また、やっぱり変わらんかった
医者が言ったことやっぱり、ほんと だったんや
澪
…………
晴翔
あれ
晴翔
澪さん?
澪
ん?誰…あっ
澪
はるとくんやん
晴翔
覚えててくれたんですね
澪
当たり前やろ
澪
俺が1番に話しかけたんや
澪
忘れるわけないやろ
晴翔
嬉しいです
晴翔
病気の方どうですか?
澪
あぁ、変わらんよ
何も変わってなかった
晴翔
そうですか、
澪
はるとくんは?
澪
順調か?
晴翔
俺もあんま変わりません
澪
…そっか、お互い頑張ろな
澪
それじゃ
晴翔
はい、また
晴翔
(あの人、また強がってる)
数年前……
晴翔
暇だ
入院なんて、楽しいことなんかない
ただ、単純に日々が刻々と過ぎていく
1時間が何十時間にも感じる毎日
看護師
今日から、こちらの病室になりますね
晴翔
誰だ?
澪
あぁ、お隣さんや
澪
今日からよろしくな
随分上から目線のやつ
晴翔
(俺の方がここに居る期間が長いのに)
晴翔
(気に食わねぇ)
澪
俺な、病室移動するん
澪
これで3回目
晴翔
(は?)
晴翔
(どういうことだ?)
『俺の方が期間が長い?』
何言ってんだ俺
晴翔
(こいつもしかして)
澪
全然答えてくれへんやん
澪
つまらんなぁ
その瞬間俺は、
晴翔
あんた、何年ここに居んの?
言葉が口をついて出た
単純な疑問だった
単純な
澪
お、やっと口開いてくれた
澪
しょっぱな、その質問か
晴翔
別に言いたくないなら……
澪
『子供ん時からや』
晴翔
いい…
は?
こいつ、見た感じだが
大学生くらいだよな?
晴翔
…!あんた、何歳
澪
歳聞くなんて失礼やなぁ
少し間をおいて、答えた
澪
今年で23や
晴翔
子供って何歳から
澪
小学生くらいやったか、
澪
それより年下やったか、覚えてへん
晴翔
じゃあ、そんな小さい時から
晴翔
ずっと?
澪
あぁ、そうや
ふざけんな、
何が俺の方が期間が長い、だ
晴翔
あんた、名前は?
澪
澪、山城澪
澪
きみは?
晴翔
晴翔
澪
名字は?
晴翔
川口
この人には、もう、怒りなんか
ムカつくなんかする、気力は湧かなかった