もう慣れた。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

いつも通りの朝

だったはず。

なんで急に…？

直ぐに見抜いてくる長男。

そんなとこも母とそっくり。

今更。

そんなこと思ったけど。

言えない。

空気感に耐えられなかった

視線に押しつぶされそうで

ｶﾞﾁｬ

逃げるしか無かった。

兄達の優しい声が

頭の中で繰り返される

うるさいうるさい

うるさいうるさい

うるさい…

何も考えずに

学校の用意をする

何事も無かったように

授業を受け、

そして放課後

あれ…？

いつもより短い？

俺は兄弟のことなんて話してなかった

知られずに過ごそうと思っていた

兄弟なんてどうでもいい

はずだけど、

でも兄が傷つくのは

"いやだ"。

冬は日が落ちるのが早く

外は暗かった

俺がよく連れて行かれていた

デパート

コンビニ裏

公園

全部探した

別にいてもいいだろ

届かないはずの声で

反論する

ﾌﾟﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙ

運良く電話が鳴った

直ぐに手を動かして

縄を解く

今どき縄かよw

と思いながら解いていく

心配とかいらない

俺は慣れたから。

ﾀｯﾀｯﾀｯ

やっと行った…

やば…いつもよりキツい…

そっか俺。

病み上がりだった…笑

にぃちゃん…ちゃんと帰ったかな…？

迷子…なってないかな、？