司
オレは昔から 空気を読んで、言葉を選んで 話していた
オレは昔から相手 を一番に考えて 話していた
じゃないと、直ぐに人が離れて行ってしまうから。
最初は皆んな、周りと変わらず普通に接してくれていた でもいつからか、 「司だから」 「司くんなら」 「天馬だから」 「天馬なら」 「天馬くんなら」 「天馬さんだから」 「「「「出来るよな」」」」
オレだからって オレならって 皆んな大丈夫だと思ってる 出来ると思ってる 思うようになった
新しく出来た友達も 最初は「やめなよ」とか 「駄目だよ」とか 「天馬でも無理な事も有る」 って言ってくれてた
でも1週間ぐらいしたら 周りと同じ 「天馬だもんな」 「天馬なら出来るもんな?」 「天馬ならこれくらい大丈夫だよな」
オレを何だと思ってるんだ オレだって出来無い事は有る やりたくない事も 怖い事、辛い事 痛い事、苦しい事
悲しい時、切ない時 泣きたい時、静かな時
寂しい時
そんな時を、そんな事を 無い・思わないって 思ってるのか?
オレが、スターを目指しているから? オレが兄だから? オレが座長だから? オレが先輩だから? オレが学級委員だから? オレが、相手に強く言わないから?
それとも全部? 分からない 分かれない
そういえば オレが強く言えなくなったのは 空気を読むようになったのは いつからだったか
あぁ あの時からか
確かあれは、小学1、2年 の時だった
小学生の司
モブ
小学生の司
オレは、いつも元気だった じゃないと スターになれないから 咲希の分まで 元気に
小学生の司
モブ
小学生の司
モブA
モブB
モブC
小学生の司
モブB
小学生の司
モブ
今思えばこの時から気付いていれば、あぁはならなかったのか いや、もう遅かったのかもしれない みんなの顔に。
ガラガラ
小学生の司
クラスメイト
小学生の司
ガラガラ
先生
クラスメイト
小学生の司
朝の会終わり
先生
クラスメイト
クラス
小学生の司
先生
先生
先生
先生
クラスメイト
クラス
小学生の司
ーーーーーーーーーーーー 休み時間
モブA
モブB
モブC
モブA
小学生の司
モブA
小学生の司
モブA
小学生の司
モブB
モブB
モブC
モブC
小学生の司
ーーーーーーーーーー 帰り
モブB
モブC
モブA
モブB
モブC
モブB
モブA
小学生の司
小学生の司
モブA
小学生の司
モブB
モブC
モブA
モブC
小学生の司
小学生の司
小学生の司
モブB
モブA
モブC
小学生の司
モブC
小学生の司
モブC
小学生の司
モブC
小学生の司
小学生の司
モブC
小学生の司
モブC
小学生の司
モブC
小学生の司
モブB
モブA
モブC
モブB
モブC
モブB
モブA
モブB
小学生の司
司は、胸の辺りを 撫でながらそう思った
小学生の司
また司は、胸の辺りを撫でながら思った。チクチクと痛む胸を不思議に思いながら。
みんなの顔を思い出す度に、 どんどん痛みが増す胸(心) 痛みの原因にはまだ気づかないまま
そうだ。この時言われてから、 オレなんかが他人を困らせては駄目。 嫌な思いをさせては駄目。 空気を読め。 此処から始まった。 …でもこの時はオレが悪かった いやオレがいつも悪いか 全部オレが
「空気を読む」 たったそれだけの事を 意識するようになってからは 周りが嫌な顔をする所は見なくなった。 ただ、オレは人の顔色を、 空気を読む事が癖になった。 中学1年の時は、それが原因で 「いつも空気読んでんだか知らないけど、なんか自分の考えが無さそう。」と言われた。 まぁ正解だと思った。
逆にオレは自分の意思、考え やりたい事とかが無くなってしまった。 でもそれはどうでもいい。 オレは。どうでも。 他人に合わせれば丸く収まる。 だからオレの意思なんて 関係無い。要らない。 そう思うようになった。 …そうするようにした。
小学生の司
シーン…
小学生の司
小学生の司
何度も唱える何度も。 「咲希の方が」って思っても この寂しさが消える事なんて無いけど、それでも この気持ちを誤魔化すように。 何度も何度も
「オレはお兄ちゃん」 「オレ我慢しないと」 「オレが困らせては駄目」 「オレがしっかりしないと」
暗示のように。 呪いのように。
この頃からもう両親は、殆ど家には居なかった。 帰ってくるのは、夜の9時過ぎ 行くのは 朝7時頃 必然的に家族とは殆ど会わない話さない・顔を見ない そんな家庭になった。 でも仕方のない事だと思う。 咲希のお見舞い 仕事 大変だと思う。 だから仕方ない だから我慢する
授業参観に来れなくても 運動会に来れなくても 避難訓練のお迎えに来れなくも ご飯を一緒に食べられなくても 一緒に出掛けられなくても
どんなに寂しくても、我儘言えないから。 でも一度だけ。 言った事があった。
司が小学校に入学して 一、二週間
約朝6時50分
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
小学生の司
天馬母
小学生の司
天馬母
小学生の司
ガチャ、バタンッ
小学生の司
結局、あれから授業参観に来てくれた事は無い。 それは、高校2年生になった 今でも。一度も。 …咲希の授業参観は行ってるのにな。 当然、か。
…どれも思い出したく無い記憶だったな。 空気を読むのが癖になり始めたのは此処からか。
でも人に対して強く言えなくたったのは、いつだったか。 小学校4年生の時ぐらい だったような気がする。
あ、あの時だったか。
コメント
16件
めった好き…天つか好きやからまぢ助かる!てか、丁寧に書いてて憧れるんだが???
書くのうまくてめちゃくちゃ尊敬…✨