one day

「one day」 腐　　及影

それは突然始まったのだ。

二人が正式に付き合い始めてから初めての二人だけの買い物。

いわゆる“デート”での待ち合わせ場所で起こった出来事だった。

時間厳守の影山が、その日に限って寝坊してしまったのだ。

結論から言うと1時間の遅刻だった

息を切らして走っていた影山の視界に入ったのは待ち合わせ場所のシンボルでもある小さな噴水だった

それはそれはもう、本当に小さな噴水で存在感が薄い。いや限りなくゼロに近い

だからどうしても視界に入ってしまうし、目立ってしまっている。

笑っているけど絶対に不機嫌MAXな及川さんとその周りに居る異性の人が。

影山は普段見ることの出来ない及川さんの影山自身以外に対しての“怒り”に感動していた。

良かった、及川さんは俺以外の人にも怒るんだ。と、気を抜いていたのも束の間、

目があってしまったのだ

“バチリ”と効果音をだしたかのように

影山の思うとおり、限りなく「やばい」状況に近かった。

影山の姿を及川が捉えたとき、広角が上がったと同時に目からハイライトがなくなったのだ。

いや、正確に言えば元々ハイライトなんて無かったのだが。