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なぁ?朱羽

お前…どうして鈴の名前を…!

どうしてって…w

俺、こいつの前のクラスメイトだから?

楡井

だからって、なんで朱羽さんを探しに来る必要があるんですか…!

こいつの母親に頼まれたんだよ

手伝ったら金払ってくれるらしいしな

鈴蘭

……桜くんを刺す必要はないでしょ

だってこうでもしないとお前来ねえだろ?

それに別にこいつ目当てじゃねぇよ

適当にそこら辺のやつ刺せば、お前も揺らぐと思ってなw

鈴蘭

…ごめんね桜くん

鈴蘭

痛かった…よね

いや、別に

俺のことは気にしないでいい

だからもう───

…あれ?お前、染めてるんじゃねぇの?

しかもカラコンでもねぇし…!

それにお前は眼帯つけてんじゃんw

お前ら何?厨二病かなんかなの?wwww

は〜、笑えるわ

ほんと風鈴ってきも────

男がそう言おうとした瞬間 とても大きな衝撃音が聞こえた

っ…!?

楡井

な……!

……っ

杉下

…!

蘇芳

…やっぱり

鈴蘭

……その汚い口、今すぐ閉じろ

蘇芳

…やっぱり君は、強かったんだね

さっきの音は どうやら鈴ちゃんが男の頭を手で掴み そのまま地面に叩きつけた 衝撃音だったらしい

男は頭から血を流しながら それでも尚、鈴ちゃんを睨みつけていた

お前…俺に傷を負わせるなんて、どんな度胸してんだ!?あぁ!?

鈴蘭

…お前、今2人のことなんて言おうとした?

は?そんなの────

言いかけた時 鈴ちゃんは男の顔を殴った

鈴蘭

風鈴のこと、なんて言おうとした?

だから──

また1発

鈴蘭

…言ってみろよ

鈴蘭

お前は、今、なんて言おうとした?

鈴蘭

なぁ

鈴ちゃんが言葉を紡ぐごとに 1発、また1発と拳が振り下ろされる

楡井

…今…何が起きてるんですか…

蘇芳

鈴ちゃんが元クラスメイトを殴ってるね

蘇芳

しかも相手はもう顔の原型がないよ

楡井

あんなに怒ってる朱羽さん初めて見ました…

…あれは昔のあいつだ

昔は、あんな風によく人を殴ってた

その時に俺たちは出会ったんだ

杉下

……でも、最近は…

…あぁ、そうだな

最近はこんなことなかった

あいつがこんなに怒ってるのは久しぶりだよ

おい

…止めなくていいのかよ

あいつ、今正気保ってねぇだろ

お前に今のあいつを止められるか?

…それは…!

昔は梅宮でも無理だった

今がどうかは知らねぇ

けど、止まらなかったらどうなるかは知ってる

楡井

ど、どうなるんですか…

あいつは、俺たちを攻撃し始める

楡井

え"っ

…いいじゃねぇか

本気のあいつとやれんだからよ

楡井

いや、桜さん…本気で言ってますか?

本気に決まってんだろ

蘇芳

桜くん…それはあまり良くないと思うよ?

は?なんでだよ

蘇芳

今の鈴ちゃんは言ってしまえば別人格みたいなものだ

蘇芳

もし鈴ちゃんが正気に戻った時、君と喧嘩していたら…

間違いなくあいつはショック受けるな

はぁ!?

なんであいつが…!

それくらい風鈴…いや、この街自体が大切なんだ

桜と喧嘩していること、街の人に見せてしまったこと

それはあいつにとって悪影響になり得るからな

っ…

わーったよ!やらなきゃいいんだろ!

蘇芳

まぁ、だとしてもあの状態の鈴ちゃんは何をしてでも止めないとだけどね

楡井

…って、相手失神してません!?

…じゃあ杉下、ついてこい

杉下

…(頷く

何度も振り下ろされる拳を 俺は強く掴んだ

ほら鈴、もういい

相手失神してんだろ

鈴蘭

…はぁ?

鈴蘭

これ私の喧嘩なんだけど

お前の喧嘩だろうと関係ねぇ

鈴蘭

…あのさ、登馬喧嘩売ってんの?

売ってねぇよ

鈴蘭

ていうかいつも私が喧嘩してたら間に入ってくるのやめてくれない?

無理なお願いだな

鈴蘭

…めんど

杉下

…鈴、さん

鈴蘭

なに?

杉下

…怪我してる

鈴蘭

あぁこれ?

鈴蘭

大丈夫だって

鈴蘭

多分…かすり傷だし

鈴蘭

って、なんで杉下私にさん付けなの?

お前それ今の自分の状況見て言えんのか…

鈴蘭

今の私の状況?

鈴蘭

…別に何もおかしいところ無くない?

はぁ…これだから…

鈴蘭

なに?

なんでもねぇよ

とにかく、向こう戻るぞ

鈴蘭

向こうって?

桜達のとこだ

鈴蘭

…は〜い

楡井

お、おかえりなさい…

蘇芳

おかえりなさい、柊さん

おう

蘇芳

杉下くんも

杉下

蘇芳

鈴ちゃんもね

鈴蘭

…ただいま

楡井

朱羽さん!

鈴蘭

なに?

楡井

あ、あの

楡井

朱羽さんの喧嘩の技術は誰かに習ったりしたんですか!?

鈴蘭

楡井

動きも早くて、攻撃も正確でした

楡井

学校での朱羽さんも凄かったですけど

楡井

さっきの朱羽さんは、より強く見えました…!

楡井

工夫とかあるんでしょうか?

鈴蘭

あの、楡井くん?

楡井

それに聞き覚えがある名前だなと思ったんですが

楡井

過去に苗字が変わったりした事ってありましたか?

鈴蘭

に、楡井くん…

楡井

昔の朱羽さんはよく喧嘩していたと聞きましたが

楡井

どこかの大きな所と喧嘩したりしましたか?

おい落ち着け

楡井

えっ

蘇芳

鈴ちゃんが困ってるよ

楡井

あっ、ごめんなさい!!

鈴蘭

う、ううん…大丈夫

鈴蘭

…おかげで正気に戻れたよ

よかったじゃねぇか

鈴蘭

こんな戻り方全く予想してなかったけどね

だろうな

梅宮

お〜い!

梅宮

お前らが先に着いてなかったからびっくりしたんだぞ〜?

悪い

鈴蘭

ごめん

梅宮

いや、珍しすぎて面白かった

鈴蘭

はい?

蘇芳

じゃあ僕たちはもう行こうか

楡井

ですね!

杉下

じゃあな

また明日な

鈴蘭

またね

梅宮

じゃあなみんな〜!!

蘇芳

楡井

どうしたんですか蘇芳さん?

蘇芳

…いや

蘇芳

今回、鈴ちゃんのトリガーになったのは僕らだよね

そういえばそうだったな

蘇芳

だけど鈴ちゃんはそれだけで怒ってる感じでは無かった

楡井

それはあれじゃないですか?

楡井

仲間意識が芽生えた…とか

楡井

誰かが悪口を言われていると許せない…みたいな

蘇芳

…そうだといいんだけどね

なんだよ

蘇芳

ううん、何もないよ

蘇芳

楡井くん、鈴ちゃんの情報って何かある?

楡井

それが…

楡井

鈴蘭という名前が同じ人がいるんですが…

苗字が違うのか

楡井

いえ…苗字が知られてなくて…

はぁ?なんだそれ

楡井

割といるんですよ、こういう方

そいつの情報は?

楡井

ないです

どういうことだよ

楡井

どうもこうも、ないんですよ

蘇芳

一つも?

楡井

喧嘩が強いしかないですね

楡井

実績もないですし

じゃあなんで名前はわかるんだよ

楡井

有名人なんですよ

楡井

この方と喧嘩した人達はしたことも話せないような状態で帰ってくると

蘇芳

あぁ…だから情報が無いわけだ

楡井

ですね

俺はふと後ろを振り向いた

梅宮さんと柊さんと3人で 笑いながら話す鈴ちゃんがいた

僕は 心の底から君を知りたいと思った

その声に届くまで

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