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カチ、カチ、カチ、カチ
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12月25日 クリスマス
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今年もまた、彼女の一番好きな日がやってきた
君がいなくなってから、4年が経ったよ
君が一番欲しがっていたこの“時間“を 俺はちゃんと歩いているよ
俺が一緒に過ごせなかった 3回のクリスマスはどう過ごしたのかな
きっと変わらず、誰よりも楽しそうにはしゃいでたんだろうな
また、一緒に過ごしたいよ…
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この日から俺とetさんのクリスマスは
“2人でカウントダウンとデートをする“というのが恒例行事になっていった
デートもetさんの自然にもっとふれたいという要望から
イルミネーションなどではなく
お互いが知っている絶景スポットの紹介や
癒しスポットの発掘という少し変わった内容のものが浸透していった
3年ほどたったある日のこと
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クリスマスプレゼントか…
正直etさんと過ごし始めてからは
そんなこと気にならないほど、毎年楽しかったから
特に欲しいものはないんだよな…
ピーンポーン
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手紙は二つ折りになっていて
手紙を開いた瞬間、少しガタついているが 親しみのある文字が目に入った
yanくんへ この手紙を君が読んでるとき 私はもうすでにこの世にいないでしょう。 私は今年の5月あたりに大きな病が見つかり 余命宣告されました。 余命半年。 どんどん体が自分の思うように動かなくなることに とても恐怖を覚えました。 時が経てば経つほど自分が死ぬのだと実感してきて おかしくなりそうにもなりました。 心細いなか私の心の支えだったのは “yanくんとのクリスマスの思い出“でした。 あの綺麗だった景色たちを、思い出すときだけは 私の心も安らぎを得ることができました。 だからこそ、yanくんに会いたかった。 会って、これから先教えようと思っていた 様々な景色たちの話をしたかった。 去年のクリスマスに言った“とっておきの場所“のことも。 でも、日に日に弱っていくこんな私をyanくんに見せるのが怖くて yanくんの前では明るい私でいたくて 最後まで口で伝えることができませんでした。 なにも伝えないまま死んじゃって本当にごめんなさい。 最後に、yanくんにお願いです。 私が余命宣告されてから死ぬまで 一番欲していたもの。 それは“時間“です。 だけど、それは私がどれだけ欲しても願っても もらえることのないもの。 だから、私の欲した“時間“を 私の分までyanくんに歩いていってほしい。 最後までわがまま言ってごめんね。 幸せになってね。 etより
その後のことは、自分でもよく覚えていない
覚えているのは
底が見えないほど深く沈んでいた心
そしてetさんの最後を見届けられなかった悔しさ
それだけだった
気づいた時には、もう次の日の朝になっていた
それから散々悩んで、考えた
etさんがなにを望んでいるのか
俺はなにをすべきなのか
余命宣告をされてからetさんはクリスマスをどう思っていたのか
でも、俺はどこにも辿り着くことはできなかった
だから、せめてetさんの最後の願いを叶えることにした
俺にはそれしかできなかった
ただ自分の中で、クリスマスのことで決めたことが2つある
1つはetさんがいなくなっても、俺とetさんの恒例行事は続けること
カウントダウンとデート
カウントダウンは今まで通り
デートはetさんと行ったスポットの中で、特に印象深いところを順番に巡っていってる
まぁ1人だから、デートは実質散歩だけど
もう1つは_
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クリスマスプレゼントを頼むのをやめる
いや、正しくは俺の家のサンタに頼むのをやめる
その代わり、神様や仏様じゃなきゃできないような 馬鹿げた願いを毎年願うこと
そして今に至る
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カウントダウンを終えたら
出かける準備をする
etさんとの絶景スポットは、割と遠くにある場合も多く
特に俺が選んだ場所は遠いところばかりで
始発の電車に乗らないと、全部見て回った上で日付を超えず帰ることができない
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色々見て回ったら、最後に神社に行ってあの願い事を願う
パチン、パチン
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今年こそ、今年こそ、、
“etさんに会わせてください“
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願い終えたら、一礼してそのまま帰る
これ以上時間を使うと、日付を超えてしまう
歩き出したその瞬間
パシッ
誰かに腕を掴まれた
思わず振り返ると、そこには__
etさんがいた
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俺はなにが起きているのかわからないまま
etさんであろう人物に連れてかれた
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目を開くと、この世のものと思えないほど美しい景色が広がっていた
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etさんの方を見ると、まるで全てを諦めたような光のない瞳をしていた
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そうして5年ぶりのetさんとのクリスマスを過ごし…
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彼女は俺に手を振りながら消えていった
けれどその目に宿すものは恐怖でも、深淵でもなく
目の前の月と同じ輝きを放つ
希望の光だった