この思いは必ず

あの人が来る時間

コクリと頷く

えとさんは毎日

面白い、楽しい話をしてくれる

いつも笑顔だ

だから

俺はいつも思うんだ

この人の笑顔が好きだなって

でも最近、

笑顔が暗くなっていることが分かる

きっと、

毎日俺のお見舞いに来てくれているから

休む時間や、自分の時間がとれていないのだろう

お見舞いに来てくれるのは嬉しいが

無理をしてもらいたくは無い

明日、

えとさんに伝えてみよう

ガラッ…

最近、自分の時間がとれていない

無理をしているという事も分かっている

…だけど、

ゆあんくんに会いたいから

毎日お見舞いをしに来ている

ゆあんくんが好きだと言ってくれた笑顔

私は毎日笑顔で過ごすようにした

だけど、

疲れが顔に出てきてしまっている

ー次の日ー

いつもの時間

椅子に座り

話始める

そう言って椅子から立つ

俺はえとさんの腕を掴んだ

『俺、えとさんの笑顔が大好きだし、』

事故にあう数分前

頬を赤くしながら

言ってくれた言葉

…じゃあ、

…私の笑顔が好きなら、

ゆあんくんが笑顔にしてよ、

私を笑わせてよ、

…

なのに、

どうして、

私を笑わせてくれないの

えとさんの泣いた表情

また

心が締め付けられる感じ

君の目は

なにかを

訴えてくるような

そんな目をしていた

そしてえとさんは

椅子に腰をおろした

俺はえとさんの腕を掴んだままで

会話を続けた

『普通の同級生』

涙目で話してくるえとさん

顔を真っ赤にする

そう言って目を逸らす

椅子から立つと

後ろ姿を見せて帰っていく

後ろを振り返って

にこっと笑顔を見せてくる

やっぱり

えとさんの笑顔が大好きだ