不老不死は死にたくない

本物の銃を初めて握った

一度、的に狙って人差し指を動かし引き金を引いた

バンッ、と想像よりも大きな音がして耳が痛くなった

的を見る

ちゃんと狙い通り、赤い点をぶち抜いている

屋台の射撃とか、ダーツとかは得意で百発百中だった

だから

敵の心臓を撃ち抜いた

何人も何人も殺した

人差し指を動かす、たったそれだけの行動で人は簡単に殺せる

ズッシリと重い銃が、まるで私の罪悪感の様に感じ

いつも重い銃を使って人を殺した

……

贖罪、というわけではないが

何回か、その銃で自殺をした事がある

なぜか、その度に銃の重みは無くなっていった

銃は楽でいい

頭や心臓を撃ち抜けば、ほぼ即死

銃の自殺はあまり痛いと感じた事はなかった

ゆっくりと瞼を開ける

いつもの様に私の顔を見ているダザイにまたかと思いながらも返事を返す

冷水を出して顔を洗う

ダザイの言う通り、今にも死にそうなほどに隈が出来ている

べ、と舌を出して鏡に映る自分の舌を見る

いつも通り青い、寝てる間に死んではないな

1ヶ月か2ヶ月ほど前、睡眠薬を大量に飲んだ時

ギリギリ死ななかった様で、その代償…と言うべきか

舌が青くなってしまった

理由は分かっている、睡眠薬に含まれる青い色素のせいで私の舌はこうなってしまった

まぁ、今は寝ている間に死んでないと確認するのに使っている

そろそろ消えそうだな

リビングに行くとダザイが椅子に座ってコーヒーを飲んでいる

……美味しい