ロー
ここは七じゃなくてxを移項する
ロー
x同士で計算すれば答えが出るだろ
ウタ
やっぱりローくんの説明は分かりやすいな〜
ロー
こんな問題、アホでもできる
ウタ
うふふっ、それもそうね
なんなんだこの割り込みできない雰囲気は。
いや私一応彼女だよ?
まあさっき拗ねて嘘ついたのは私だけどさ
天羅
(それもそうか)
天羅
(私はウタちゃんみたいに可愛くもないし、スタイルも良くない)
天羅
...ロー
ロー
?
天羅
私、お茶とお菓子持ってくるね...
喉の奥から声を絞り出した
けれどもやはり、震えてしまった。
ウタ
あ、私もいく〜!
天羅
ウ、ウタちゃんは勉強してて!
ロー
お前は勉強だ、ウタ
ローがウタの頭にチョップした。
その動作でさえ羨ましく思えてくる
天羅
(いつもつける”屋”はどうしたのさ)
ウタ
でも、天羅ちゃんのお手伝いしたいし
ロー
ったく
ロー
すぐ戻ってこいよ
ウタ
はーい!
天羅
ありがとう、ウタちゃん
ウタ
ねぇねぇ
天羅
どうしたの?
ウタ
天羅ちゃんってローくんのこと好きでしょ
天羅
っ!!!??
天羅
な、好きじゃないよ!
唐突な質問に焦ってしまう
ウタ
嘘!
ウタ
朝から家にいたじゃん
何故だろう。
ウタちゃんは笑顔だけど、笑っていないような...
可愛い声だけど、大きくて冷たいし
なんだか、怖い。
天羅
それは....
天羅
ロー、ゲーム得意じゃん?
天羅
だから教えてもらってたんだ
ウタ
ふぅ〜ん?
ウタ
じゃあさ
ウタ
私が取っちゃってもいいよね?
天羅
取るって...ローを?
ウタ
そう
ウタ
私、三年もローくんのそばにいたの
ウタ
でもローくん、全然相手してくれないんだから
天羅
ははは....
愛想笑いが過ぎる。
最早「ローらしいな。」なんて笑う余裕さえなかった
ウタ
で、いいの?
天羅
え.........
天羅
うん.....
いいわけがない。
ウタちゃんに取られるくらいなら、別れた方がマシだ。
ウタ
良かったー
ウタ
じゃあ、天羅ちゃんも協力してくれるよね?
天羅
協力......
天羅
うん、するよ
ウタ
やったー!
ウタ
ありがとう〜天羅ちゃん
胸がチクリと痛んだ
どうして「付き合ってる」が言えないのか
どうして嘘をついてしまうのか
天羅
(ローがウタちゃんを好きなら、そんなの私が割って入る必要ないし...)
心ではそう思うのに、心のモヤが晴れることはなかった。
そして翌日。
明日は待ちに待った文化祭だ
天羅
(ローと一緒に回れたらいいな)
天羅
(あとで誘ってみよう)
なぜ今誘わないのかって?
学年のマドンナ3人のうちの2人がローに絡んでいるからである。
マドンナ1
ねぇ、あなた彼女はいるかしら
ロー
..............
マドンナ2
無視するのもローらしいね
マドンナ2
そういうクールなところも好きだよ
ロー
....気色悪りぃから離れろ
マドンナ1
で、彼女はいるの?
天羅
(え、ちょ.....流石にバラさないでよ?)
ロー
...いねぇ
天羅
(ふぅー、良かった....)
ほっと胸を撫で下ろす。
ロー
分かったらとっとと失せろ
ローの鋭い視線と圧に耐えられるはずもなく、
2人は教室を後にした
天羅
(お!ナイスタイミング〜)
天羅
ロー
ロー
あ?
天羅
明日の文化祭、一緒に回らない?
ロー
........好きにしろ
天羅
やった〜!
天羅
ロー、ありがとうっ
好きにしろ。というのは
彼なりのOKサインなのである
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