学園の図書館を出た愛たちはタクシーを拾い、 茉由が見た洋館の写真を頼りにその場所へと向かっていた。 窓の外の景色は次第に住宅街から森へと変わっていく。
運転手は無言でバックミラー越しにちらりとこちらを見るだけだ。
城ヶ崎 愛
うわぁ……凄いね、ここ!
タクシーが停車した先に古びて朽ちかけてる洋館が佇んでいた。
タクシーのやり取りを終わらせて会話に入ってみる。
黒瀬 茉由
愛らこういうの平気だよね……。私これ無理だよ😰
城ヶ崎 愛
慣れだよ笑 慣〜れ!
栗繭 茉華
そんな会話してる暇あったら観察…、ドアが開かないわね……。
城ヶ崎 愛
力ずくで行ってみるか!
数秒後……
城ヶ崎 愛
開かないー!!!!!!!!
黒瀬 茉由
ちょっと待ってね〜。
茉由は能力を発動させた
鍵がかかっていない扉。中から出てくる、穏やかな顔をした老夫婦。 その後に続く、『見知らぬ男性』の姿。 男性は鍵をどこかに置いといたようだ。
黒瀬 茉由
鍵が必要なのかも!
多分、ここら辺に……
多分、ここら辺に……
愛、茉華
どこ?
城ヶ崎 愛
あ!あったよ!
栗繭 茉華
ほんとね!じゃあ鍵を……
茉華が言いかけた時に突然洋館の窓が大きな音を立てて割れた。
城ヶ崎 愛
きゃーー!!!!!!
栗繭 茉華
何よ……一体。
城ヶ崎 愛
何あれ、窓割れてるし!!!
黒瀬 茉由
(私が過去の情景で見た見知らぬ男性だ……。)
男性
お前たち……何者だ。
男性はそう言って、私たちを睨んでくる。
黒瀬 茉由
私達は…
城ヶ崎 愛
私たち、探偵です!この洋館に何か隠されてるんじゃないかって調べに来たんです!
緊張してたから愛がこう言ってくれてよかった。
男性
た、探偵?もしかして、ネストの……
男性は走り去っていった。
黒瀬 茉由
待って!
男性
……。
男性は固まっていた。
黒瀬 茉由
もう……わかったから。