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杏奈(幼少期)
あれからお母さんは優しいお母さんに戻ってくれた
そう思っていた
杏奈のお母さん
はぁ……
杏奈のお母さん
意外とちゃんとしたお母さんを演じるのも疲れるわね。杏奈が友達なんて作らなければ私はガキ相手に謝らなくて済んだのに
杏奈のお母さん
あの棘って奴と一緒に杏奈もさっさと消えてくれれば楽に暮らせるのに……
杏奈のお母さん
あの棘って奴と一緒に杏奈もさっさと消えてくれれば楽に暮らせるのに……
棘(幼少期)
…………
聞かなければよかった
いや、逆に聞けて良かったのか？
よく分からないけど、ちょっとだけ
棘(幼少期)
(ちょっとだけ……)
"杏奈の辛さがわかったような気がする"
棘(幼少期)
つなまよ(ただいま)
杏奈(幼少期)
あ、棘くん！ちゃんとトイレの場所わかった〜？笑
棘(幼少期)
しゃ、しゃけ！(さすがにわかったよ！)
棘(幼少期)
(そうだ)
棘(幼少期)
つな！(ねぇ！)
杏奈(幼少期)
んー？
棘(幼少期)
いくら、つなまよ、明太子！！
杏奈(幼少期)
(う、うぅ……長い言葉は何言ってるか全然わかんない……)
杏奈(幼少期)
そうだ！
杏奈(幼少期)
棘くん！この紙に今言ってたこと書いて！！
棘(幼少期)
しゃけー
きょう、あんなのいえにとまりたい！
杏奈(幼少期)
きょう、あんなのいえに……
杏奈(幼少期)
わ、わたしの！？
棘(幼少期)
しゃけしゃけ
杏奈(幼少期)
わ、わかった！お母さんに聞いてみるね！
杏奈のお母さん
(2人にくっつかれるといつ私が嘘をついてるのがバレるかわからないわ。)
杏奈(幼少期)
お母さん！
杏奈のお母さん
(さっさと片付け……)
杏奈(幼少期)
お母さんってばー！
杏奈のお母さん
…！！
杏奈のお母さん
ど、どうしたの？杏奈
杏奈(幼少期)
あのね、今日棘くんがお泊まりしたいだって！
杏奈のお母さん
え、あぁ……そうね、どうしましょう
杏奈(幼少期)
おねがい！！
杏奈のお母さん
(どうする、？もし泊まってるうちにバレたら……)
杏奈のお母さん
(いや、あえて2人の前でいいお母さんを演じて怪しまれないようにするのが1番、？)
杏奈のお母さん
わかったわ。いいわよ。
杏奈(幼少期)
ほんとー！？やったぁ！
棘(幼少期)
しゃけー！
それから2人は寝るまで仲良くすごした
一緒に遊んだり、ご飯を食べたり
幸せな時間を沢山過ごしていた。そして寝る前に棘くんが言った
杏奈(幼少期)
棘くん！そろそろ寝ようよー
杏奈(幼少期)
もう私眠たい…
棘(幼少期)
つな……(ちょっと待って…)
そう言って棘は紙に文字を書き始めて杏奈に何かを伝えようとした
あしたのあさ、ふたりでとおいこうえんに行こう！
杏奈(幼少期)
え。朝？
棘(幼少期)
しゃけ、
でも、おかあさんにはないしょだよ？
杏奈(幼少期)
え……
杏奈(幼少期)
(朝……でも朝早くだったらお母さんも寝てるし、バレないよね……？)
杏奈(幼少期)
わかった！
杏奈がそう返事すると疲れていた棘はすぐ眠った
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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