Dark Princess

深夜2時、都内のワンルームマンション。
会社から帰宅し、疲れ果てた紗耶（さや）
普段、フリマアプリは使わないのだが、今日は何かに引き寄せられるかのように、ついアプリを開いてしまった。
スクロールしていくうちに、不気味な商品が目にとまった…。
商品名は「古びた木箱」というタイトルが付けられていて、説明文はただ一行だけ…。
「欲望を叶えたければ、これを試して下さい…。」
写真には木箱の上に赤いリボンが巻かれているだけで、どこか不気味な雰囲気が漂っていたが、それに惹かれるような感覚が紗耶を支配した。
価格は3000円
安い！！
買うべきという衝動が、紗耶を止められなかった。
「購入する」ボタンを押してから、少しだけためらったが、結局直ぐに支払いを済ませ、翌日には商品が届いた。
箱を受け取った時、どこか違和感があった。
不自然に重い…。
梱包はシンプルで、ただの段ボールに入っていた。開けると、写真の通りのリボンが巻かれた箱が入っていた。

紗耶は箱を手に取ると、直ぐに気づいた。
箱に付いたリボンは、どれだけ引っ張っても切れない。
ナイフやハサミでも切れないどころか、リボンに触れるたびに、冷たい感触と微かな振動が伝わってきた。

でも…どこか惹かれるものがある…紗耶はリボンを触り、箱を回し続けていた。

紗耶はリボンを外したい衝動が抑えられなくなる。

紗耶はフリマアプリを見返した。
だが、説明文には、「欲望を叶えたいなら、これを試してください。」としか書かれていなかった。
レビューを見ると、数々のレビューがある。
スクロールしていくと、あるレビューに目に止まった。

紗耶はレビューを見て、SNSのLIVE配信を始め、箱を開けるのをLIVE配信する事にする。

そーすると、びくともしなかったリボンが脈を打つかのように、ひとりでにほどけていった。

その時、部屋の灯りが一瞬消え、部屋の空気が重くなった。
箱の中から何かが現れたような気がした。
リボンは脈打ち、奇妙にうねり、紗耶の指に絡みついた。
そして…
紗耶の後ろに人影が現れた。

その声は甘く、誘うようなものだった。

紗耶は恐る恐る振り返ると、異様な風貌の少女が立っていた。

紗耶は恐る恐る話しかけた。

彼女は微笑みながら、ゆっくりと歩み寄ってきた。
その顔には、まるで無邪気な少女のような表情が浮かんでいたが、目には何か恐ろしいものが宿っていた。

DarkPrincessは無邪気な笑顔浮かべて、紗耶の耳元で呟いた。

紗耶は、その言葉に導かれるように、深く息を吸い込む。
自分が何を求めているか、今まで抑え込んできた欲望が、無意識に呼び覚まされる。
心の中で1つの願いが湧き上がった。

その願望を口にした瞬間、指に絡みついてたリボンが腕、肩、首へと絡みだした。

DarkPrincessがまた微笑む。だが、その表情は、無邪気さとは程遠く、まるで遊戯のような冷徹さを帯びていた。

紗耶は箱を覗いた。
箱の中から黒い光りが灯る。
次の瞬間…箱から無数の鉤針が飛び出てきた。
鉤針は紗耶の両口角、瞼、鼻へと突き刺さる。
指、腕、首に絡みついていたリボンもいつしか、有刺鉄線のようになり、皮膚に刺さりだした。

天井からも鉤針が垂れてきて、紗耶の肩、腕、腰へと刺さる。
磔のような状態になる。

DarkPrincessは腰に付けたバラ鞭を取り出し、紗耶の身体をなぶり始めた。

バラ鞭を打たれる度に、紗耶の服が裂けていき、やがて全裸になった。
全裸になってもDarkPrincessはバラ鞭を打つのを止めなかった。

紗耶の意識は飛びそうになっていた。
だが、紗耶の身体は何故か感じているようだった。

そー言うと、DarkPrincessは指を鳴らした。
その瞬間、空間がねじ曲げられ、一瞬真っ暗になった。
紗耶は遠退く意識の中、顔を上げた。
目の前には、見たことのない拷問器具の様な物が壁一面にあった。

紗耶は怖がった。
するとDarkPrincessが紗耶の耳元に近づき

DarkPrincessの声は、どこか嬉しそうだった。

DarkPrincessはまた指を鳴らした。
また、天井から鉤針が垂れてきて、紗耶の乳房や太ももに突き刺さった。

紗耶の悲鳴が部屋中に響き渡る。
DarkPrincessは手を鳴らした。
するとまた天井から鉤針が垂れてきて、紗耶の乳首、脇、脚の内側に突き刺さり、吊り上げていく。
紗耶は、空中に裸で晒される。

DarkPrincessが手を上げると、紗耶の身体めがけ、無数の針が刺さった。

DarkPrincessは指を鳴らした。
辺りは暗くなり、紗耶の部屋に戻った。
そこには紗耶はいない。
LIVE配信していたスマホも、紗耶の声だけが配信されたまま。
箱も消え、何事もなかったような部屋になっていた…。