初兎 が りうら をグループに招待しました
俺はグルラに入ってみて驚いた。 だってそこは、ほとけっちがいなかったから。
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その話が出て、ビクッとする俺。 ほとけっちが燃えた原因であるあの動画。 …あの企画を考えたのは俺だった。 俺のせいで、ほとけっちが炎上したんだ。 ずっとそう思ってしまう。
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無意識に口から出た言葉。 もちろん本気じゃなかった。 言った瞬間、あ、ヤバい、と後悔もした。 ……けれど。
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……え? 自分から言ってなんだけど、そんなことしたら絶対傷つく。 でも、撤回するにはもう遅い。 皆は安心したかのようにチャットを抜けていった。 最後に残ったのは俺だけ。 ……仕方がない、か。
そう思ったのが間違いだった。
スタジオ
あれから数日たった今日。 ダンス練の日、だが…。
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約束した時間から二時間。 ほとけっちはまだ来ない。 あの炎上の件もあるし、すごく心配。
「ホんとウ二…?」
脳内に声が響く。 …は? これ、誰の声…?
「ミンなニしンぱいサれてるノがうラやまシイだけジゃないノ…?」
違う。違う違う! 俺は…俺は…。
「ホら、すなオにナりなよ…」
「おマえハ…シっとするダけのミにくイいキもノ…」
違う!! 醜くなんてない…!!
「ミとメろ…ミとメろ…」
違う!違う違う違う……!!
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気づけば、皆が俺を見ていた。 …どうして気づいたんだろう。 口に出していないのに。
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そう言ったまろも、ないくんも、初兎ちゃんも、アニキも。 皆目の下に濃い隈を作っていて、見るからに疲れていた。 …頼れない。 こんな懸命にほとけっちを心配してる人たちに、醜い俺が、頼れない。 ……あれ? 今、俺、醜いって……
「ヤっとミとメたか…」
「オまえは…アいツのこトをネたんでいるノだロう…?」
俺が、ほとけっちを?妬む? あり得ない。そう思うはずなのに。
”いむってほんと可愛いよね”
”まぁほとけにしてはええんちゃう?はいはい、えらいえらい”
”いむくーん!!遊ぼ!”
”ほとけ、大丈夫か?”
誰にでも好かれて、明るくて、心配してくれる人がいる彼がうらやましい。 何もしないでも好かれるのがうらやましい。 …ああ、ほとけっち、ずるい。 …これが、妬む、ってこと?
「ソうダ…オまえは、アいツをネたんでイる…」
「オまえは、アいツがキらイなんダろ…?」
嫌い? 何しないでも好かれて、なのに努力してる俺は評価されなくて。 ……あぁ、そうかもしれない。
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俺は…ほとけっちを妬んでいる。
バンッ!
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ほら、今だって。 寝坊なんてあり得ない時刻なのに…、
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皆次々許していく。 意味わかんない。 りうらが同じ事したら、怒るのに…?
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自分から、おそろしく低い、醜い声が出た。
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泣きそうな顔でそう言ったほとけっちを見て、我に返る。
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俺が必死な勢いで謝ると、ほとけっちはふにゃっと笑った。 …ううん、よく見れば全然笑えてない。 何度も練習したような笑顔。
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しばらくの沈黙の末、ないくんが言った。
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…うん、と俺たちは何かを隠すように返事をした。
会議室前
数日後、いれいすの会議で俺はここにいた。 俺は時間の少し前に着いたから皆まだかな。 …そう思っていると。
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ほとけっちの声がかすかに聞こえた。 …何か、怒ってる? ほとけっちが怒るのはかなり珍しい。 …誰に怒っているんだろう? 思わず聞き耳を立てた。
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…え、相手初兎ちゃんなの? 初兎ちゃんも怒ってるみたいだし。 いつも仲のいいいむしょーなのに。 そう思っていると、会話が終わり、ドアが開いた。
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いつもは温和な初兎ちゃんの、荒い声。
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いつもは「僕」という彼の、「俺」という一人称。 いつも笑顔な彼の、哀しそうな顔。
…おかしい。 今日の初兎ちゃんは、何かおかしい。
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…けれど、俺はそこには触れず、ドアを開けた。
会議室
ドアを開けると、いすに座って泣いている彼がいた。 …どうして泣いているのだろう。
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ほとけっちが涙を止めてこちらを見てくる。 …初兎ちゃんと同じ問いかけ。
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初兎ちゃんの時と同じように返す。 …けれど。
「どうして?」という問いかけが、喉まで出かかったけれど、出なかった。 ……ううん、出さなかった。
だって俺は、ほとけっちを妬んで、いるから。
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自分が嫌になってしまう。 どうして彼を好きになれないのか。 …いや、純粋に「すごいね」って笑えないのか。
悔しく思う一方で、けれど「当たり前だよ」と思う俺もいる。 …皆がほとけっちの方ばっかり見るから。 俺を、見てくれないから。
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ほとけっちが何かを言いかけたところで、ドアが開き、ないくんが入ってきた。
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初兎ちゃんの名前が出て、ほとけっちが息をのむ。 気にかければ良かったのに。 一言、「どうしたの?」って聞ければよかったのに。
思えばこの時から、俺たちは崩壊し始めた。
コメント
5件
続きみた過ぎます!
続き楽しみです!!