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桃赤 ハロウィン

ヒラリと、リボンが揺れる

「ねぇ俺、かわい?」

赤い少年は、白い手袋をした手を伸ばした

「あぁ、かわいいよ」

桃色の少年はその手を黒い手袋をした手で取り、頬に当てた

赤い少年は満足そうに微笑み、再び質問をした

「俺のこと、好き?」

桃色の少年はその質問に微かに口角を上げ、誰にも見せない溶けてしまいそうな程熱い瞳で彼を見つめた

「すげぇ好き」

キラリと、瞳が輝く

赤い少年は幸せそうに可愛らしい笑い声を漏らした

その様子にふと伸ばした黒い手が頬に触れる

「____莉犬は?」

「莉犬は、俺のことどう思ってる?」

莉犬は少し目を張った後、頬を微かに染めて満面の笑みで答えた

「大好き」

桃色の少年は口角を上げ、唇が触れ合うだけの優しいキスをして目を合わせる

互いに笑い、幸せだと感じた次の瞬間

カタン、____

2人は一瞬にして音のした方を向いた

先程互いに向けていた優しく暖かく感じていた2人の瞳は冷たく冷え切っていた

「誰だ」

赤い彼には絶対に向けない光の失った目を張り、怒りを露わにした表情に少年はチクリと胸が傷んだ

その痛みを敵に向け、 風を起こし手を上げた

壁には大きな爪痕のように穴が開き、悲鳴に近い叫び声が辺りに響いた

「…相変わらず、莉犬の魔法はすごいな」

桃色の少年は腰をグッと掴み、莉犬を持ち上げた

「………さとちゃん、俺は今怒ってるよ」

莉犬は頬を膨らませ、可愛らしく怒った表情をする

さとみは少し目を張った後、すぐに細めて笑った

「どうして?」

ポスっとソファーに倒れ込み、2人で見つめ合う

「……………」

「…俺に見せない顔を他の人に見せちゃだめ」

「絶対だめ」

ふに、と白い手がさとみの唇に触れる

「____じゃあ、莉犬も俺以外に俺の知らない顔見せるなよ」

触れた手をどかし、白と黒が絡む

菫色と、光と闇が見つめ合い、輝く

どちらかともなく、唇を触れ合わせ、絡め合う

ふたりの、ささやかな甘い時間____

~ end ~

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526

コメント

3

ユーザー

めちゃめちゃ良いし最高です🤦💗 こはなまるさんの桃赤の雰囲気大好きです🤝

ユーザー

思ってたんとちゃう…

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