ヴェノムに導かれ…

⚠️注意喚起⚠️

嘔吐(えず)き等、体調不良系の不快になる描写が多数ございます。 閲覧される方は気をつけてお読みください。

全員が一斉に、椅子に腰掛けているらだおを見る。

視線が集まって気まづいのか、らだおは手をいじり始めた。

鳥野がらだおの怪我をじっと見つめる。

額に冷や汗を垂らしているらだおはキュッと目を瞑り、口を覆った。

口元を押さえた甲斐もなく指の隙間からぽたぽたと吐瀉物が落ちる。

そう言うと男は何処からか袋を取り出し、らだおの口元に持っていった。

鳥野が無線に話しかければ、それほど遠くない位置にある病院から直ぐにサイレンが聞こえてきた。

一方、牢屋対応は、犯人を捕まえた猫マンゴー、壺浦、オルカ、そしてヘリで連行した成瀬で行われた。

犯人達の治療が終わったましろは、牢屋から出てクッと伸びをした。

犯人に説教を垂れるべく牢屋へ一歩近づいたマンゴーが、膝から崩れるように倒れた。

線が切れたようにパタリと動かなくなってしまったマンゴーに駆け寄った。

男は嬉々とした表情で柵越しにマンゴーを観察している。

バン！と一発、成瀬がハンドガンを撃てばその弾丸は敵の脳天を見事とらえた。

オルカが震えた声で呼ぶ。

猫マンゴーのダウン通知を受け、ひのらんが様子を見に地下へ降りてきた。

三人をそれぞれ担架で担ぎ、階段をかけ登った。