TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

バレンタインデーから1ヵ月が経ち、

今日は3月14日

ホワイトデーだ。

大学に向かいながら

シン

(バレンタインの時は、)

シン

(家に帰ってから湊さんにチョコを渡して)

シン

(ホワイトデーにお返しはするからって)

シン

(言ってもらえたけど。)

シン

(今日は何が返ってくるかな。)

シン

(たとえ、どんなものが返ってきたとしても)

シン

(湊さんからのプレゼントは特別だから。)

シン

(チョコが入っている箱や包み紙は永久保存したい。)

大学にて

桐原

よっ、慎太郎。

桐原

今日はよろしくな!

シン

はい、こちらこそよろしくお願いします。

シン

桐原先生。

桐原

でも、悪いな。

桐原

今日はホワイトデーなのに。予定なかったの?

シン

そう思うなら、ほかの人に声かけてくださいよ。

桐原

でも、今日の学会はお前の研究の参考になると思って

シン

……桐原先生にはいつも

シン

俺のこと気にかけてもらって感謝してます。

桐原

……まぁ、

桐原

昔から知ってるからな、慎太郎のこと。

シン

……それに湊さんのことで、

シン

相談に乗ってもらったり。

桐原

また何か悩み事があるなら、

桐原

いつでも相談に乗るから。

シン

ありがとうございます。

シン

……でも、

シン

あんまり先生を頼りすぎると

シン

湊さんが妬いちゃうから。

桐原

クスッ。

桐原

……うまくいってるみたいだな。

シン

はい、おかげ様で。

桐原

そうか、よかった。

桐原

それじゃあ、桐原がよろしくって言ってたって

桐原

伝えてくれるか?

シン

嫌です。

シン

俺以外の男の話なんて

シン

したくないんで。

桐原

クスッ。

桐原

……ほんとお前は、

桐原

湊さんのことになると心狭いな。

シン

それに、桐原先生みたいな大人な男(小声)

シン

湊さんのタイプだし(小声)

桐原

ん?

桐原

何か言ったか、慎太郎?

シン

いえ、何でもないです。

シン

(あぁ早く湊さんに、会いたいなぁ。)

学会終了後

コインランドリーにて

シン

湊さん、今日もお疲れ様です。

湊さん

おう、シンおかえり。

シン

今日は3月14日です。

シン

もちろん、何の日か分かりますよね?

湊さん

……ホワイトデーだろ。

俺は湊さんに手を差し出して

シン

湊さん、ください。

湊さん

……お前は、いつも唐突だな。

シン

バレンタインデーのお返しは

シン

ちゃんと用意するって

シン

言ってたじゃないですか。

シン

だから、お返しください。

再度、湊さんに手を差し出すと

湊さん

……ほら、お返しだよ。

差し出されたのは

あまりにも見覚えのある

パッケージで……

シン

……湊さん、これ

シン

まさかまたっ

湊さん

ち、ちげぇよ、

湊さん

今回は、ちゃんと俺が用意したの。

湊さん

バレンタインデーのポッキーは

湊さん

……昨日で、無くなっちまったから。

湊さん

……お、俺はもう少し

湊さん

……お前と一緒に、食べたくて(シンから目をそらしながら)

シン

……俺、今一緒に食べたいです。

湊さん

……分かったよ。

湊さんは袋からポッキーを1本取り出して

咥えようと口元に運ぶ手を

俺は掴んで

湊さん

ちょっとシン!?

湊さん

手ぇ離せ。

シン

嫌です。

湊さん

何でだよ。

シン

今日は俺が咥えるので、

シン

湊さんが俺の方に向かって食べてきてください。

湊さん

……そ、そんなこと、できるわけ

シン

俺たちは恋人同士で

シン

今日はホワイトデーで

シン

しかも、湊さんから誘ってきたのに。

シン

できないんですか?

湊さん

……分かったよ、……やればいいんだろ。

俺がポッキーの端を咥えると

湊さんは、反対側から食べ始めて

ポキッ……ポキッ…………ポキッ………………

シン

(……湊さんが食べるのだいぶゆっくりだな。)

シン

(俺が食べ進めてもいいけど、)

シン

(……湊さんが食べてきてくれるのを待ちたい。)

湊さん

(……これ、)

湊さん

(……絶対普通にキスするより恥ずかしいだろ)

湊さん

(……もう、むり)

ポキッ

シン

……湊さん、何で途中で折っちゃうんですか!

湊さん

……こんなの、

湊さん

……アラサーの俺には恥ずかしすぎんだよ!(俯く)

シン

……俺、今日湊さんに

シン

バレンタインデーのお返し貰えて嬉しかったです。

シン

でも、俺は強欲だから

シン

もう1つ、プレゼントが欲しいんです。

シン

……湊さんから

シン

……キスしてくれませんか?

湊さん

……もう一本だけだからな。

シン

はい、湊さん。

俺がポッキーの端を咥えると

もう一度湊さんは反対側から食べ始めて

ポキッ……ポキッ……ポキッ

湊さん

(……あぁ、やっぱり恥ずかしすぎる)

湊さん

(……でも、)

湊さん

(……シンが喜んでくれるなら)

チュッ

一瞬、唇が触れただけのキス

それでも

シン

(湊さんからのキス、嬉しすぎる!)

シン

今日は本当に最高のホワイトデーです。

シン

俺、今日のこと絶対忘れません!

湊さん

……忘れたら、怒るからな。

シン

俺、あれから毎日

シン

日記をつけてるんです。

シン

いかに湊さんが可愛いくて、

シン

どれだけ俺が湊さんを愛しているか、

シン

毎日びっしり、5ページ分。

シン

だから、だいじょう

ギュッ

湊さんに突然抱きしめられ、

シン

……ぶ。

俺を抱きしめる湊さんの腕は震えていて。

シン

(……湊さん?)

湊さん

……そういことじゃねぇんだよ(俯き、震えた声で)

湊さん

……お、俺をもう一生

湊さん

1人にするなって言ってんの。

湊さん

……あの時、俺がどれだけ悲しくて、

湊さん

……寂しくて、

湊さん

……絶望したと思ってんだ!

湊さん

……俺はもう、あんな思いはしたくねぇんだよ(涙を浮かべながら)

シン

……すみません、湊さん。

シン

……つらい思いをさせてしまって。

震える湊さんをギュッと抱きしめて

シン

もう、一生離しませんから。

シン

……湊さんが嫌って言っても。

湊さん

……そんな日、

湊さん

……来ねぇよ。

湊さん

(シンの肩を押して距離をとる)

シン

……(ニコニコ)

シン

……明日も一緒にポッキー食べましょうね。

湊さん

……あぁ。(シンから目をそらしながら)

シン

ポッキーが食べたいときは、

シン

いつでも言ってください。

シン

俺、いくらでも買ってきますから。

湊さん

……お前、さっき渡したばっかりだろうが!

シン

これはどうせ、

シン

すぐ無くなると思うんで。

湊さん

……シンのキス魔

シン

いいです、キス魔で。

シン

俺がキス魔になるのは

シン

湊さんだけなんで。(湊さんの首に腕を回して、耳元で囁く)

湊さん

……

湊さん

(再度シンの肩を押して距離をとって)

湊さん

し、シンちゃんは学生らしく勉強しなさい!

湊さん

お前は医大生なんだから

湊さん

春休みだからってサボってんじゃねぇ!

シン

……分かりました、勉強します。

シン

……湊さんがドキドキしすぎて

シン

死んだら嫌なんで。

俺はコインランドリーを出る直前に

振り返って

シン

(ニコッ)

湊さん

(……あいつ)

湊さん

(……いつもいつもおればっかり)

湊さん

(……ドキドキさせやがって)

湊さん

(……いつか)

湊さん

(……俺がシンのこと)

湊さん

(……ドキドキさせてやる!)

湊さん

(……でも)

湊さん

(……何をすれば)

湊さん

(……アイツをドキドキさせられんだ?)

湊さん

……分っかんねぇー。(頭を抱えながら)

桜咲くこの季節

新生活に不安を抱いている方も

いらっしゃるのではないでしょうか?

そんな不安も

みなと商事コインランドリーでは

きれい、さっぱり洗い流せます。

当店は、

新生活を始める方を応援しております!

これからもどうぞ

ご贔屓に

この作品はいかがでしたか?

105

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚