2年になってクラス替えした時隣の席になったキムくん。
シルバーチックな髪色で前髪長くて目に少しかかってて肌も白いし体も細いしちゃんとご飯食べてるのか疑うレベル。
誰も声聞いたことないっていうし謎に満ちてる男の子。
皆んな新しい席に一喜一憂している中、わたしは一番後ろの席で舞い上がってる。本当は声を出して喜びたいけどクラス替えで親友と離れちゃったしまだ友達いないし1人で声を押し殺してガッツポーズしてたら横からすごい視線感じてそっち見たらすごい髪色で前髪長すぎて見えない男の子
絶対変な人って思われた。まず目が見えないから合ってるのかすら分からないけど軽く会釈したらスルーされた。それにしてもすごい色白。病気なのかなっていうくらい。授業始まってぼーっとしてたらこっちに転がってきた消しゴム。
きっとこの人のだろうけどわたしのイスの下に落ちたから取ろうにも取れなさそうにしてるからわたしが取って消しゴムを渡した時にワイシャツから手首が見えた。細すぎ…拒食症か何かかな…?
授業終わってからすごく気になるから声をかけてみる。「おはよ!」「名前は?」「すごい髪色だね」「ていうか色白くない?すごい細いし」全部無視。わたしが1人で喋ってるみたいで周りから変な視線がささる
教科書の名前を見ると きむてひょん の文字。「きむくん」わたしが名前で呼ぶとすこし反応してくれた。こっちに目線を向けてくれただけだけど。そしたら立ち上がってどこか行っちゃった。きむくんの制服ワイシャツ腕まくりしてズボン腰パンしてて割と着こなしてる
周りのみんなは続々と友達作って行ってるけどわたしは机で頬杖ついてスマホをいじるだけ。頑張って自分から声かけてみても、結局はああなるからもういいかなって。しばらくするときむくんがまた教室に入ってきた。そしてわたしの顔の前に差し出してきたのはスルメイカ
「臭」顔を上げるときむくんが真顔でわたしの顔の前にスルメイカを差し出してる。「なに?これ」問いかけても喋ってくれないし、とりあえず受け取ったらきむくん席について寝だした
そんないきなりスルメイカ渡されても困るよ。まずなんでスルメイカ?机に伏せて寝ているきむくんの背中をちょんちょんとつつく。10回くらいつついたところでやっと起きてくれた。「なんでスルメイカくれたの?」
そしたらきむくん机の中からノート取り出してペンケースからボールペンだして何やら書き始めた。" けしごむひろってくれたおれい " やばい人じゃんこの人
「あ、ありがとう」 "たべて" 「あとで食べるね」 "たべて" 「だから後で…」 "たべてたべてたべてたべてたべて" 怖い怖い本気でやばい人じゃん
仕方なくスルメイカを口に入れる。そしたらペンを置いてまた寝始めた。なんで話さないんだろう、とか聞きたいことは色々あるけど授業が始まるから席についた。まあ隣はきむくんだけど。授業始まっても寝たままのきむくん
授業中、きむくんの寝顔をチラッと見るんだけど、前髪の隙間から見える目がすごく綺麗で。見とれてたらきむくんの目がいきなり開いて急いで逸らした。
次体育だ。チャイムが鳴ってみんな着替えに行く。今日は雨だから男子も女子も体育館だって。体育館ついて2人ペアでストレッチなんだけどみんなどんどんペア作っちゃって友達がいないわたしはぽつんと立ったまま。先生とやろうかな、なんて考えてたら後ろから肩を叩かれた
振り返るととんでもない美形の男の子。こんな人クラスにいたっけ?ってくらい。前髪を結んでてちょんってなってるから顔全体が見える。けどこの髪色って、きむくん?初めてきむくんの顔を見た。体育の時は前髪あげるんだ。こんなにかっこいいならずっと上げていればいいのに
「きむくんもペアいないんだ」そりゃきむくん声出して話さないし友達もできないよね。わたしも言えないけど。多分一緒にやろうって意味なのかな。きむくんとストレッチを始めると周りがすこしざわついた。" あの人すごいイケメンじゃない!?" "あんな人クラスにいた!?"
やっぱり普段前髪が長すぎて隠れてるから今きむくんの素顔を知る人が多いんだろう。わたしもこんなにかっこいいなんて思ってなかった。無言のままストレッチ進んでいくんだけど腕掴んだらすごく細くて思わず離しちゃった「ごはん、たべてる?」
わたしの問いかけに答える事もなく、男子の方に戻って行った。不思議な人。体育終わって着替えて教室戻ったらありえない光景。きむくんの机の周りにはたくさんの女の子。さっき体育で顔を見た女の子たちが一気に集まったみたい。わたしの席のところまでいるから座れない
" キムくんだよね?あんなカッコいいとか知らなかった!" "前髪ずっと上げてればいいのにー!" "カトク交換しよー!" そんな女の子たちにも口を開く事はなくイヤホンしてぼーっとしたままのきむくん。
すると1人の女の子が "キムくん聞いてよ〜" ってきむくんのイヤホンを耳から外した。すると自分の周りを囲む女の子たちを見るきむくん。スマホを取り出して自分のQRコードを出すと机の端に置いて、顔を伏せて寝だした
これって追加していいって事だよね!?って女の子たちが騒ぎ出す。みんなどんどんきむくんのQRコードを読み取って追加していく。じゃあわたしも紛れて追加しておこうかな
アイコンは何も設定されていない初期状態のままで、名前は 김 だけ。ホームも真っ白。みんなきむくんのカトクをゲットしたら席から離れて行った。ざっと20人はいたけど、こんなに追加されて大丈夫なのかな?
学校の帰り道、きむくんにカトクを送ってみることに。学校では声を出して話してくれないからなんかすごい緊張する。とりあえずこれだけ送ってみた。きっとたくさん追加されたであろう女の子の中からわたしだって気付いて欲しくて
〇〇
すると10分後くらいに返信がきた。
김
なんか普通の話し方で少しドキッとする。
〇〇
김
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