
このまま入るのはやめておこう
そう思い、静かに自分の部屋へと戻った
数日後
いるま
お母さん
お母さん
いるま
ゴソゴソ
ゴソゴソ
お母さん
いるま
お母さんの手元にあったのは
新しいスマホだった
いるま
お母さん
いるま
それから言うもの、外へ出かけると必ず1枚は写真を撮り、母さんたちに見せた
母さんたちは、たくさん褒めてくれた
たくさん笑ってくれた
罪悪感に包まれたがらもお願いしたスマホは
いつの間にか必要なものとなっていた
俺が生きれるまでに、たくさんの写真を撮って
たくさんの笑顔をみて
死を遂げたかったのに
人を助けてタヒぬなんて
俺には考えることも出来なかった最後
母さんたちに、まだ見せてない写真もあるのに
あぁ、もうすこし
生きていたかったな
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩♡200