数年後 夏
20XX年 9月 X日
今日、転校生くんと出会って 転校生くんに怒られた
そんなよく分からない冒頭から始まる日記を久しぶりに開いた
波瑠
もし彼が傷のことを話してくれたら 私も秘密を話せる相手が見つかる気がする
あの時私は彼が気になった
それは彼の中に私と同じような部分を 感じたから
それと彼が『お幸せ人間』じゃない事が すぐにわかったから
波瑠
波瑠
私は2年分の日記を閉じて、
波瑠
ベランダの窓を開けた
学校 廊下
尚大
昨日の出来事が頭によぎる
つい怒りに任せて余計なことを言ってしまったと反省した
廊下を歩いていると波瑠とすれ違い、 目が合った
尚大
波瑠
波瑠は目を逸らすと走り出した
よっぽど僕と会いたくなかったのだろうか
波瑠は少し走り出してすぐに止まった
波瑠
尚大
波瑠
波瑠
波瑠
尚大
尚大
気持ちに変化があった
彼女なら過去の事を話してもいいと思った
尚大
波瑠