2人の距離が離れるまで

プロローグ

私は言った、我慢できなかった。

いつからだったか

蘭から女物の香水の匂いがしたのは

いつからだったか

天音ではなくお前と呼ぶようになったのは

蘭と私が出会ったのは

去年の4月

マンションが隣同士で

仕事先も同じ事から

よく話すようになりお互いの家にも上がったりしていた

ガチャ

こうして私達はいつものように会社へ向かう

カタッ

カタカタカタ……ｶﾀﾝｯ

……

どうしてここで蘭くんが出てくるのか

気に入ってる？

蘭くんが私を？

カタカタカタカタカタカタ

カタッカタカタカタ ｶﾀﾝｯ

蘭が何も言わずにこりと笑う

スタスタスタ

蘭くんってば何を言ってるの？

確かに互いの家に上がることはあるけど

言い方よ！言い方

仕事終わり

蘭くん……は先に帰ったか

デスクが片付けられてるし

スタスタスタ

今日の蘭くんはどうしたんだろう

そこには蘭がいた

そう言って肩を並べて2人で歩いていく

私はあからさまに頬を赤めてしまった

からかってるのか

本気なのか

色んな気持ちが交差する

突然の告白

蘭とは出会って半年経つ仲だが

友達意識が強かった

でもいつからだろう、他の子には取られたくないという意識ができたのは。

私は自然と涙が流れた

ガチャ

バタン

これってシャワー浴びたら

そういう流れだよね…？

本当に今日私は蘭と？

next▶︎？