テラーノベル
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家の分かれ道までの数分が、やたら長かった。
(帰りたい。でも帰りたくない。何それ)
沈黙が気まずいんじゃない。
沈黙の中で、私の心だけが暴れてるのが、ばれそうで怖い。
のあ
声が出たのは、沈黙に耐えられなかったから。
なおきり
のあ
なおきり
(気になる、ってなに。優しい言い方にしても、痛い)
のあ
(平気。平気。私は平気)
私は笑ってみせた。
口角を上げるだけの笑い。
"友だちとしての反応" を必死で演じる笑い。
のあ
なおきり
なおきりが初めて、こっちを見た。
でも表情は読めなかった。
いつもの落ち着いた顔のまま、少しだけ迷ってるみたいな目。
なおきり
のあ
なおきり
(…どう思う、って、何を答えればいいの)
心臓が、どくんと強く鳴った。
答えなんて、出てこない。
のあ
(うそ。よくない。全然よくない。)
なおきり
その返事が、妙に軽くて、
私の胸がさらに痛くなった。
(何が "そっか" なの。なおきりは、私の返事で何を決めるの)
分かれ道。
いつもならここで「また明日」って言って、終わる。
なおきり
のあ
なおきりが自分の家の方へ歩く。
その背中が、夕日に溶けそうで、いつもより遠い。
(…私、なんで笑ってるのに泣きそうなの)
玄関に入った瞬間、やっと息が吸えた気がした。
コメント
3件
続き待ってました!!今回も続きが気になる終わり方だー!!