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LINE1055

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LINE1055

1 - あ

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2023年08月27日

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トメコ

ちょっとイズミさん、今日は病院につれていってくれる約束でしょう。

トメコ

それなのに学校に行くなんて、どういう事?

イズミ

お義母さま、ごめんなさい。

イズミ

今日はPTAの会議があるから送迎は出来ないってお話ししたと思うのですが…。

トメコ

何言ってるの、あなた。

トメコ

私がボケたみたいに言わないでくれる?

イズミ

いえ、そんなつもりは…。

トメコ

あのねぇ、PTAって言っても子供関係の用事でしょ?

トメコ

そんなの断れば良いじゃない。

トメコ

私の病院のほうが優先でしょう。

イズミ

でも、PTAは秋の運動会の為の打ち合わせなんですよ。

イズミ

毎年、PTA役員が運動会の手伝いをする決まりなんです。

イズミ

休んだら、サボりだと思われてしまいますよ。

トメコ

別にどう思われたって良いじゃない。

トメコ

そんなんで、孫の成績が上がる訳じゃあるまいし。

イズミ

そうですけど、一応引き受けたからには真面目にやらないと。

イズミ

それに、学校に行けば娘のアユミの様子も見れますし。

トメコ

フン。女の子なんて愛情かけても無駄よ。

イズミ

え?今なんとおっしゃいましたか。

トメコ

女の子は放っておいても構わないって事よ。

イズミ

そんな、なんて事をおっしゃるんですか。お義母さまの孫ですよ?

トメコ

ふん。どうせ孫を産むなら男の子を産んで欲しかったわよ。

トメコ

ただでさえ、年上の女房で世間体が悪いって言うのに…。

イズミ

そんな言い方をされなくても…。

イズミ

それに、娘の事を邪魔者みたいに言わないで下さい。

イズミ

タカシさんの子なんですから。

トメコ

ふん。アユミを可愛がって欲しければ男の子を産みなさいよ。

トメコ

まあ、年が年だから、難しいでしょうけどww

イズミ

重ね重ね、嫌な事をおっしゃいますね。

イズミ

とにかく、病院はタクシーを手配してあげますから

イズミ

ご自分で行って下さいね。

トメコ

分かったわよ。役に立たない嫁で辛いわぁ。

イズミ

タクシーを呼んであげるだけ優しいと思って下さい。

イズミ

それじゃ、忙しいのでLINEは終わりますよ。

~その日の夜~

タカシ

なあ、イズミ。お前しばらくアユミをつれて実家に帰ってくれない?

イズミ

え?急になんで。

タカシ

ちょっと客が来るんだよ。

タカシ

しばらく家に泊まらせてくれって言ってるからさ。

タカシ

ほら、アユミも大人の男が家に泊まるのは嫌だろ?

イズミ

まあ、そうね。

イズミ

でも急に実家に帰れと言われても、学校を休ませてまで帰れっていうの?

タカシ

ほんの2~3日でいいんだよ。

タカシ

たまには実家でノンビリしたいだろう。

イズミ

いえ、別にそうでもないけど。

イズミ

実家は姉夫婦が同居しているから、あまり長居出来ないし。

タカシ

だから、ほんの2~3日でいいんだってば。

タカシ

大事な友達が来るんだ。

タカシ

ゆっくりもてなしてやりたいんだよ。頼む。

イズミ

そんなに言うなら行くけど、大事な友達って誰?

タカシ

お前の知らない友達だよ。

イズミ

何それ…素性の分からない人を家に泊めるの?

イズミ

なんとなくイヤだわ。

タカシ

ここは俺の実家だぞ?誰を泊めたって俺の勝手だろう。

タカシ

お前は居候の分際で、偉そうな口を利くなよ!

イズミ

居候って…私だって好きで同居している訳じゃないわよ。

イズミ

ただ、東京で暮らすには貴方の給料じゃ厳しいからって

イズミ

同居しようって言うから、渋々従っただけなのよ。

イズミ

おまけに、お義母さまはアユミにすごく冷たいし。

タカシ

しょうがないだろ!お袋は男の子を欲しがっていたんだから。

タカシ

お前が娘しか産まないから、お袋も不満なんだよ!

イズミ

何をいってるの。私だって二人目が欲しかったわ。

タカシ

二人目が出来なかったのは俺のせいじゃない!

イズミ

別に男性不妊を責めてるわけじゃないわよ。

イズミ

あなたが治療を一緒に受けてくれたら、今頃は二人目が

イズミ

出来ていたかもしれないとは思うけど…。

タカシ

何、子供が出来なかったのは俺のせい?

イズミ

そんな風に聞こえた?ごめんね。

タカシ

聞こえたさ!なんだよ全く。

イズミ

ちょっとね、私も子供の事を持ち出されるとナーバスになるよ。

タカシ

もう、やっぱり暫く実家に行っててくれ。

イズミ

分かったわ…。

タカシ

明日、駅まで送っていくから荷物はまとめておけよ。

イズミ

うん。

~3日後~

トメコ

イズミさん?実家の居心地はどう?

トメコ

やっぱり向こうのお母さまは優しくしてくれるでしょう?

イズミ

ええ、まあ。

イズミ

でもアユミの学校の事もあるし、明日には帰ろうと思います。

トメコ

あら、いいのよ!まだゆっくりしていらっしゃい。

イズミ

え?でも学校が…。

トメコ

学校なんてどうでもいいじゃない。

トメコ

女の子なんだから、勉強なんて多少遅れてもいいでしょ!

イズミ

そんなわけにはいきませんよ。

イズミ

今は男女とか関係なく、勉強は大事だと思います。

イズミ

だって、勉強が出来た方が、将来お仕事に役に立つでしょう。

トメコ

でも、アユミはあなたの実家でノンビリしてた方が幸せでしょう。

イズミ

それとこれとは話が別ですよ~。

イズミ

ばあばの家は、たまにいくから楽しいんです。

イズミ

学校の友達とも会いたいって言ってるし、もう明日には帰りますよ。

トメコ

何、ほんとに帰ってくるの?

イズミ

帰っちゃまずいんですか。

イズミ

何か私に隠してます?

トメコ

違うわよ!ただ、こちらもお客さんがゆっくり滞在してるから

トメコ

あなたには実家にいてもらいたいだけよ。

イズミ

お客さんってタカシさんの友人ですよね。

イズミ

タカシさんを出してもらえます?

トメコ

わかったわよ。

タカシ

イズミ、俺だけど。

タカシ

なあ、せめてもう一泊していけよ。

タカシ

俺も友達ともっと遊びたいんだよ。

イズミ

あのね、ウチの実家は姉夫婦が同居しているっていったでしょう。

イズミ

あんまりノンビリ滞在できないのよ、こっちは!

タカシ

だから、それを何とかしてほしいわけ。

タカシ

こっちにも都合ってものがあるんだよ。

イズミ

そんなに言うなら仕方ないわね。

イズミ

明後日に帰るから、駅まで迎えに来て。

タカシ

やっと分かってくれたか。

タカシ

まあ、あと一泊ゆっくりして来いよ。

イズミ

分かったわ。あ、それからね。

イズミ

玄関の照明が切れているから、取り換えておいて。

タカシ

わかった。用事はそれだけ?

イズミ

ええ。

タカシ

そうか。じゃあ明後日な。

~2日後~

タカシ

なあイズミ、今日は駅に行けないよ。

イズミ

なんで?

タカシ

友達の宿泊予定が1日延びたんだ。

タカシ

飛行機のチケットが取れなくてさ。

イズミ

ふーん。そんなに遠くから来ていた人だったんだ。

イズミ

お義母さまはなんておっしゃっているの?

タカシ

別に何も。

イズミ

そう、で私にどうしろというの?

タカシ

もうしばらく実家に居て欲しい。

タカシ

というか、できればそのまま実家に行っててほしいんだ。

イズミ

それは何故?

タカシ

お袋がさぁ、お前にはもう帰ってきて欲しくないって言ってるんだ。

イズミ

はぁ。

タカシ

なんか他人が家にいると気を使うんだって。

タカシ

それにアユミも懐かないから、全然可愛くないんだってさ。

タカシ

今回、数日間別居してたから、もう元に戻りたくないって言ってるよ。

イズミ

他人って私の事?

イズミ

今、私よりもっと他人が家にいるんだよね。

イズミ

私より、そのお友達のほうが良いってことなのよね?

タカシ

いや、まあそうらしいんだけど。

イズミ

ねえ。私に隠している事があるでしょ。

タカシ

え?何も無いよ。

イズミ

ウソつき。私が何も知らないと思って。

イズミ

私の友達が、家の前であなたと誰かが一緒にいる所を見たそうよ。

タカシ

え?お前の友達が何を見たって?

タカシ

いつ見かけたって言ってた?

イズミ

随分慌ててるわね。こういう場面を見たそうよ。

イズミ

~画像送信~

タカシ

え?これは昨日撮った写真?

イズミ

そうよ。一緒に写っているのは若い女性ね。

イズミ

これは何をしている所かな?

タカシ

いや、これはただの知り合いだよ。

タカシ

ウチにちょっと寄ってくれただけだから。

イズミ

この人、ただの知り合いじゃないよね。

イズミ

ご近所のノグチさんの娘さんじゃないの!

イズミ

娘さんがどうして、ウチの敷地内でこんなに仲良さそうに腕組んでるの?

タカシ

え?いや、その…。

イズミ

もうご近所中で噂になっているみたいよ。

イズミ

あなたが、私の不在中に知り合いの娘さんを連れ込んでイチャついてたって!

タカシ

ちがうんだ、これは!

タカシ

ナナコちゃんの事は子供の頃から知ってたから、つい子供みたいな感覚で

タカシ

庭でバーベキューしてたら酒のんで酔っ払っちゃったみたいで…。

イズミ

へえ、じゃ泊まりに来ていたっていう貴方の友達はどこにいるのよ?

イズミ

~画像送信~

イズミ

これ、お庭のバーベキュー写真だけど、

イズミ

映っているのは貴方と、ナナコちゃんと、お義母さまの3人だけ。

イズミ

あなたの男友達なんて、どこにもいないよね。

タカシ

なんだこの写真は!いつの間に撮ったんだ。

タカシ

お前、誰に頼んでこんな写真を?

イズミ

誰が撮ったとか、関係ないでしょ。

イズミ

私のご近所ネットワークを舐めないでくれる?

イズミ

まあ、私の交友関係なんて何も知らなかったでしょうけど。

イズミ

そもそも、ナナコちゃんのお父さまとも私、知り合いなのよ?

タカシ

へ?

タカシ

ナナコちゃんのお父さんと知り合いって…なんで?

タカシ

だって、ナナコちゃんのお母さんもタカシ君と結婚させたいからって

タカシ

お袋を通して、俺に彼女を紹介してくれたのに。

イズミ

バカねぇ。ナナコちゃんのお父さんは、小学校のPTA会長なのよ!

イズミ

ノグチさん家の末っ子ちゃんが未だ小学生だからね。

タカシ

え?そうだっけ?

イズミ

あなた、頭悪すぎよ。ナナコちゃんも、そのお母さんも

イズミ

財産狙いでウチに嫁がせようとしているのに!

タカシ

嘘だ、ナナコちゃんはそんな子じゃないよ。

イズミ

妻子のある人の家に、平気で上がり込むような子よ?

イズミ

普通の女の子なら、そんな大胆な事は出来ないわね。

イズミ

しかもお義母さまも公認でお見合いだって?

イズミ

ナナコちゃんのお父さんも全然知らなかったそうよ。

タカシ

え、ナナコちゃんのお父さまが知らなかったって、どういう事。

イズミ

ご両親が別居しているからでしょ。今、ノグチ家に住んでいるのは、

イズミ

ナナコちゃんのお父さまと、下のお子さん二人だけよ。

イズミ

ナナコちゃんとお母様は、お父さまに追い出されたらしいわよ。

タカシ

え?そんなの聞いてない。

イズミ

全部本当の事よ。ノグチさんご本人からきいたから。

イズミ

二人してブランド物を買いあさったり、ホストに沼って散財したとかで

イズミ

借金を作ってた事が分かったから、先月離婚を言い渡したそうよ。

イズミ

ナナコちゃんは成人だから、養育費も払う必要が無いって

イズミ

お父さまご本人も言ってた。

タカシ

そんな…じゃあ、お袋を通して見合いの話を持ち掛けてきたのは

タカシ

ウチの金で借金を返済するつもりだったから…?

タカシ

それに、ウチに引っ越す費用が欲しいとか言うから、30万も上げちゃったよ…。

イズミ

あなた、チョロすぎww

イズミ

あ、ナナコちゃんがウチに泊まった証拠もバッチリ撮れてるからね。

イズミ

~画像送信~

イズミ

実はこれ、私が今朝撮ったのよ。

タカシ

え?帰ってきてたのか!

イズミ

そうよ、この為に早朝に戻ってきたの。この写真はパジャマ姿で

イズミ

アナタとナナコちゃんがお庭でイチャイチャしている所ね。

タカシ

おい!こんなの盗撮だろ。

タカシ

訴えてやる!

イズミ

何言ってんの。自分の家の庭の様子を撮って何が悪いのよ。

イズミ

これは立派な不貞の証拠。

イズミ

不倫で訴えるのはこっちだから。

タカシ

ま、マジか。

イズミ

それから、私とアユミはもうそちらには帰りません。

タカシ

え?出ていくの?

イズミ

貴方とお義母さまのお望み通り、このまま実家に帰ります。

イズミ

荷物は後日、引き取りに行くけど。

イズミ

あなたとはもう離婚するから。

タカシ

そんな、ちょっと待ってくれよ。

タカシ

ナナコちゃんとは別れるから、戻ってきてくれよ!

イズミ

イヤなこった!

イズミ

アユミも、「お婆ちゃんもパパも、私が女の子だからって冷たいから嫌い」

イズミ

って言ってて、いつも悲しんでいたし。

イズミ

私も、もうお義母さまとの同居で疲れてたから。

タカシ

だからって、こんな急に離婚とか言わないでくれよ。

タカシ

頼む、やり直そう。

イズミ

もう無理。生理的に無理。

イズミ

こんな気持ち悪い所を見たら、誰だって醒めるわ。

タカシ

イズミ…頼むよ…。

イズミ

気持ち悪いから名前を呼ばないで!それじゃあね。

タカシ

まってくれ~イズミ~…。

~後日談~

イズミ

私とアユミは、その後、結局義実家には戻りませんでした。

イズミ

姉夫婦に頭を下げてしばらく実家に同居させてもらい、

イズミ

義実家から荷物を引き上げ、そのまま別の場所へ引っ越しました。

イズミ

地元の市営住宅に空きがあったのが幸いでした。

イズミ

タカシと義母がその後どうなったか、気になりますよね。

イズミ

二人はあの後、ノグチさんの家に怒鳴り込みに行ったそうです。

イズミ

対応したナナコのお父さんに対し、

イズミ

結婚詐欺だ、ウチは被害者だと騒いだそうです。

イズミ

タカシも既婚者の分際で見合いしたくせに、おかしいですよね。

イズミ

当然、ノグチさん(夫)は相手にせず、ウチには関係ないと言って追い払ったとか。

イズミ

ノグチ家の夫婦は、すぐ離婚したとノグチさん(夫)ご本人から聞きました。

イズミ

私も、つい先日離婚が成立しました。

イズミ

義母との同居は本当に疲れるものだったので、スッキリしました。

イズミ

もちろん、慰謝料をもらい、養育費も払ってもらう事になりました。

イズミ

これからはアユミと二人で仲良く暮らしていこうと思います!

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