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街は夜
巷には月が霞むほどの黄色い明かりがともり、酔っ払いの歌い声と喧騒が響いている。
そんな中、俺『天谷 宰(あまがい つかさ)』は路地裏で吐いていた。
天谷
吐物がビタビタと口から零れ落ちるその音に、誰かが「汚ぇな」と呟く声がする。
自分の吐瀉物のグロさに、吐き気が込み上げてくるがなんとか我慢して口を拭う。
天谷
息を荒げながら立ち上がり、よろめきつつ歩き出す。
フラフラと歩く俺を、ガラの悪そうな20代くらいのチンピラの男達が5人、ギロリと睨んでくるがそんなのに構っている体力はないので無視をする。
すると、男の一人が近寄ってきて言った。
赤服のチンピラ
俺はそれを無視して通り過ぎようとするが、腕を強く掴まれた。
赤服のチンピラ
男はそう言うと、俺の腕を思い切り捻り上げる。
天谷
痛みに耐えかねて思わず呻くと、周りにいたヤツらも集まってきて、俺を取り囲むように立ち塞がる。
天谷
俺は疲れてぼんやりとした意識のまま、そんなことを考えていた。
リーダーらしきチンピラ
チンピラ達のリーダーらしき男が、俺の顎を掴んで顔を覗き込んでくる。
リーダーらしきチンピラ
リーダーらしきチンピラ
天谷
心の中でそう思いつつも、口に出すなどすれば少なくとも半殺しの目に会うだろうと思い、大人しく財布を差し出した。
リーダー格の男はニヤリと笑うと、財布を受け取り中身を確認する。
リーダーらしきチンピラ
チンピラは舌打ちをしながら、財布をポケットに入れる。
天谷
そう思った矢先、右の頬に強い衝撃が走り、俺の体は地面に転がった。
天谷
口の中に鉄臭い味が広がり、殴られたのだと言うことに気が付くと、痛みが急に現れて、頬に涙が流れる。
リーダーらしきチンピラ
地面に伏した俺の頭を、チンピラが踏みつけてきた。
白服のチンピラ
リーダーらしきチンピラ
緑服のチンピラ
黒服のチンピラ
赤服のチンピラ
ギャハハと笑いながら話すチンピラ達の会話を聞いて、背筋が凍るような恐怖を感じた。
天谷
天谷
目で天を見ながら祈ってみるが、そんなの何にもならないことは分かっている。
白服のチンピラ
男の1人が俺の髪の毛を掴んで立ち上がらせてくると、腹部に拳を1発打ち込まれた。
ドスッ
天谷
口内の血と共に胃液が漏れ出る。 息ができない、気持ち悪い。
白服のチンピラ
そう言って、再度腹パンを食らわせようとして来たその時だった。
ズパァッ
そんな鈍い音ともに、白服のチンピラの両腕が、地面に落ちた。
白服のチンピラ
緑服のチンピラ
一瞬の出来事に、その場にいた誰もが唖然とする。
白服のチンピラ
腕のあったハズの場所から噴水のように吹き出す血液を見て、ようやく痛みを感じ始めたらしいチンピラが叫び声を上げた。
白服のチンピラ
血をまき散らして叫ぶチンピラ
ズパァッ
先ほどと同じ音がした。
見ると白服のチンピラの首に、真っ直ぐの赤い線が入っていた。
白服のチンピラ
チンピラは喉と口から血を吐き出して倒れた。
赤服のチンピラ
???
突如響いてきた声に、俺も含めて全員がそちらを見る。
謎の青年
そこには、真っ黒なスーツを着た、いやに肌の白い笑顔の青年が立っていた。
リーダーらしきチンピラ
リーダー格の男がそう叫ぶと、彼はゆっくりとこちらへ歩いてくる。
謎の青年
青年は、まるで友人に向けるように親しげな笑みを浮かべながら言った。
謎の青年
青年が、細い目で俺を見つめる。
天谷
心臓の鼓動が嫌に大きく感じる。
飲み込んだ唾液は酸っぱくて 苦くて、鉄臭かった。
謎の青年
謎の青年
謎の青年
青年が怯えるチンピラ達に向かって右手をかざすと、その頭上に光輪が現れた。
黒服のチンピラ
赤服のチンピラ
チンピラ達は苦痛の声を上げる間も無く、その身体が徐々に水分がなくなるかのようにクシャクシャになっていく。
やがて全身茶色く変色し、即身仏かミイラかのように干からびると、そのまま地面に倒れ込む。
グシャッ
地面にぶち当たったチンピラ達の体は、枯葉を踏んだ時のような音を立てバラバラになった。
天谷
恐怖のあまり、声が掠れて、叫びたくてもか細い声しか出ない。
謎の青年
天谷
ペ二族
ペ二族
ペ二族
ペ二族
ペ二族
ペ二族