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櫻が鳴く頃に
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桜咲ルミア
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この物語はフィクションである。
作中の如何なる人物、思想、事象も、全て紛れもなく、貴君の現実に存在する人物、思想、事象とは無関係です。
以上のことに同意した者にのみ、このゲームに参加する権利があります。
▹『同意する』 『同意しない』
・・・承りました。
いま世界は、あるべき経路を外れ。歪みに満ち、もはや「自殺」は免れません……。
定めを照らし、生を導く者… それは時にエトワールとも呼ばれた。
汝、エトワールよ・・・ 今こそ、己の歪みに立ち向かいなさい。
その日、雨は降っていなかった…。
それなのに、空は泣くことを我慢しているように灰色で、祭壇には妹の笑顔の写真が飾られている。
制服姿のまま、少し照れくさそうに笑うその顔は、昨日まで隣の部屋で聞こえていた笑い声と何も変わらない
〈黒髪の係〉
香の煙が細く昇る、その向こうに妹の写真が揺れて見えた。
何を祈ればいいのだろう…。
「安らかに眠ってほしい」と言えばいいのか。
「ありがとう」と言えばいいのか。
それとも「ごめん」と言えばいいのか。
どの言葉も胸の奥で引っかかり、声にならなかった。
〈白髪の青年〉
親戚たちは「まだ若かったのに」と小さくつぶやき、友人たちは涙をぬぐいながら写真に頭を下げていた。
僕は妹の棺に、一輪の白い花をそっと置く。
「またゲームしようね!」「今度は負けないから!」そんな約束はもう叶わない。
それでも、棺の中の妹は穏やかな表情を浮かべていて、まるで昼寝をしているだけのようだった。
最後のお別れの時間が終わり、棺の蓋が静かに閉じられる。その瞬間、僕は初めて理解した。
「人は別れを一度で受け入れることはできない」
悲しみは、大きな波ではなく、小さな波が何度も何度も押し寄せるものなのだと。
〈白髪の青年〉
あの日の光景は、呪いのように今にも夢に見る。
妹の部屋を訪ねた時「ギィ…ギィ……」軋む音が聞こえる。部屋を入った時にはもう遅かった、妹の沙耶は首を吊って左右に揺れていたのだから。
〈白髪の青年〉
その時、畳を這いずる音が響いた。
蛇が現れた途端、周りの時間が止まった。
〈少女の声〉 「貴方は、星…」
「因果を捻じ曲げられた、『光なき星』。」
「服従」「畏怖」「拒絶」「後悔」「軽蔑」「攻撃」「楽観」そして「愛」
「捻じ曲げられた因果を元に戻せる可能性は、0と言ってもいいでしょう。」
「しかし、この声が届いたと言うことは『やり直すチャンス』を得たという事……」
「・・・お願いです、どうか彼らを、彼女らを救ってあげてください。」
「心に刻まれた絆の記憶、辿ってみてください」
「すべては、一年前」
「彼女と出会った、あの日を・・・」
〈白髪の青年〉
〈白髪の青年〉
〈新幹線内のアナウンス〉
〈新幹線内のアナウンス〉
〈新幹線内のアナウンス〉
〈白髪の青年〉
01.「Veil」過ちと始まり
現在地 【京都市北区〇〇〇町】
4月5日、午後5時30分、約束より1時間早く着いた一心は、京都の住宅街にある一軒家の前で立ち止まった。夕暮れに染まる街並みは静かなのに、胸の鼓動だけが妙に大きく響く。
5年前、家族は壊れた…。兄は父と東京へ、妹は母と京都へ。それ以降、一度も顔を合わせていない。
京都に来た理由としては、父親が他界した。死因は原因不明の病との事。・・・今さらどうでもいいことだった。母と妹を捨てた父親をこれ以上思うことは無いのだから。
〈柊 一心〉
5年ぶりの再開、インターホンを押す指が重く感じて玄関で立ち尽くしていた、その時だった。
足音が近ずく…。
〈買い物袋を持ったJK〉
振り返ると、夕暮れの道の向こうから制服姿の少女が歩いてくる。
片手には夕飯の材料が入った買い物袋。肩まで伸びた黒髪が風に揺れ、兄の姿を見つけた瞬間、その足が止まった。
〈買い物袋を持ったJK〉
〈柊 一心〉
妹は少し照れくさそうに笑いながら、ゆっくりと兄のもとへ歩み寄る。
〈買い物袋を持ったJK〉
〈買い物袋を持ったJK〉
〈柊 一心〉
〈買い物袋を持ったJK〉
玄関先に流れる穏やかな時間「帰ってきたんだ」と、張り詰めていた緊張が解けたように感じた。
◤━━━━━━━━━━━━━━◥ 4.09 THU ◣━━━━━━━━━━━━━━◢
キッチンからは、味噌汁の香りと卵を焼く音が聞こえていた。制服姿の妹がエプロンを外しながら笑顔で呼びかける。───可愛い…。
〈柊 沙耶〉
食卓につくと、焼き鮭、ご飯、味噌汁、だし巻き卵が並んでいた。
移住して4日程、未だに向かい合う朝食は、少し照れくさい。それでも、学校のことや京都での暮らし、最近好きになった音楽など、他愛もない話が自然と続いていく。
〈柊 沙耶〉
〈柊 一心〉
〈柊 沙耶〉
〈柊 沙耶〉
〈柊 一心〉
〈柊 沙耶〉
現在地 【京都市北区〇〇〇町・バス停前】
朝食を終えた後、兄弟は並んで家を出た。
〈柊 沙耶〉
妹が少し嬉しそうに尋ねる。
〈柊 一心〉
〈柊 沙耶〉
京都の街並みをバスの座席から観ながら、妹は学校生活のことを話して聞かせる。人気の購買パンや、おすすめの中庭、放課後によく立ち寄る図書室。
バスから降りて、やがて校門が見えてくる。
【椛高等学校】
〈柊 沙耶〉
〈柊 一心〉
妹の背中を見ていた後、携帯の着信音が気になり画面を開いてみると、緑の手の様なアプリがインストールされていた「ヴェールナビ」と記されている。───不気味だったので普通にアインストールした。
昇降口では、先生が一心を迎えたのだった。
〈柊 一心〉
〈柊 一心〉
教室には歓迎の拍手が広がり、新しい学校生活が静かに幕を開けた。
席は、窓側の一番後ろだった。───妹に言われた事だが「隣の席の子には愛想良く、だよ!」愛想良く?とりあえず挨拶だけでも……。
〈柊 一心〉
〈赤毛の女子生徒〉
〈柊 一心〉
その後も、何度か話しかけたが赤毛の彼女が視線を向けることは無かった。