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青年前世殺人犯刑罰記

第2話 - 第二話『捕獲』

141

2025年11月22日

#恋愛

#ミステリー

暴走にんじん

数分後

キーリ

準備はできた？

モリ

…はい

キーリ

大人しめの子でも、強力な武器を持ってたりするから

キーリ

警戒してね

モリ

分かりました

キーリ

うーん。

キーリ

木陰山か〜

キーリ

あんまり良い思い出無いのよね

モリ

そうなんですか？

モリ

(いつも大胆なキーリなら、なんとでもなりそうだけど…)

キーリ

前、木陰山でターゲットに逃げられたのよね

キーリ

良い素材だったのに残念だったわね…

モリ

今回で捕らえてみては？

キーリ

それができないのよ

キーリ

家が無い子だったから、先に飢えたみたいね

キーリ

逃した2週間後くらいに聞いたのよ

キーリ

まあ噂話だから真実かは分からないけど

モリ

望みが薄いって訳ですね

キーリ

今はパトリ君を捕まえる事が出来れば良いわ

キーリ

過去なんて見ててもどうしようも無いし

モリ

…

モリ

(の割に前世の罪で追ってる訳だけど…)

キーリ

あ、そういえば

キーリ

モリ君、今回はすぐに終わらせたいから

キーリ

いつも使わない物…そうね

キーリ

催眠ガス、とか持ってきてくれないかしら

モリ

珍しいですね、大体持っていかないのに

モリ

それに、普通にしてもすぐ終わりそうな相手じゃないですか？

キーリ

あまり傷付けたく無いのよね、仕事場に持って行くまで

モリ

そうなんですか？

モリ

じゃあパトリ君には期待しても良いって事ですね

キーリ

そうね…

キーリ

性格が歪んでいる事を願うわ。

モリ

(うーん、やっぱ特殊だな…キーリは)

移動中

モリ

今日は生憎の雨ですか

キーリ

足が滑るかもしれなかったし、ガス持ってきといて正解だったわね

モリ

そうですね。

モリ

パトリ君はどんな人なのか…気になりますか？

キーリ

そうね…

キーリ

パトリ君もなかなか良いけど、ステラ君の方が気になるわね

モリ

ステラ、？

キーリ

ステラ君は居場所がまだハッキリしてないから後回しにしてるわ

モリ

それは、素材、ですよね？

キーリ

ええ、仕事の素材だけど…

キーリ

何か知ってるの？

モリ

いえ、新しい仕事仲間かと思いましたので…

キーリ

今から増えることはないって前も言ったじゃない

モリ

ですが…

モリ

例外は存在するので…

キーリ

とりあえず、パトリ君とステラ君は素材よ。安心して

モリ

…分かりました

モリ

(僕以外が増える訳は無い。無い筈だ)

キーリ

…そうねー、

キーリ

パトリ君は持ち帰ったらどうしようかしら

モリ

いつもの感じでナイフとかはどうですか？

キーリ

うーん、悪くは無いけど物足りなくなってきたのよね

モリ

じゃあ新しい道具を？

キーリ

何を使おうか迷ってて

キーリ

いい案があったら教えてくれる？

モリ

わかりました

モリ

雨、止みましたね

キーリ

傘ささなくていいのは楽だけど

キーリ

地面が濡れて滑りやすいから気をつけてね？

モリ

わかりました

モリ

まぁ、大丈夫だとは思いますけど

モリ

(転けて怪我なんてしたら、僕の仕事の方にも支障が出ちゃうしな、)

キーリ

目的地はこの辺り

キーリ

少し早めに着いたから夜になるのを待つ事にするわ

モリ

分かりました

モリ

…何もする事がないですね

キーリ

うーん…

キーリ

…そうだ、買い物にでも行かない？

モリ

道具のですか？

キーリ

そんな物を買ってしまったら、殺人事件として調査されて普通に逮捕よ…？

モリ

……じゃあ、他のものって事ですよね？

キーリ

そうに決まってるじゃない

キーリ

まあ、あまりに大きいものだと持ち帰るのが大変だから

キーリ

ちょっとしたお菓子でいいんじゃゃない？

モリ

ちょうど小腹も空いてきた頃ですからね

モリ

エナジードリンクとか買っても良いかもしれませんね

モリ

目が覚めていればちゃんと仕事もできるし

キーリ

名案ね。じゃあエナドリとお菓子、買いにきましょうか

夜

キーリ

…

モリ

……

キーリ

さて、そろそろかな

キーリ

って言い続けて30分くらい経ったわね、

モリ

上着、ちゃんと着てきて良かったです

キーリ

用意周到だこと

キーリ

モリ君、資料ある？

パトリ

うーん、どうしよう…

モリ

はい、パトリ君で間違いないみたいです

キーリ

ものすごく無防備ね

モリ

このまま捕えに行っても大丈夫そうじゃゃないですか？

キーリ

焦っちゃダメよ

キーリ

まずは後ろからスプレーでしょ！

モリ

流石に丸腰で行こうとは言ってないですよ…？

モリ

というか、背後から催眠スプレーもかなりリスキーだと思うんですけど、

モリ

毎回言ってますが変える気は無いんですか、？

キーリ

大丈夫

キーリ

そもそも、前世の犯罪が原因で逮捕されるなんてあり得ない話なんだから

キーリ

たとえ前世が殺人犯でも、今世にまで武器を持って出たりしないでしょ

キーリ

…もちろん事前に調べてるからというのが一番大きな理由だけど

モリ

要するに、今世は普通の人として生きているから奇襲される用意なんてしていない

モリ

って事ですよね

キーリ

その通り

キーリ

だから安心して

モリ

…、今回は僕がやりますよ

キーリ

無理しないで

キーリ

いつも捕える時は私でしょ

モリ

うぅ、

モリ

いつかキーリが居なくなりそうで、心配なんですが…

キーリ

私は何年間も一人でやって来れたのよ？傷一つつかずに

キーリ

それに、この現場に慣れているのは私なのよ？

キーリ

場数をこなしてるのだから、大抵のことはどうにかするわ

モリ

…あなたは、死なないでくださいよ、

キーリ

そうね。死ぬのは前世殺人犯だけだから

キーリ

ひとまず、パトリ君が居なくなる前にやっちゃいましょうか

パトリ

友達の家にお邪魔して良かった、

パトリ

今回の課題、結構量多かったし、新しいところでわからなかったから

パトリ

これで今回の試験も安心かな…

キーリ

…

キーリ

(準備オッケー、)

キーリ

(パトリ君、おいで…！)

バサッ

パトリ

うっ、！

パトリ

(だ、誰…だ…)

ドサッ

キーリ

…よしよし

キーリ

良い子良い子…

キーリ

って、前世殺人犯か

モリ

…ふぅー…、

モリ

(毎回心配になるなぁ、)

キーリ

見張はちゃんとしておいた？

モリ

はい。目撃者はいないはずです

キーリ

じゃあ、いろいろしますか

モリ

(こう見ると、毎回結構すごいことしてるよな…)

ガチャガチャ

モリ

よし、できました

キーリ

そろそろ起きる頃ね

パトリ

……う、

キーリ

や、おはよう

パトリ

ひっ、

パトリ

だ、誰ですか…？

パトリ

何これ、手錠、？

キーリ

えぇ。

キーリ

片手に手錠をつけておいたわ

キーリ

あなたなら、この手錠の意味がわかるんじゃない？

パトリ

…ま、まさか

パトリ

僕、無意識に万引きでもしました…？

キーリ

そんなわけないでしょ

パトリ

じゃあ、

パトリ

……、前世の犯罪、ですよね

モリ

そう。

モリ

君は前世で殺人を犯したでしょ？

パトリ

で、でも！

パトリ

それは今世の話じゃない！

パトリ

何で僕がこんな目に遭ってるんだ

キーリ

それは、あなたが前世で罪を償わなかったから

キーリ

それに

キーリ

また殺人を犯そうとしていたでしょう？

パトリ

っ、そんな事、決めつけないでよ…！

キーリ

私には分かるのよ？

モリ

君はさっき入ってた家の同級生の女の子のこと、殺そうとしてたんでしょ？

パトリ

…何でそんなこと、知ってるんだ？

キーリ

まぁまぁ、詳しい話は後でしましょ？

キーリ

一緒に行きましょうか

パトリ

…警察署、？

モリ

違うよ

モリ

前世の罪は法で裁けないから

モリ

僕たちの仕事場に行くんだ

パトリ

仕事場‥？

キーリ

とりあえず行けば分かるわよ

パトリ

い、いやだよ！

パトリ

僕の想いを届けるまで、殺されるわけには行かないんだよ…、

キーリ

…

ジャラッ

パトリ

う、動けない…

キーリ

大人しく着いてきてくれたのね

モリ

さて、

モリ

仕事を始めようか

青年前世殺人犯刑罰記

第二話『捕獲』

資料:パトリ

第三話『仕事』

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