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君は天使だ。
僕を超える事がない、その小さい背丈も、
大人とは言えない、まだ少し幼い体つきも、
白くて柔らかい肌も、
さらりとした薄茶の髪も、
瑞々しく、淡い赤に色付けされた唇も、
瞳を隠すように覆いかぶさった長いまつ毛も、
全部、君が天使である事を確信させてくれて、
僕に真実を与えてくれる。
幸せそうに眠る君の頬に、そっと手を伸ばす。
君の頬は、
冷たい。
だけども柔らかくて、すべすべしていて、
まるで人間みたい。
何度も君の頬を愛撫していると、本当に君が人間と錯覚してしまいそうで、
君の頬から手を離す。
君の背中には翼がない。
君はもう、自由なのに。
自由を手にして飛行する、天使なのに。
なんでだろう?
お香を焚く匂いが、僕の鼻につく。
遺影の中の君は、笑っている。
嗚呼。
君は天使だ。