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俺はあの後神谷の腕の中で眠ってしまったようだった
バイトの掛け持ちで、家に帰れば家の片付け、そして叔母の聞きたくもないあられもない声を聞かない為に家を飛び出す日々
まともに寝れているはずもなく、目元にはクマが刻まれていた
俺はそれに気付かないふりをして平気だと言い聞かせていたのだろう
だからと言って何故神谷の前では安心して眠れたのか、よく分からなかった。
いじめが始まってから人を疑うことしか出来なかったのに
肯定して貰えたことが本当に嬉しかったのだろうか。
自分の気持ちはよく分からないままだった
黒瀬怜
目を開けると、太陽の眩しい光が目を指す
上手くまぶたを開けることが出来ずに唸ると、目の前に飛び出してきたのは神谷の顔だった。
神谷春斗
神谷の胸元から上が俺をのぞき込むように曲げられる
膝に感じるこの柔らかい感触はもしかして…
神谷の膝?
慌てて起きると、神谷は驚いたように笑う
神谷春斗
黒瀬怜
神谷春斗
神谷春斗
神谷春斗
神谷はクスクスと笑い、俺へと視線を移す
神谷春斗
黒瀬怜
神谷春斗
神谷春斗
神谷春斗
神谷春斗
神谷はどうやら一人暮らしらしい
神谷が何処か大人びて見える理由が何となく分かった気がした
もし、俺が家から逃げたくなったとしても多分コイツの家にお世話になることは無い
まだ信用出来ていないから。
黒瀬怜
黒瀬怜
黒瀬怜
信用したくないわけじゃない
できるなら神谷を信頼して、友好関係を築きたいとまで思ってる
だけど……
神谷春斗
神谷春斗
神谷は何となく俺の葛藤を感じたようだ
そうだ、こうやって俺のことを安心できるように声をかけてくれるこいつを何時までも疑ってる俺は
黒瀬怜
成人していないとはいえ、あと1年で独り立ちしなくてはならない
何時までも一人で生きていける訳じゃないのは分かっているのに
心は追いつかなかった
親睦会は終わり、そのまま学校を出る
神谷とは軽く挨拶をして、連絡先を交換した
クラスLINEからも追い出されていた為か、俺と連絡を取る術が今殆どの人には無いらしい
黒瀬怜
神谷は最後まで俺を安心させるようなことを言っていた
優しい奴なのだろう、少しずつ心の鎖が解けていく感覚がした
黒瀬怜
黒瀬怜
ガチャ
扉を開ける。 人の気配はしたが声が聞こえない為1人だろう
一人なら何ら問題は無い
黒瀬怜
よりによって居たのは、放任主義の叔母ではなく無駄に俺に絡んでこようとする叔母の遊び相手だった
そう言うと、叔母の遊び相手は俺の胸倉を掴む
シャツから苦しそうな音がなると同時に、俺は壁際に追いやられた
黒瀬怜
目の前の男が俺に何をしようとしているのかは分からないがろくなことでは無い事だけは理解出来た
目の前に振り落とされる拳
思わず目をつぶって構えた
鈍い音がした
頬を思いっきり殴られ、歯に振動が来る
折れてはいなそうだ、だが頬はあとが着いてしまうだろう
学校で虐められているとはいえ、殴られることはなかった
初めて感じる痛みに戸惑いと、これからもっと殴られるだろう恐怖感
そして、もう諦めて死にたいという気持ちさえも浮かんできた
気づいたら床に倒れていた
痛みと、抵抗しても意味が無いとわかっているから
体格差からして勝てないのは一目瞭然だ。
大人しくしていることが賢明だった
だが、それが気に食わなかったのか、男は俺を殴り続け、床に倒れた所を思いっきり蹴られる
踵から体重のを乗せて蹴られるものだから、胃が圧迫され、胃液が込み上げてくるが上手くそれも出ない
ただ苦しそうな声を出すことしか出来ない
目の前の男は笑った
ろくでもないことを思いついた顔だった
朦朧とした意識で逃げようと試みたが、それは許されず、足を捕まれた。
そう言って男は俺の制服のベルトに手をかけた
黒瀬怜
殴られた
だが俺も今回ばかりは大人しくしていられない
想像するだけで吐き気がした
黒瀬怜
口の中に無理やり指を入れられる
歯列をなぞられ、鳥肌が立つ。 気持ち悪くて仕方がなかった
歯列から上顎へ、舌を捕まえるように指を動かされ、生理的な涙がこぼれる。
男はそれを見て心底嬉しそうだった
男が自分のベルトを緩める音が聞こえた
だが、俺はコイツに上に跨られている為上手く抵抗できない
指に歯を立ててやろうとした時、男がそれを察したようで俺のみぞおちに拳を入れる
黒瀬怜
死にたい
ほんとに散々だ
もう、俺は……