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レコーディングスタジオに向かう途中、駅近くの路地裏で、メンバー2人の姿が見えた。
18号
キャメロン
大好きな彼の後ろ姿と、その後ろから聞こえてくる、メンバーの声。
彼女は背が小さいから、彼の体の影に隠れている。
18号
キャメロン
18号
彼が屈んで、彼女の姿が、少し見えた。
見たくなかった。
知りたくなかった。
あのふたり、付き合ってたんだ。
キス、してた。
りぃちょ
自販機の前で、しゃがみこんだ。
小一時間ほど経ち、飲み物を買いに来たシードがりぃちょを蹴る
シード
りぃちょ
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったりぃちょの顔面を見たシードはぎょっとして、エナジードリンクを1本奢ってやった。
自販機の前にいては邪魔だからと、そこらのベンチに2人で座った。
シード
りぃちょ
シード
立ち上がって文句を垂れたシードを見て、思わず笑みがこぼれた。
りぃちょ
シード
呆れた顔をしながらベンチに座る。
りぃちょ
どこか遠くを見つめて、呟いた。
シード
シード
視線をあちこちしながらあからさまに動揺している
りぃちょ
りぃちょ
シード
シードはこれだ!!という顔でりぃちょに指を指した
りぃちょ
あまりにも的はずれなことを言うシードに腹を立て、遠回しに伝えることを諦めた。
シード
りぃちょ
久々にツッコミ側に回り、少し息が切れた。
シード
りぃちょ
シード
ぽん、と肩を叩いてその場を去ろうとする薄情者の腕をりぃちょはがっしり掴んで
りぃちょ
逃がすまいと話を続けた。
シード
いい所でシードのポケットに入っているスマホが震える
シード
りぃちょ
今までに見たことがないような満面の笑みで電話をとる
シード
満面の笑みがみるみる青ざめていく
シード
シード
電話に向かって必死に叫ぶシード。
その後キルシュトルテが何とかしてくれたようで、ホッと胸を撫で下ろした。
シード
りぃちょの方へ視線を向けると、ハッとした顔をしていた。
シード
どうやらふたり揃って忘れていたらしい。
二人でタクシーに乗り、スタジオに向かう。
シード
りぃちょ
落ち込んだ2人と、運転手ひとり。
タクシーの中はしばらくの沈黙が続いたが、シードが口を開く
シード
りぃちょ
スマホから目を離し、シードを見る。
シード
シード
シード
シードはあたふたと喋った後、バツが悪そうに下を向いた。
りぃちょ
なんだか納得させられる言葉ばかりで、今日の夜、作業通話の時にサラッと言ってみよう、そう思った。
そう、思ったのに
キャメロン
18号
今いちばん会いたくないふたりと、現場で居合わせた。
シードとりぃちょが何となく視線を向ける先は、もちろん隣に立つヤツの顔
見ると、2人とも滝汗を流していた。
18号
りぃちょの顔を覗き込む18号に焦り、思わずりぃちょの前に出るシード。
シード
勢いよくりぃちょの方へ振り向くと、分かりやすく俯いていた。
シード
りぃちょは俯いたまま、口を開いた。
りぃちょ
りぃちょ
完全に頭が真っ白になってしまったりぃちょの口から発されたのは、思ってもいない肯定の言葉であった。
シード
思わず声が出るシード。
俯いたまま顔を真っ赤にして動かなくってしまったりぃちょと、ぽかんとしている2人の顔を交互に見たあと、シードはこういう結論に至った。
シード
やはりこの男、薄情者。
シードが入った後、3人になってしまったりぃちょ、キャメロン、18号。
地獄と化したこの控え室に流れるのは、静寂だけである………。
18号
その地獄のような静寂を破ったのはやはり、18号であった。
りぃちょ
ポツリ、とりぃちょが呟く
18号&キャメロン
2人は揃って、ぎょっとした顔で声を上げた。
キャメロン
18号
いきなりの質問攻めに、思わず言葉が詰まるりぃちょ。
りぃちょ
18号
キャメロン
ハッとした様子のふたり。
キャメロンは、照れくさそうにしていた。
りぃちょ
18号
りぃちょ
キャメロン
キャメロン
俺の目にゴミ入っちゃって
18号
人混みの中だったから迷惑になると思って、じゅうはちが裏路地に連れてってくれて…
裏路地に入った後、急に痛みが引いてきて
ゴミが目から出て正体がわかったから、じゅうはちがとってくれるって言って…
18号
キャメロン
18号
キャメロン
18号
キャメロン
キャメロン
18号
りぃちょ
安堵で涙がこぼれそうになる。
必死で下を向いて、髪で顔を隠した。
キャメロン
核心を突かれ、鼓動が早くなる。
りぃちょ
キャメロン
りぃちょ
思わぬデジャブに腹が立ち叫ぶと、その声は控え室によく響いた。
キャメロン
18号
キャメロン
仕事が終わり、諸々一段落した後
りぃちょ
個人LINEにメッセージを打ち込む。
了承を得て、電話をかけた。
りぃちょ
キャメロン
大好きな、鈍感で、ノンデリな彼の声が聞こえてくる。
自信を持って、シードちゃんの言葉を信じて、口を開いた。
りぃちょ