凛
おっと…戻ったか

凛
(それにしても、教科共を洗脳した一つの教科って一体誰なんだ…?そこが気になって夜しか寝れないぜ…)

凛
(って、そんなことを考えている暇は俺にはない。とにかくこいつの左胸を狙って、正気に戻さなければ…!)

体育
ここで一旦くたばっとけぇぇぇ!!!!!

相変わらずとんでもないスピードで襲いかかってきたなこいつ
だが、洗脳されているだけだと知って仕舞えば俺はもう何も怖くない!
ゆいちー
「イリュージョン!!」

体育
くっ…なんだ、視界が…

ゆいちーがそう唱えると、体育はさっきまでの勢いが瞬で無くなり、頭を抑えながらよろけ始めた
はね
ゆいちー、お前今何をやった…?

ゆいちー
イリュージョンだよ。これを唱えられた相手は幻覚が見えるようになるから、動きを鈍らせることができるのさ!

ゆいちー
でも、効果はそう長くは続かないから、早めになんとかしないといけないんだよね

凛
マジか、助かったゆいちー!!

ソミ
あいつの体力をすり減らす手間が省けたかも…ありがとう!

凛
「エクスプロージョン」!!!

俺がそれを唱えると、まるで火山が噴火したように爆破した
凛
行け、はね!!パクってきた竹刀で体育の左胸を打ち込むんだ!!

はね
っしゃまかせろ!!

爆破に巻き込まれた体育が、巻き起こる風と共にこちらへと飛んできた
体育
オルァァァァ!!!!!

その前にはねがタイミングよく体育の左胸を竹刀で打った
体育
グッ…ガハッ…

吐血したような勢いで咳をし、体育は魂が抜けたのかのように倒れ込んだ
はね
たっ…倒した…

はね
倒したぞみんなー!!!第一の敵を撃破したぞー!!

凛
すげぇじゃんはね!!完全にタイミングがぴったりだったぞ!!

ソミ
そうだよー!!後、私ほとんど何もしてなくてごめんね…

ゆいちー
いやいや、ソミちゃんは傷だらけのうち達を回復してくれたじゃないか!

ゆいちー
決して何もしてないことはないよ!

ソミ
ウッ…女神だ…

凛
まぁ、ゆいちーが本当に女神かどうかは置いといて…

ゆいちー
え?

凛
とりあえず、なんとか撃破できてよかったな!!俺、こいつのこと最初の敵だからって油断してたわ

勝利を得た俺達がテンション上がりながら会話していると、さっきまで倒れ込んでいた体育が起き上がってきた
体育
いてて…俺は一体何してたんだ…?

体育
って、俺の竹刀がねぇ!?どこに行ったんだ!?

凛
おっ…マジじゃん。正気に戻ってる

ソミ
本当に洗脳が解けたみたいだね

ソミ
あっ、あの〜…

体育
なんだぁ?お前ら

ゆいちー
実はかくかくしかじか前転後転ラジオ体操第一ってことがあったんです!

体育
…なるほど、それでお前らはこの先に進むために暴走していた俺と戦っていた…ということか?

凛
(今の説明でなぜ通じたんだ…?)

凛
あぁ、そういうことだ

体育
俺がそんなことをしていたなんて…本当にすまなかった

体育
本物の刀ではないが…詫びとして竹刀で切腹でもするか

はね
待て早まるな!!俺達は大丈夫だから!!

ソミ
そうです!!誰かに操られていたなら仕方ないですって!!

体育
そうか。優しいんだなお前ら

はね
へへへ

ソミ
ふへへへ

凛
お前ら笑い方が普通にキモいからやめろ

ソミ
なんて辛辣な…

体育
(こいつら仲良いんだな…)

体育
俺はこの城のことも、操られた教科達のことについて、色々知っているから、ここにやってきたお前らに教えてやろう

はね
パイセン!!

凛
おっ、マジすかパイセン

体育
マジだ

体育
恐らく、門を潜ったこの先には、「二人で一つ」の教科である「あいつら」が待ち構えているはずだ

ゆいちー
二人で一つの教科…?そんなものあるか…?

体育
それがあるんだよな

体育
あいつら、テストでもセットで出てきてるから、もはや夫婦みたいな感じなんだよな

凛
技術と家庭科…!?

体育
あぁ、この二人が門の先で待ち構えているはずだ

体育
ただ、あの二人の倒し方は俺の時と同じ方法じゃあ、うまく倒せないだろう

体育
少しばかりやり方が特殊だからな…

体育
俺が教えることができるのはここまでだ。残りはお前ら自身で困難を乗り越え、「ボス」のところまで辿り着いてくれ

凛
なるほどな、サンキュー体育!!

はね
あっ、体育。これ、返すよ

体育
俺の竹刀!!お前が持っていたのか?

はね
持っていたというか…盗ったというか…

体育
無事見つかってよかった…

体育
お前ら、門も開いたから、先を通ってもいいぞ

体育
死なないように気合い入れろよ!!

凛
わかった!!ありがとう体育!!

はね
学校の体育楽しいぞー!!

ゆいちー
ありがとう体育!!ちょっとでも体育が好きになれるように努力はするよ!!
