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青城の3年に絡まれた影山くん　前

第1話 - 青城の3年に絡まれた影山くん　前

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2022年08月13日

#影山飛雄

#及影

#青葉城西

#烏野

#モブ影

#ハイキュー

いふ

「青城の3年に絡まれた影山くん」前

“こと”の発端は日向の一言だった。

“4時から体育館の点検がある日”。そんな日に限って、烏野排球部主将、澤村大地は見つけてしまった。

澤村大地

あれ、これ誰のシューズケースだ？

菅原孝子

？

菅原孝子

名前書いてあるか？

澤村大地

んー、えっとな、O.T…？

菅原孝子

影山と山口は名前のイニシャルがTだけど、Oは居ないべ、

澤村大地

……一応、聞いてみるか

澤村大地

おーい、影山、山口！

日向翔陽

あ、大地さん！

影山飛雄

…？

菅原孝子

あれ、山口は？

日向翔陽

山口なら月島と先に帰りました！なんか用っすか？

澤村大地

いや、たいしたことじゃないんだけどな、このシューズケースって誰のか分かるか？

日向翔陽

…？

影山飛雄

……？あ、これ

澤村大地

あ、影山のか？

影山飛雄

いえ、多分あの人のです

日向翔陽

あの人？

菅原孝子

……あ、まって分かったかも

澤村大地

菅原もか？

菅原孝子

うん、あー、うんそうだ。先週烏野で練習試合組んだもんな

澤村大地

練習……あ、青城の主将のか

菅原孝子

だべ？影山

影山飛雄

あ、はい。多分そうっす

日向翔陽

へ〜、大王様、こんな感じの使ってんのか

澤村大地

流石に早めに届けたほうがいいよな

菅原孝子

でも及川の事だし、一週間もたてばもう新しいの買ってんじゃねぇの？

影山飛雄

……っえ

日向翔陽

え？

澤村大地

……影山？

影山飛雄

あ、いや、そっすよね。何でもないです

菅原孝子

…さっきもいち早く及川のだって気づいたし、もしかしてこのシューズケース、なんかあるの？

日向翔陽

影山がプレゼントしたとか？？

澤村大地

日向、多分それは無──

影山飛雄

……そうです

澤村大地

？！

日向翔陽

ま、じかー…

日向翔陽

えっ、でも人から貰ったもん他校に置いてきたのに取りに来ないってことは、

澤村大地

日向、それ以上は、

日向翔陽

でも、そういう事じゃないっすか！

影山飛雄

……誰のか分かったんで、もう俺帰りますね

日向翔陽

え？

澤村大地

影山、多分及川は気づいてないだけだって！な？

菅原孝子

……影山、

影山飛雄

…はい

菅原孝子

このシューズケース、及川まで届けてくんない？

影山飛雄

え？

日向翔陽

菅原さん？！

菅原孝子

な？いいべ。今日は部活も早めの切り上げだし、丁度いいべ

影山飛雄

いや、でも

菅原孝子

影山、先輩命令だぞ

影山飛雄

っ……んぬん

澤村大地

（…何企んでんだ菅原は）

日向翔陽

か、影山、俺もついていこうか？

影山飛雄

いや、ややこしくなるから大丈夫だ

日向翔陽

そ、そうか。なら、お、お疲れっしたー！！

澤村大地

日向、あいつ逃げたな

菅原孝子

…はは

菅原孝子

……影山！

影山飛雄

は、はい

菅原孝子

大丈夫だ。なんかされそうになったらすぐに電話かメール！いいな？

影山飛雄

うす！

澤村大地

無理すんなよ、影山

影山side

あれから数十分。いや、もしくは1時間以上か

結論から言うと、未だ及川さんに届けられていない。

影山飛雄

（意味わかんねぇ、なんで青城もバレー部練習してねぇんだよ！）

体育館の入り口まで来たものの、中で練習しているのはバレー部ではなくバドミントン部。

何がなんだかわからない。つまりは、今日は及川さんに会えないと言うことだろうか？

眉間にしわを寄せてあたふたしていると、肩にぽんと手を置かれた。

バレーで鍛え上げられた反射神経を使って即座に後ろを振り向く。

……そこには、青城の男子生徒と思われる人が立っていた。

青城3年

あ、やっぱり他校の子だ君

影山飛雄

え、あ、うす

青城3年

はは、そんな堅苦しくしないでよ。

影山飛雄

す、すんません

青城3年

どうしたの？人探し？

影山飛雄

……あ、及川さ……バレー部ってもう帰っちゃいましたか？

青城3年

バレー部か、んー、たしか3年の教室でミーティングとか言ってたな

影山飛雄

…！ほ、ほんとですか？！

青城3年

……え、うん

影山飛雄

あの、もしよければ案内してほしいんすけど…

青城3年

……うん、君かわいいし、いいよ

影山飛雄

かわ……？え、

青城3年

おいで、こっち

それから数分、俺は青城の人に案内をしてもらっている。が、

影山飛雄

（ここほんとに生徒棟か？！）

足を踏み入れた校舎はお世辞にも設備が整っているとは言えないような内装だった。

それどころか、古くなったのか知らないが、木目がぎしぎしと音を立てていた。

影山飛雄

あの、俺、説明して貰えれば行けるんで

青城3年

あー、だめだめ。説明しても迷子になっちゃった子居るから

影山飛雄

…で、でも、

影山飛雄

……お、れ今日はやっぱり帰ります！そんで、また後日お礼も持ってくるで、

「だから、」と話を続けようとしたその時、前を歩いていた青城生徒に腕を掴まれた。

足がすくんで思うように力が出せない、しかもびびって声も出ねぇ

影山飛雄

……え、あ、っ？

青城3年

君、バレー部で身長もあって筋肉もついてるのに、力は弱いんだね？か〜わい

違う。断じてそんなことはない。ただ、こんな状況が初めてすぎて理解が追いつかない。

「怒り」や「苛立ち」の感情よりも俺の中に大きくあったのは「恐怖」だけだった。

影山飛雄

っ…あ、の、離してくださっ、

青城3年

嫌だよ。絶対いや、俺君に興味湧いてきちゃったし

青城3年

こんなに従順だとは思わなかったよ

背筋が凍る

この人の言葉がまるで理解できない。じゅうじゅん…？何だそれ、

そのまま強さが増した力で腕を引かれる。どこかに連れて行かれる。

嫌だ、いやだ、こわい

だれか、たすけて、

っ……おいかわ、さんっ

青城2年

……え、あれ、やばくない…？

青城2年

バレーって、言ってたよね？

青城2年

取り敢えず、バレー部に伝えなきゃ

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