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#コメディー
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ラメリス
ラメリスが楽しげにそう告げる。
レイア
ラメリス
ラメリス
その名を聞いた瞬間、俺の脳裏にゲーム内での彼女の設定が鮮明に浮かんだ。
魔界の戦姫にして、 勝利を告げる堕天の刃
かつて天より堕とされた堕天使ルシファー。 その“原罪”として生まれた子こそが、 アスフォルデルとルシエル。
天界と魔界、二つの神域を繋ぐ血を持ち、神と魔神が交わって生み出した“禁忌”の存在。
その身に宿す神性と魔性は、 単体で災厄と呼ぶに値する。
戦場にその姿を現せば、生還者は一人も出ず、必ず勝利だけを残して消える。
あまりに強大すぎるその力のため、 彼女の姿を見た者は稀少で、
魔界では“戦姫”として 畏れと憧れの象徴とされている。
最強で最恐。そして──
レイア
早く実物に会いたい……!
胸が高鳴るのを感じながら、俺はラメリスの案内で謁見の間へと移動した。
玉座のあるその部屋は、 静寂と荘厳に満ちていた。
高い天井に揺らめく燭台の火。 空気が張り詰めている。
俺はゆっくりと玉座に腰を下ろす。
心臓がドクンと鳴った。
レイア
その瞬間──
ガシャ
レイア
重厚な扉の向こうから、 金属が擦れ合う音が響く。
その音は玉座の間に一歩ずつ近づき、 やがて扉の前で止まった。
しんと静まり返った空気の中で、 ギィ……とゆっくり扉が開かれていく。
レイア
威厳を持って開かれる玉座の扉。
魔王城の玉間がこんなに 静まり返る事があるのだろうか。
このアバターには、恐怖耐性や精神魔法耐性、様々な状態を無効化する能力が備わってるはずなのに…
差し込む光の中に現れたのは、まるで影から抜け出してきたかのような、 一体の黒き戦姫。
レイア
長く艶やかな銀白の髪が揺れ、感情のない紅い瞳がまっすぐこちらを射抜いてくる。
その黒曜の肌は魔族の中でも希少で、硬質な光を湛える鎧の装飾は血のような紅で彩られ、より一層異質さを物語っていた。
口元は微動だにせず、瞬きすらしない。
だがそこには、
圧倒的な力と存在感があった。
——彼女こそが、この魔王城が誇る 最強にして最恐の魔将。
レイア
彼女は一言も声を発さずに、着実に一歩、そして一歩と俺に近づいてくる。
アスフォルデルは、俺の目の前まで来ると表情を一切変えずにその場に膝まづいた。
彼女が跪くと、玉座にいる自分がまるで“本物の魔王”になったような錯覚に陥る。
レイア
レイア
一先ず俺はアスフォルデルに労いの 言葉をかけることにした。
レイア
感情の無い深紅の瞳が じっと俺を見ている。
レイア
一瞬、アスフォルデルの瞳の輝きが 増した気がした。
アスフォルデル
返答はない。
レイア
レイア
俺のその言葉を聞いた瞬間、 アスフォルデルは静かに立ち上がり、 振り返り歩みを進めた。
レイア
ラメリス
俺が彼女の行動に疑問を持ってると、ラメリスが真横で嬉しそうにそう言った。
レイア
ラメリス
レイア
女子って、難しい…
ラメリス
レイア
辺りは暗く、 所々蜘蛛の巣が張られている。
レイア
カサッ
何かの気配を感じ、 俺は咄嗟に動きを止めた。
レイア
ラメリス
レイア
ラメリス
ラメリス
嫌な予感がして、 恐る恐る右腕を目の前に持ってくる。
カサッ
そこには、小さな蜘蛛が乗っていた。
レイア
思わず、手を振り払う。
スピネル
どこからともなく、 謎の声が語りかけてくる。
声は天井の方から聞こえた。
俺はゆっくりと顔を上げる。
目を凝らすと、そこにいたのは、 巨大な蜘蛛だった。
レイア
心臓が跳ね上がった。
だが俺は、どうにかそれを顔に出さないよう必死に堪える。
蜘蛛は音もなく降りてきて、 俺の目の前でぴたりと止まる。
暗がりで初めはよく姿がはっきりみえなかったけど、少しずつ目が慣れてくる。
次第に、 蜘蛛の輪郭がはっきりとしてきた。
レイア
大きな蜘蛛だと思っていたそれは、 いつの間にか姿を変えていた。
そこに立っていたのは、 華奢で品のある青年。
レイア
ラメリス
思い出した。
スピネル 蜘蛛の魔物の上位種。 種族名は「アラクネ」。
その下半身は巨大な蜘蛛のそれであり、 獲物を惑わすため、 上半身は人の姿をとる。
人を欺き、誘い、 絡め取るために生まれた存在だ。
レイア
レイア
ラメリス
レイア
レイア
スピネルは薄ら微笑んで答える。
スピネル
スピネル
レイア
スピネルは今回のダンジョンの 解析結果を話した。
スピネル
ダンジョン発生条件に必要なのは
”魔素”
人間にとっては毒に等しい元素。 魔素によって生まれるのが魔物。
そしてもうひとつが
”マナ”
あらゆる魔力の源となる力。
これら二つが、長い時間ひとつの空間に滞留し続けることでやがて融合し、
通常とは異なる“特殊な空間”を 形成する。
それが、ダンジョンの正体だという。
スピネル
入り組んだ迷路のような構造。 各所に配置された魔物たち。
それらすべては、侵入者を足止めし、 決して容易に魔王へ辿り着かせないためのもの。
スピネル
各階層に潜む魔物から得られる 素材や武具。 己の力を高めるためのレベル上げ。 稀にスキルなども。
そして魔王―俺の討伐。
スピネル
スピネル
スピネル
人間界では、この天界ダンジョンへ挑むこと自体、賛否が分かれていた。
ある者は言う。 「攻略すれば、神の加護を得られる」と。
またある者は言う。 「人が踏み込んでいい領域ではない」と。
救いを求めて挑む者。 禁忌として忌避する者。
レイア
スピネル
スピネル
レイア
スピネル
スピネルはそう言って 不敵な微笑みで話を続けた
スピネル
レイア
ダンジョンでは、スキル書と呼ばれる特殊な書物が手に入ることがある。
だが、 それを誰もが扱えるわけではない。
スキルは使用者との“適性”が 強く影響し、 身体や魔力との相性が合わなければ、発動することすらできないのだ。
そのため、扱えぬスキル書は手元に残されることなく 多くが書物のまま闇市へと流れていく。
そして、魔族が天界のスキルに適性を持てるはずもないが、
アスフォデルは例外だった。
神と魔神、 その血を引く存在。
ゆえに彼女は魔族でありながら 天界に適応する“資格”を持っている。
レイア
レイア
スピネル
レイア
それから俺はダンジョンの解析結果をまとめてくれた書類を受け取り自身の部屋に戻った。