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正博と解散して地元の駅に帰ってきた。

外は雨が降っていた。

紗良

はぁ……

泣き疲れた。

親が車で迎えに来てくれるまで ベンチに座ってようかな…

ゆっくり考えたいし…

駅前のベンチに座ったその時。

紗良

(お母さんかな?)

画面を見た瞬間、

世界が、止まった。

正博

『冷静になって考えたんだけど…やっぱりもう無理だと思う。別れよう』

“別れよう”

紗良

(別…れる…)

ドクン、ドクン、ドクン、

動悸が激しくなった。

???

あのー…

紗良

紗良

うわっ、えっ、はい?

???

誰か待ってるの?

雨の中自転車を押しながら スーツを着たおじさんが近付いてきた。

紗良はびっくりし過ぎて声が出なかった。

???

これから一緒に出掛けない?

紗良

………っ

渾身の力を振り絞って首を振った。

紗良

(泣き顔酷いからマスク買ってつけといてよかった)

紗良

(てかこんな雨の中自転車でどこ行くの?)

心の中はやけに冷静だった。

お母さん

紗良ー!

タイミング良く母が着いた。

紗良

(助かった…!)

紗良

って、あれ?

スーツのおじさんは いつの間にかいなくなっていた。

紗良

何だったんだ……

お母さん

何突っ立ってんの?早く乗りなさい?

紗良

はーい

紗良

ねぇ聞いてよ今さー

車内では変なおじさんの話で 持ちきりだった。

おかげで気が紛れた。

家に着いた。

紗良

あ、お母さん

お母さん

ん?

紗良

正博と別れたよ

お母さん

えっ!いつ?

紗良

『分かった。始まりはメールだったけど、 終わりはLINEだったね(笑)』

皮肉を込めて正博に返事をした。

お母さん

今…?

紗良

あ〜〜すっきりした!!

あんなに別れたくないと 粘っていたのが嘘みたいに、

あんなに好きだったのが 全部なかったみたいに、

やけに心がスッキリしていた。

紗良

紗良

………はっ

まーりんからLINEが来てから、 正博との過去を1から10まで 回想してしまっていた。

紗良

そういえば水元(イノシシ)とLINEしてたんだった

紗良は、 正博に“裏切られた” 感覚が強かった。

紗良

(この人も、私に好意を寄せてくれるのは最初だけなんじゃないか)

そう思ってしまう。

紗良

(てか、回想して改めて思ったけど、正博ってクソ野郎だな)

紗良

(何で部室で流されたりしたんだろ)

紗良

あいつは無し。無しなし!

もう正博のことを考えるのはやめよう。

まーりんからのLINEも いちいちモヤモヤしない!

新しい恋を見つけて、 正博のクソ野郎を見返すんだ!

紗良

そのためにも、狙う的を増やすに越したことはないよね!

水元くんとも向き合ってみよう。

水元は紗良の中で イノシシから人間に昇格した。

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