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チャットノベル短編集

20 - 🍈🐷・🍈🗽『あのね!』

♥

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2025年11月02日

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レコーディングスタジオに向かう途中、駅近くの路地裏で、メンバー2人の姿が見えた。

18号

…めろちゃん、いくよ?

キャメロン

は、はい…………

大好きな彼の後ろ姿と、その後ろから聞こえてくる、メンバーの声。

彼女は背が小さいから、彼の体の影に隠れている。

18号

緊張しすぎやろ笑

キャメロン

だって…

18号

ほら、目閉じて?

彼が屈んで、彼女の姿が、少し見えた。

見たくなかった。

知りたくなかった。

あのふたり、付き合ってたんだ。

キス、してた。

りぃちょ

知りたく、なかったよ…………

自販機の前で、しゃがみこんだ。

小一時間ほど経ち、飲み物を買いに来たシードがりぃちょを蹴る

シード

こんなとこでなにしとんりぃちょくん。邪魔なんじゃけど。

りぃちょ

………しーどちゃん、

涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったりぃちょの顔面を見たシードはぎょっとして、エナジードリンクを1本奢ってやった。

自販機の前にいては邪魔だからと、そこらのベンチに2人で座った。

シード

…で、何があったん

りぃちょ

………シードちゃんに話しても、どうせ意味ないし…

シード

はぁ!?お前人にモンエナ奢らして話聞かせる雰囲気出しといてそれ言うん!?!?

立ち上がって文句を垂れたシードを見て、思わず笑みがこぼれた。

りぃちょ

へへ、冗談

シード

はぁ…

呆れた顔をしながらベンチに座る。

りぃちょ

…キャメさんとじゅはちが、キスしてた

どこか遠くを見つめて、呟いた。

シード

シード

あの二人そういう…へぇ……女研ってグループ内恋愛OKなんじゃ…

視線をあちこちしながらあからさまに動揺している

りぃちょ

…知らんけどそこはいんじゃない?

りぃちょ

問題はそこじゃなくて…

シード

あ、りぃちょくんも18号さんのこと好きだった的な?

シードはこれだ!!という顔でりぃちょに指を指した

りぃちょ

ちがう!!キャメさんだよ!!!!

あまりにも的はずれなことを言うシードに腹を立て、遠回しに伝えることを諦めた。

シード

あそっち?も〜りぃちょくん先に言ってや〜

りぃちょ

言えるか!!

久々にツッコミ側に回り、少し息が切れた。

シード

…てか、それであんなに顔面子泣きじじいみたいにしてないとったんじゃ

りぃちょ

子泣きじじい…?

シード

…まぁ頑張れよ!キャメさん以外にもいい人おるって!

ぽん、と肩を叩いてその場を去ろうとする薄情者の腕をりぃちょはがっしり掴んで

りぃちょ

キャメさんじゃないとやだぁ……

逃がすまいと話を続けた。

シード

めんどくせぇ……

いい所でシードのポケットに入っているスマホが震える

シード

あ!電話かかってきたけごめん!ほんまごめんなりぃちょくん!!

りぃちょ

(こいつ…ニコニコしやがって…!)

今までに見たことがないような満面の笑みで電話をとる

シード

あ、もしもしキルくん?

満面の笑みがみるみる青ざめていく

シード

え!?次レコーディング俺!?ちょっと待っとって!?

シード

順番ずらしとかしてもらっとって!!まだ間に合うじゃろ!?

電話に向かって必死に叫ぶシード。

その後キルシュトルテが何とかしてくれたようで、ホッと胸を撫で下ろした。

シード

え?俺の次りぃちょくんなん?今一緒におるんじゃけど?

りぃちょの方へ視線を向けると、ハッとした顔をしていた。

シード

………ほんまにごめんキルくん、りぃちょくんも飛ばしといて…

どうやらふたり揃って忘れていたらしい。

二人でタクシーに乗り、スタジオに向かう。

シード

俺キルくん達にマジで謝ろ…

りぃちょ

おれも謝んないとな…

落ち込んだ2人と、運転手ひとり。

タクシーの中はしばらくの沈黙が続いたが、シードが口を開く

シード

…言うだけ言ってみれば?

りぃちょ

え?

スマホから目を離し、シードを見る。

シード

さっきの、キャメさんがどうのって話

シード

俺、まだキャメさんと知り合ったばっかじゃけあんま言えんけど、気持ち無下にするような人じゃないと思う

シード

じゃけ、言ってもお互いに嫌な気持ちにはならんのんじゃね?みたいな…

シードはあたふたと喋った後、バツが悪そうに下を向いた。

りぃちょ

…ありがと、

なんだか納得させられる言葉ばかりで、今日の夜、作業通話の時にサラッと言ってみよう、そう思った。

そう、思ったのに

キャメロン

あ、遅刻組来た笑

18号

遅い!!私キルちゃんの時からずっと待ってたんだから!日が暮れるかと思った!!

今いちばん会いたくないふたりと、現場で居合わせた。

シードとりぃちょが何となく視線を向ける先は、もちろん隣に立つヤツの顔

見ると、2人とも滝汗を流していた。

18号

…?なんかあった?

りぃちょの顔を覗き込む18号に焦り、思わずりぃちょの前に出るシード。

シード

いや!別になんもないっすよ!な!

勢いよくりぃちょの方へ振り向くと、分かりやすく俯いていた。

シード

(今話したくないのはわかったけ誤魔化せってお前!!!!)

りぃちょは俯いたまま、口を開いた。

りぃちょ

………付き合ってんなら、早く言いなよ、

りぃちょ

おれらべつに、否定したりしないし、

完全に頭が真っ白になってしまったりぃちょの口から発されたのは、思ってもいない肯定の言葉であった。

シード

は!?

思わず声が出るシード。

俯いたまま顔を真っ赤にして動かなくってしまったりぃちょと、ぽかんとしている2人の顔を交互に見たあと、シードはこういう結論に至った。

シード

(うし、防音室入るか。)

やはりこの男、薄情者。

シードが入った後、3人になってしまったりぃちょ、キャメロン、18号。

地獄と化したこの控え室に流れるのは、静寂だけである………。

18号

あの…りちょ?付き合ってるって…どういうこと?

その地獄のような静寂を破ったのはやはり、18号であった。

りぃちょ

…きす、してたじゃん

ポツリ、とりぃちょが呟く

18号&キャメロン

は!?

2人は揃って、ぎょっとした顔で声を上げた。

キャメロン

いや、いつ!?

18号

どこで!?!?

いきなりの質問攻めに、思わず言葉が詰まるりぃちょ。

りぃちょ

今日、駅近の裏路地で…?

18号

駅近の裏路地…あー!あれかぁ!

キャメロン

あの時か!いやぁ見られてたかぁ…

ハッとした様子のふたり。

キャメロンは、照れくさそうにしていた。

りぃちょ

…やっぱりキスして―

18号

ないない!笑も〜りちょやめてよ〜笑

りぃちょ

キャメロン

そうそう、あの時たまたまじゅうはちと合流して―

キャメロン

いった!?目!目痛い!!

俺の目にゴミ入っちゃって

18号

ちょっうるさいキャメ!!とったげるから…えぇい!こっち来て!

人混みの中だったから迷惑になると思って、じゅうはちが裏路地に連れてってくれて…

裏路地に入った後、急に痛みが引いてきて

ゴミが目から出て正体がわかったから、じゅうはちがとってくれるって言って…

18号

めろちゃん、いくよ!

キャメロン

は、はい!!

18号

緊張しすぎやろw

キャメロン

だって……

18号

ほらはよ屈んで目閉じて!取るよ!

キャメロン

はい……

キャメロン

って感じで

18号

間違ってもキスなんかしてない!

りぃちょ

そ、うだったんだ……

安堵で涙がこぼれそうになる。

必死で下を向いて、髪で顔を隠した。

キャメロン

もしかして、それで悩んでた?

核心を突かれ、鼓動が早くなる。

りぃちょ

(もしかして、おれが好きなの分かって―?!)

キャメロン

グループ内恋愛ってセーフなの!?みたいな?

りぃちょ

ちがう!!!!!!!!!!

思わぬデジャブに腹が立ち叫ぶと、その声は控え室によく響いた。

キャメロン

えぇ?!

18号

鈍感ノンデリ…………

キャメロン

いやいやいや!!

仕事が終わり、諸々一段落した後

りぃちょ

『キャメさん、今いい?』

個人LINEにメッセージを打ち込む。

了承を得て、電話をかけた。

りぃちょ

…もしもし?

キャメロン

もしもし?どした?

大好きな、鈍感で、ノンデリな彼の声が聞こえてくる。

自信を持って、シードちゃんの言葉を信じて、口を開いた。

りぃちょ

………あのね!

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