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BL
チャイムが鳴り終わって
教室の喧騒が少しずつ 落ち着いていく。
放課後の空気はいつも少し緩んでいて
窓から差 し込む西日が机を赤く照らしていた。
いふ
隣の席でいふが声をかけてくる
僕はプリントを鞄に突っ込みながら、肩をすくめた 。
ほとけ
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
くだらないやり取り。
小学生の頃から、ずっとこうだった
家が近所ってだけで
一緒に登下校して、一緒に 遊んで、同じ学校に入って、喧嘩して
気づけば僕たちは「幼なじみ」という言葉以上に 長い時間を共有していた。
だからこそ、気づく。 最近のいふくんが、少し変わったってことに
昇降口を出て並んで歩き出したとき。
ふと視線を向けると、いふくんは夕日の中で何か考え込 むような顔をしていた
眉がわずかに寄っていて、口元がきゅっと結ばれ ている。
いふ
いふ
ほとけ
それ以上追及できなくて、僕は肩をすくめて前を向いた 。
いや、ただの気のせいかもしれない
でも、昔から知ってる顔だからこそ、一瞬も違和感が胸に引っかかる。
幼なじみ 。
ずっと当たり前で、変わらないと思っていた関係 。
けど、今日いふくんの横顔を見ていると、少しずつ遠くへ行ってしまうような気がして
僕はその感覚を、うまく言葉にできなかった。
駅まで続く商店街は、夕方の匂いが していた。
焼き鳥の煙が漂って、部活帰りの生 徒や買い物袋を下げた人たちが行き交 っている。
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
そう言いながらも、いふくんは財布を取り 出して一緒に買ってくれる。
ベンチに座って肉まんを頬張りなが ら、僕は隣のいふくんを横目で見る。
何かを考えているみたいな顔をする。
ほとけ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
口にした瞬間、俺は少し後悔した。 ただの思い過ごしかもしれないのに
そして、いふくんは少し驚いたように目を瞬いて、 それから苦笑を浮かべる。
いふ
最後の言葉は小さくて、肉まんの湯気に溶けてしまいそうだった。
その声を聞いた瞬間、胸の奥がきゅっと痛んだ。
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