中也
攫われた?
太宰
だからそうだって
太宰
何回言わせる───
ガッ(太宰の胸ぐらを掴む
中也
違ぇよ…!
中也
ちゃんと世話してた
じゃねぇか…!
じゃねぇか…!
中也
なんでそんなに
落ち着いてんだ…!
落ち着いてんだ…!
太宰
やめてくれ給え
中也
手前…
中也
最初からその心算で…
確かにそうだ。 わかり易い太宰の弱点。 ポートマフィアのボスが赤子を拾って 大事に育てる。
敵が其の情報を手に入れたら直ぐに 利用するだろう。 “赤子を返して欲しくば1人で来い”と。
中也
クソ…!
太宰
何を言っても無駄だ。
太宰
この作戦には君も
参加してもらう。
参加してもらう。
中也
チッ
太宰は賢い。 だから人の考えることなんて 駒のように解り、利用する。 だからこそ、何色にも染まっていない 赤子なら太宰は愛せると思った。
でもダメだった。 小さな何色にも染っていない 赤子すらも太宰は愛せなかった。 でも──── あの時の笑顔は
中也
嘘じゃねぇ