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補足アイスバースとは (部分引用) 先天的にアイスとジュースと呼ばれる特性を持つ人がいる世界 大半はその特性を持たない 「アイス」は基礎体温が低く見分けが着きやすく「ジュース」に惹かれやすい もし両性の想いが実りアイスとジュースが結ばれると アイスは溶けて亡くなる まるでジュースの上に浮かぶアイスのように
それでは良きBLライフを
☯️
好きな人が目の前で音を立てて消えた
ただ告白をしただけなのに
今までは知らなかった。
その瞬間目の前が暗くなる
目の前に残されたのは彼女が着用していた服と水のみ
今まで信じていたことが覆され、 俺はその瞬間悟った
『俺はジュースだと』
自分が殺してしまったと責めた
もし、俺がアイスだったら
彼女に想いを伝えなければ
彼女は溶けなかったのかもしれない
そう自分を責めた
そのことを親友に伝えると彼は一言 そっか。と悲しそうに下を向いた
🌞
僕はアイスだ。
幼い頃から体温が低く アイスであることは明白だった
そのことは誰にも伝えたことは無い 今後も伝える気もない
告白されたとしても 僕が誰も好きにならなければ、 結ばれなければ良いのだから。
そう思っていたのに
好きになるのは一瞬で、 いつか結ばれたいと思うようになっていた。
僕の親友も比較的低体温でずっとアイス同士だと、 そう思っていた
でも彼は言った、
俺、ジュースだった…
ずっと好きだった女の子に告白したら 目の前で溶けてしまったらしい。
彼はそれがトラウマになってしまい もう誰も好きになれないと嘆いている
それを言うなら僕だってそうだ
好きな人がジュースなのだから
そう言いたくても言えない
彼の心の穴を開けるだけだと 心の奥にしまった
親友のままでいる為に。
☯️
ずっとアイスだと思ってた
確かにアイスとしては体温は 少し高めだったかもしれない
でも、あの光景を見てしまったら ジュースと自覚せざるをえなかった
好きな人が目の前で、想いを伝えた瞬間に溶け始めること以上に 残酷なことってあるのだろうか
アイスとジュースは惹かれあいやすい と聞く
本当にその通りだと思った
🌞
昔、好きな人がジュースだと知った
自分はその人に小さな頃から惹かれていて
いつか結ばれたいと思っていた
そんな時に好きな人がジュースだと知り、結ばれなくても 傍にいれるだけで幸せだと
そう思っていたのに
最近胸の辺りが何かおかしい
彼の笑顔を見る度に好きだと伝えたくて
他の人と話してるところを見る度に辛くなって
あぁ、 死んでもいいから告白したい と思うようになった
彼がどう思っているのかは知らない
藤士郎に相談したら何かわかるかな、
☯️
この気持ちに気づいたのはいつだっけ
大切な子を失って、 全てがどうでも良くなっていた時に
ずっと寄り添って話してくれて、
いつも笑顔で儚い俺の親友
自分のことより他人のことを優先しようとして身体をよく壊すよな
いつも俺のことを心配するくせに自分のことを疎かにして溜め込んで
爆発しそうになったこともあったっけ
長いことずっと一緒にいたけどこんな気持ちになったのは初めてだった
友達に対する好きとはまた違う感情
昔好きだった女の子に向ける感情と似ていてむず痒くなってしまう
もう誰も好きになれないと思ってた
でもそんな俺を内側から認めてくれたから、どん底から這い上がれた
俺にとって晴は太陽なんだって この気持ちに気づいたときに 気づいた
もし 好きと伝えたら晴はどうなるんだろう
応えてくれるんだろうか はたまた照れて精一杯返事をするのか
そんな姿を想像するだけで愛しく思える
俺が男の子、しかも親友のことを 好きになってしまったと伝えたら どう思うんだろう
幻滅してしまうかもしれない
ー晴って、アイスだっけー
長い間一緒にいたのに知らなかった
少しショックだ
今度時間ができたらみんなで話そう
🎻🛵
晴くんが恋愛について相談してくれた
告白したら晴が消えるかもしれない
僕たちは景くんがジュースであることを知っている
晴は自身がアイスであることを明かしてくれた
言えなくて辛かったよね、 大丈夫ずっと知ってたよ
自分の体温が低くて悲しい顔してたことも知ってたし
体温のせいで真夏に外に出るとすぐバテるからあんまり外に出ないようにしてたことも知ってる
気付くよ、 だってずっと一緒にいるんだもん
大好きな親友が居なくなってしまうのは辛いし、寂しい
だからこそ気持ちを教えてくれて嬉しかった。
そうだよねずっと一緒にいたい
でもこのことは晴くんにも景くんにも言えない
僕も2人のことが好きで 恋愛対象として見ている なんて
だからこそ晴くんを失うのが怖いから 恐れてる
僕にできるのは応援だけ、 ずっと一緒にいることが幸せで 取り残されることは絶対に嫌だった
2人は好き同士、告白したら晴くんが溶けてしまうのは僕の視点では目に見えている
晴くんがそれを望むなら僕もと、 そう思った
🌞
景から3人で少し話したいと連絡が来た
何の話だろう 最近忙しくてなかなか喋れなかった
だから嬉しいし楽しみだ。
でもずっと告白について悩んでる
藤士郎も来るよね、 僕も話したいことがあると返した
景はどう思うんだろう。
まだ、僕が結ばれることは確定していない
なんなら脈なしだ。
このまま3人でずっと一緒にいる方が 幸せなんじゃないか
そう思ってしまう自分がいてどうしても 決心しきれない
だって僕が溶けてしまったら
僕は1人になって、2人は…
🔺
3人が珍しく別々の任務に出ることになった
話したいという約束は少し先に伸ばされることになり
それぞれ任務へ向かう
長尾はいつも通り元気に
弦月は甲斐田のことを心配し
甲斐田はこれが最後の任務になるかもしれないと覚悟を決めていた
だから彼に伝える
「この任務が終わったら話したいことがある」
弦月は少し驚いていだか それは一瞬だけで 次の瞬間には笑顔になっていた
「そうなんだね、わかったよ」
2人はそう返してくれた
だからもう気負うことはない。
目の前の敵に向かって術式を放つ
ただ、今回の敵は少し厄介で早々に 炎帝式二十九章 豪獄炎波 を使ってしまったため
体力不足により結界が不安定な状態のなり結界が破られてしまった
すぐに代理の結界を張ってくれたので あまり被害は出なかったが
結界を張るまでの時間 術式から逃れた敵に襲われてしまい かなり痛々しい傷を負ってしまった
彼は僕は大丈夫と言い 軽く止血をするだけで他の補助に回った
🌞
これはやばいと思ったのが遅かった ほぼ手遅れだ
体がアドレナリンなどで麻痺していて 気づかなかった
外から見ると出血多量に見えるが 実際全然痛くなくて
僕、任務で痛みを感じにくくなった!?最高じゃん
と、勝手に上がっていたりしたのが恥ずかしい
家に帰って適当にしてしまった手当をし直すために軽く当てていた包帯を解いた
腹の肉はえぐれ 真っ赤に染っていた
数時間放置したためか 雑菌が入ってしまっている
麻痺原因は魔の毒であると同僚に言われ数日入院することになった
☯️
晴が入院した。
いつも怪我が多い晴だけど 今回はいつもと違った
日に日に衰弱しているのが見える
晴があの日行った任務について藤士郎と調べたが あまりにも用意されていない任務だった
まるで人の死を前提とするような無茶苦茶な任務
本人は大丈夫と言うが医者の顔はどんどん曇るのが見てわかった
🌞
もう、僕に残された時間は少ない
医者にもう治療はいらないと言った
もう覚悟はできている 僕の病室に2人を呼んだ
甲
甲
自然と涙が溢れてきて声が震えてしまう
何かを察したのか藤士郎は部屋を出ていった
長
長尾は突然泣き出した同僚と 出ていってしまった同僚に困惑する
甲斐田はゆっくり息を吸い込み 安心するように言った
甲
甲
甲
甲
甲
よかったら景の気持ちも聞かせてと視線を送る
するとみるみる頬が染まっていく可愛らしい景が見えた
覚悟するように真剣に でも照れた声で
長
と返してくれた
優しく微笑むような笑顔を見て 優しくキスをする
人生で一番幸せだと思った
でも運命は残酷で心臓が熱く脈打つ
熱いと一瞬感じたが 景の腕に包まれているようで 苦しくはなかった
今から命を失うと言うのに心地良さ、 満足感でひどく安心していた
その間景は絶望したような顔をして
長
長
と聞かれ 僕は景を安心させるために 頬に軽くキスをする
甲
そうだよ本当に大好きだから
甲
景の腕の中で景の温もりに包まれながら そう意識を手放した
☯️
「ずっと言いたかったことがある」
その言葉に次いで言われたことはとても信じ難いことだった
藤士郎はずっと知ってたんだろうね
俺たちが想いあっていることも アイスとジュースの恋であることも
藤士郎が晴のことを好きなんだろうと 言うのは薄々気づいていた
それでも俺たちの恋を応援しているというのもわかってた
正直晴がそう思っていることは知らなかった
俺の特性がジュースであることは知っていたはず
それでも命を失う覚悟で伝えるというのは計り知れない葛藤があったんだろう
晴がそう望んだのならこの結果でも良かったのではないか、 でも置いていかれてしまうのは辛い
🎻🛵
最後の時を想う人と過ごすことは どれほどアイスが願うことか
そのことは知っている でも結果が予測できてしまうからか 涙が止まらなかった
これは自分にとって幸せなことであると言い聞かせて何とか時を過ごす
ずっと応援してきた大切な同僚であり同期
いつも命を預け合い誰にも破壊できない絆となっていた
いつしか思っていたことを思い出す
景くんがそう願うなら僕もそう願うと
置いていかれたくはない
僕たちはずっと一緒にいてこそ VΔLZだから。
「ねぇ、心中しない?」
☯️
生きているのが苦しいほどに 晴の存在が俺たちの中で大きなものだったかを実感した
正直藤士郎から心中を提案された時は驚いた
でもずっと心に張り付いていたモヤモヤが消えるようにスッと腑に落ちた
置いていかれたのなら追いかければいいんだと
藤士郎はその話を出した時心に秘めていたことを全て伝えてくれた
晴に相談を受けており命を失う覚悟があったと言うこと
藤士郎はずっと晴のことを想っており 命を、心中する覚悟があると言うこと
正直俺のことも想っているとは知らなかったがなんだか嬉しく感じた
藤士郎は叶わない恋であることを知っていて辛くても俺たちのことを応援してくれていた
そんな藤士郎の気持ちは想像するほど辛くて涙が止まらない
好きな人が目の前で溶けてしまうより ずっと残酷で悲しい
俺は二つ返事で了承した
☯️𝑎𝑛𝑑🎻🛵
これで、ずっと一緒だからね 待っててね晴
𝑭𝒊𝒏.