卒業

別れは突然だった。

2020年3月19日。

あなたは卒業した。

最初は一目惚れだった。

顔がイケメンで、友達と同じ部活だったから、

すぐに知った。

憧れと恋心。

2つの気持ちが混ざっていた

“好き”

は、

学校が休校してから少なくなっていった。

3月19日。

卒業式には出れなかった。

インスタで写真をチェックする。

全員写真の中から無意識に探してしまう自分。

その先輩はインスタをやっていないから、

他の先輩との写真を探す。

写真の中にいるとつい頬が緩む。

あぁ、私、まだ好きなんだ。

そう自覚したのは早かった。

それから、

あの整った顔、

成績優秀なところ、

運動神経抜群なところ、

笑った顔が可愛くてかっこいいところ、

学級委員としてクラスを引っ張っていたところ、

涙が出るまで笑い続けるところ、

背が高いところ。

全部好きだった。

好きじゃなくなったなんて

絶対に違う。

私は絶対先輩のことが好きだ。

どうして話しかけなかったんだろう。

どうしてもっと早くから知らなかったんだろう。

そう思うと悔しくて悔しくて。

先輩は頭のいい学校に行ってしまうから、

もう会えることがないかもしれない。

悲しい。

寂しい。

告白してふられたわけでもない。

先輩に彼女が出来た訳でもない。

でも、

約半年の恋は終わった、

新中2の春。