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LINE626

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LINE626

1 - あ

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2023年05月16日

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ツイネ

ヒヨさーん!ボディソープはどこにあるの?この前のめっちゃすべすべになってよかったから私も欲しいの!

ヒヨ

また勝手に私たちの家に入り込んでいるの?

ツイネ

今日はヒヨさんもお兄ちゃんも仕事でヨナちゃんも修学旅行でいないんだからいいでしょ?

ヒヨ

そんなヒヨさんたちのために自宅警備にやってきたのよ。

ヒヨ

何が自宅警備よ!寝言は寝てから言って。

ヒヨ

あとそこは私たちの家なんだから勝手に入り込むのはやめてって何度も言ってるでしょ?

ヒヨ

それに家のものを勝手に持っていくのはやめて!

ツイネ

ここはヒヨさんたちだけの家じゃないでしょ!

ツイネ

お兄ちゃんとお姉ちゃんの家でもあるんだから妹の私が入るくらいいいじゃないの!

ヒヨ

そのお兄ちゃんとお姉ちゃんにも今まで何度も注意されてるわよね?わかってる?

ツイネ

そんなの知らないわ。

ヒヨ

いつも家を散らかされてこっちも本当に困っているのよ。

ヒヨ

毎回毎回あなたが帰った後に誰が後片付けをしていると思っているの?

ヒヨ

しばらく家を空けて帰ってきてから片付けをしなきゃいけないのは本当にきついの。

ヒヨ

お願いだからこれ以上家を散らかすのは本当にやめて!

ツイネ

あとさ、このお菓子美味しそうね〜!パパとママに食べさせたいからもらっていくわ。

ヒヨ

ちょっと人の話を聞いているの?

ツイネ

はいはい、わかったわよ!

ヒヨ

あのねツイネさん…あなたは自分が何をしているのかわかっているの?

ヒヨ

これは立派な住居不法侵入…つまり犯罪よ?

ツイネ

大袈裟ね。ヒヨさんこそ自分の器が小さすぎることを自覚した方がいいわ。

ツイネ

全く、これだから貧乏家庭の娘は。

ヒヨ

そんなこと関係ないでしょ!

ヒヨ

もう一度言うけどこれは立派な犯罪よ!わかってる?

ツイネ

あのね、義理とはいえ親戚にケチケチしないでくれる?犯罪なんて人聞き悪いことよく身内に言えるわね。

ツイネ

話が通じなさすぎてイライラするわ!

ツイネ

どうしてお兄ちゃんはこんな物分かりの悪い貧乏人なんか家に入れたのよ!

ヒヨ

話が通じなくてイライラしているのはこっちよ。

ツイネ

うるさいわ本当に!貧乏人のくせに生意気な!

ヒヨ

なんですって?!

ツイネ

今家にいない人がごちゃごちゃ言わないでよ。あなたたちのためにこの私が留守番をしてあげてるんだから。

ツイネ

文句を言うならお小遣いでもよこしなさいよ!

ツイネ

せっかくあんたみたいな貧乏女を迎え入れてやったのに!

ヒヨ

いい加減にしてくれる?自分だって実家から出ずに両親のスネをかじってるくせにどの口が言っているの?

ヒヨ

そんな御託を並べている暇があったら今すぐに私たちの家から出て行って!今すぐ!

ツイネ

はいはい。出ていけばいいんでしょ?

ヒヨ

それからしっかり掃除もして行ってよね。

ツイネ

わかったわよ!本当に話が通じなくて困っちゃうわ。これだから貧乏人は嫌なのよ。

〜それから数日後〜

ツイネ

ヒヨさん、あなた海外に行くんですって?お兄ちゃんとうちの金に頼ってる貧乏主婦がいいご身分だこと!

ヒヨ

なんのこと?私たち海外に行く予定はないけど…

ツイネ

嘘をついても無駄よ。海外に別荘を建てたってお兄ちゃんから聞いたわ。

ヒヨ

ああ、そのことね。でもそれは随分前の話よ。

ツイネ

海外に別荘なんて随分とまあ見栄を張ったものね。そんなに周りに自慢でもしたいわけ?

ヒヨ

行っておくけど、それは亡くなった父が建てたもので私じゃないわ。

ツイネ

それでも維持費はかかるはずでしょ?それとも物価の安いマイナーな国かしらw

ヒヨ

ハワイのワイキキよ。

ツイネ

ハワイ!?やっぱり相当見栄を張りたいのね。

ヒヨ

だから私が建てたわけじゃないのよ。父と母が生前、年に一度だけでも素敵な思い出づくりができるように頑張って貯めたお金で建てたものよ。

ツイネ

まあ、そう言うことにしといてあげるわ。

ツイネ

ハワイなんて贅沢ね〜。私もパパとママにお願いして連れてってもらおうかしら。

ヒヨ

いいんじゃない。

ツイネ

でも海外となると色々と面倒なのよね。

ヒヨ

パスポートとか言葉の問題とか色々大変だものね。

ツイネ

そこでだけど、次にハワイに行くときに私とパパとママも同行させてもらえない?お兄ちゃんから聞いたけど、二週間後に行こうとしているんだってね。ちょうどいいタイミングだから一緒にいかせてよ。

ヒヨ

あの…流石にちょっとは遠慮してもらえないかな。私たちは家族でゆっくりしたくて行くのよ。

ヒヨ

それにもう飛行機も予約してしまったからこんな間近になってチケットの追加とかできないわ。

ツイネ

何それ、別荘を購入するお金があるのに義家族を招待することはできないの?

ツイネ

少し泊まる人数が増えたくらい何も問題ないじゃない!

ヒヨ

まさか、別荘にまで転がり込もうって魂胆なの?

ツイネ

当然じゃない!それ以外に行く意味がないでしょ?

ヒヨ

悪いんだけどその別荘はお世辞にも広いとはいえないから、二世帯も止まるのは難しいと思うわ。

ツイネ

それならあんたとお兄ちゃんたちは別のホテルを予約したら?

ヒヨ

どうしてそう言う話になるの?何様のつもり?

ツイネ

だから!そうじゃなきゃ私がハワイに行く意味がないでしょって言ってるのよ!日本語わかる?一から十まで説明しないと理解できないのかしら。

ヒヨ

それはこっちのセリフよ!建物は狭いから全員が止まることはできないの!

ツイネ

せっかくパパとママにハワイに綺麗な海を見れられるチャンスなのに。あんたとお兄ちゃんの一家だけで独り占めしようってことね。やっぱり貧乏家庭の女考えなんてろくなもんじゃないわ。

ヒヨ

ツイネさん…本当にいい加減にしてくれない?

ツイネ

そこまで言うなら飛行機代はカンパしてあげるわ。その代わりに別荘に泊めさせてちょうだい。

ヒヨ

その交換条件はなんなのよ。狭いことには変わらないわ。窮屈でも文句言わないでよね。

ツイネ

それなら私一人くらいいいでしょ?

ヒヨ

どう言うこと?義両親は関係なくなってるじゃない。

ツイネ

私がせっかくアイデアを出してあげてるのに、格下の嫁が私の言うことなすこと否定しないでくれる?

ツイネ

この前の自宅警備の件といい、私の貴重な時間を無駄にしないで!

ヒヨ

何を言われても一緒には泊まれないの。どうしてもっていうなら、ホテルと飛行機が別々で現地集合するしかないと思うわ。

ツイネ

本当にこれだから貧乏家庭の娘は嫌なのよ。

ツイネ

いい?お金がないなら別荘なんて買ったりしないで。別荘を買うくらい余裕があるなら人を招くぐらいしてちょうだい。

ヒヨ

はあ?論点がずれてきているわ。

ツイネ

人を招くこともできないなんて見苦しいにも程があるわ

ヒヨ

全く話にならないわ。とにかく今回は私たち家族でゆったり過ごさせてもらえる?

ヒヨ

それじゃあそろそろ家事もあるので失礼させてもらいます。

ヒヨ

テルヤさん…ツイネさんが私たちの旅行について来たいって。

テルヤ

でも泊められる場所ないよな。

ヒヨ

そうなんだけどね。私たちはホテルでも取ったら?って

テルヤ

あいつ本当に自己中心的だな。

ヒヨ

たぶん私たちの別荘が欲しいんだと思うわ

テルヤ

俺とナツで親父たちに話をつけるよ。だからマリはこれ以上カナの相手をはしなくていい。

〜そして次の日〜

ツイネ

ヒヨさんおはよー!

ツイネ

おっとハワイと日本じゃ時差があるのよねwこんばんはかしら?

ヒヨ

時差ってどういうこと?

ツイネ

私今どこにいると思う?

ヒヨ

そんなの知るはずないでしょ。

ツイネ

あら鈍いわね〜。特別に教えてあげるわ。

ツイネ

実は私さっきハワイに着いたところなの!海が綺麗ね〜。パパもママも喜んでるわ!

ヒヨ

と言うことはツイネさんもお父さんとお母さんと一緒に海外旅行に来たのね。

ヒヨ

それで何日くらい滞在するの?こちらと日程が被るかもしれないわね。

ツイネ

何日かは決めてないけど日程被りはあり得るわね。

ヒヨ

そう、お父さんとお母さん念願が叶ってよかったわね。

ツイネ

それにしても正直びっくりしているわ。ショボい別荘とはいえ結構新しいじゃない。生意気にプールまでついてて

ヒヨ

なんですって?プール?別荘?まさか!

ツイネ

そうよ!ヒヨさんの別荘よ。

ヒヨ

え?どうやって別荘の場所を知ったのよ!

ツイネ

ご近所さんに親戚として訪ねてきたって話をしたら簡単に教えてくれたわ。

ヒヨ

ちょっと待って。私たちがその別荘に行くのは明後日なんだけど。

ツイネ

知ってるわよそんなこと。あんたたちがくる前に私たちが使ってあげてるのよ。

ヒヨ

使ってあげるって何様のつもり?

ツイネ

あんたが気が利かないから自分でなんとかしたまでよ。やっぱり家には私たちみたいな上流階級が止まるのがふさわしいわね。

ヒヨ

ふさわしいとかそういうのは関係ないわ!まさか別荘にまで入り込むなんて…立派な不法侵入よ。

ツイネ

何言ってるのw あんたに招かれたんじゃない。それに誰もいないんだからいいでしょ。

ヒヨ

私がいつあなたを招いたというの?悪いことは言わないから今すぐに出て行ってちょうだい!

ツイネ

もう遅いわよ。荷物も全部入れちゃったし、あんたたちの荷物全部外に出しておいたから。

ヒヨ

なんですって!?

ツイネ

だから、部屋に置いてあった荷物邪魔だったから全部庭に放り出してあげたわ。早く取りに来なさいよ。

ヒヨ

なんてことをしてくれたの?!

ツイネ

これでこの別荘も私とパパとママのものよ。

ツイネ

これで思い知ったでしょ。私はやると決めたらやる女なの。

ヒヨ

あの…勝ち誇ってるところ申し訳ないんだけど、そこ私たちの別荘じゃないわ

ツイネ

へ?

ヒヨ

だからそこは私たちの別荘じゃないわ。大丈夫?お父さんもお母さんも。そこはあなたのお姉さん一家の別荘よ

ツイネ

お姉ちゃんの別荘?何言ってんの?

ヒヨ

何って事実を言ったまでよ。ワイキキに別荘があるって言ったけど、そこはお義姉さん一家の別荘。

ヒヨ

その旦那さんが子供たちと一緒にバカンスを楽しむために買ったものよ。

ヒヨ

私たちの別荘にはプールなんかついてないしね。ほら、こっちが私たちの別荘。

ツイネ

何言っているの?話が見えないんだけど

ヒヨ

もう少し近所の人にしっかりと聞き込みをするべきだったわね。

ツイネ

つまりここはあんたたちの別荘じゃなくてお姉ちゃんの別荘ってこと?

ヒヨ

そういうことよ。

ツイネ

ちょっとどうしてくれるのよ。お姉ちゃんたちの荷物!

ツイネ

パパとママと一緒に庭に放り出しちゃったじゃない!

ヒヨ

本当にそれにはびっくりさせられたわ。勘違いとはいえ、実の姉とその一家の荷物を邪魔だって言って捨てるなんてね。

ツイネ

まさか、私を騙したの?わざとお姉ちゃんの別荘へ入らせたのね!!

ヒヨ

どれだけ被害妄想なのよ。騙すも何もないでしょう。

ヒヨ

事情はどうであれ、カナさん…家に不法侵入をしたのと同じようにあなたが勝手にやったことじゃない。私は関係ないわ。

ツイネ

今すぐ本物の別荘がどこにあるか教えろ!!どこにある!?

ヒヨ

今度は逆ギレ?あなた本当にどうかしてるわよ。怖い。

ツイネ

あんたが言わないならお兄ちゃんに聞いてやる!

ヒヨ

テルヤさんもこれまでの不法侵入を含めたあなたの好き勝手ぶりに嫌気が差しているのに教えるわけがないじゃない

ツイネ

嘘だって言ってよ。急に怖くなってパパとママにもいえなくなっちゃったじゃない。

ヒヨ

あらら、パパとママにも詳しいこと話していないのね。それにしてもどうして私にここまで固執するの?

ツイネ

あんたが家で分相応な振る舞いをしないからよ。貧乏家庭生まれの主婦が舐めた口を聞かないで。

ヒヨ

毎回それを言ってくるけど、私の年収なんて教えてないわよね

ツイネ

お兄ちゃんから全部聞いてるわ。

ヒヨ

じゃあそれはテルヤさんの収入のことじゃない?うちは夫婦で同じくらいの収入だから。

ツイネ

ヒヨさん働きに出ていないんじゃないの?!

ヒヨ

言ってなかったっけ?私はフリーのデザイナーだからパソコン一つあればどこでも仕事ができるの。

ヒヨ

だから私はいつもは家で仕事しているだけで共働きよ。

ツイネ

じゃあ聞いてた年収の2倍ってことじゃない。家にいるだけなのになんでそんなにお金稼いでるのよ。

ヒヨ

今はいろんな働き方があるのよ。

ツイネ

そんな…なんなのよあんたは!貧乏家庭出身のくせに!

ヒヨ

確かに環境を恨んだこともあったわ。でもそんなことしても何も変わらないから努力したのよ。

ヒヨ

あなたは親に甘えて何も努力してこなかったから、他人を妬んでばかりなのよ。

ツイネ

うるさいわ!私に説教なんか垂れないでよ!

ツイネ

本当に最悪!絶対に地獄に落としてやる!!見てなさい!

ヒヨ

そんなことよりも自分達の心配をしたらどう?ハワイでゆっくりくつろぐどころかこれから警察が来るかもしれないけどね。

ツイネ

ふざけないで!なんとかしてよ!助けてよ!何か方法があるでしょ?なんでもするから!!

ヒヨ

これで本当の犯罪者になっちゃったわね。私にできることはもう何もありません。

ヒヨ

ご愁傷様でした。

〜後日談〜

ヒヨ

その後、義妹は義両親を見捨てて一人で逃げようとしたらしい。

ヒヨ

でもそんな義妹に容赦なく天罰が降った。

ヒヨ

逃げ出そうとしたところを義両親に見つかり、しかもその際にスマホを落として義両親にバレてしまったようだ。

ヒヨ

別荘の前に捨てられた荷物を見た現地住民は警察を呼び、親子仲良く住居不法侵入の容疑であっけなく現行犯逮捕された。

ヒヨ

当然義姉夫婦にもこの一件はバレた。

ヒヨ

義妹はもちろん娘可愛さで別荘乗っ取り計画を画策した義両親に義姉夫婦と夫も大激怒。

ヒヨ

夫と義姉は義両親に絶縁を言い渡した。

ヒヨ

さらに多額の損害賠償請求も突きつけたそうだ。

ヒヨ

一方私たちはハワイで優雅にバカンスを満喫し、その後も平和に暮らすことができている。

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