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余命わずか

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余命わずか

18 - 余命わずか最終回

♥

5,080

2021年08月27日

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sakura

わこさく!

sakura

余命わずか最終回です!!

sakura

あの、今回は吹き出しが少なめでテキストがとってもとっても多くなってます!

sakura

それでもいいよって方は読んでみてください!

sakura

正直、これの1個まえのお話まででも内容は分かるので、今回のはいうておまけみたいなもので😅

sakura

では!!

sakura

٩(.^∀^.)งLet's go

苦しくも愛しい季節が、今年もまたやってきた

あれから……もう16年になるんだね

俺は、波打ち際にしゃがみこんで、抱えていた花束を水に浮かべた

今日……6月28日は、青の誕生日であり、命日だ

今年はなんの花にしたの?青ちゃんへのラブレター

……茶化してんじゃねーよ

はは、ごめんごめんw

でも、気になるのは本当だよ?

毎年違う花選んでるでしょ?

赤が言ってるのは、俺が毎年この日に、青と来た海に流す花のことだ

カーネーション

へぇ、無難なとこいったね。花言葉は?

誰が教えるか

"あなたに会いたい"

沖に流されていく花に込めた想いを受け取るのは、1人だけでいい

それにしても似合わないよね、桃ちゃんと花って

やめろよ、それ俺も思ってたんだからさぁ…

あははっwwwwww

ただの願望なんだ

どれだけ頑張っても、俺は地平線の向こうに行くことはできない

だからこそ、願いを込めた花束なら、空の上にいるあいつの元に届くんじゃないかって

なぁ、赤

ん?

俺あのころ……ちゃんと最善選べてたのか……?

青との時間に想いを馳せ、俺は真上に広がる真っ青な空を仰ぎみた

青とは同じクラスでもあんまり接点がなかった

保健室で初めて話した時は正直、なんだこいつ感じ悪いなって思った

そんな青を見てイライラして…でもだんだん律と重なって放っておけなくなった

少しづつ関わっていくようになって、青のことを知っていくうちに、不安が大きくなって、あいつに手を伸ばしてしまった

"お前、いなくなったりしねーよな?"

"いなくならないけど、いなくなるよ"

夏に転校することが決まっている

どうせ離れるんだから友達なんて作らない

俺は、あいつの言葉を1寸たりとも疑わなかった

その後俺は、半ば無理やり俺たちのグループに青を引き入れた

この時俺の中では、まだ青のことを友人として捉えていた

青を意識し始めたのは郊外学習の時だった

"水槽が突然壊れて水で埋め尽くされるとしたら、どうする?"

今思い返しても、なんでこんな質問をしたのか分からない

こんな質問に返答なんて来ないと思ってた

でも青は……

"何がなんでも、桃くんにだけは助かってもらうかな"

真っ直ぐに水槽を見上げる青の横顔に、目を奪われた

その時はまだ、この感情がなんなのか分からなくて…でも、理解できないなりに青のそばにいたいと思った

遠く離れることになってもいい

だから、未来の約束をしようと思った

大学で免許を取得するつもりだったバイクの後ろに乗って欲しいと言った

"僕を乗せるまで誰も後ろに乗せないって……約束して!"

この時青が流した涙の意味を、俺はまだ知らなかった

青の不調を端々に感じながらも、貧血とか風邪なんて言う嘘を、バカ正直に信じていた

その後、青のお見舞いで幼なじみに会った

すごく嬉しくて沢山話し込んで……その後2人を呼びに行こうと思って廊下に出た

そしたら、赤と青が抱き合っていた

あの時の俺はガキで、そのまま1人で帰った挙句、その後も赤やその周りの奴らに沢山八つ当たりをしてしまった

………そして、青にも

冷静になって、とんでもないことをしてしまったと気づいた

絶対に嫌われたと思った

でも、青に実際会って謝ろうとしたら、今度は青が俺を止めた

嫌じゃなかったことを謝られたくないって

今考えると、結構な殺し文句だったと思う

その後みんなに何度も謝って、赤には俺が青に抱いていた気持ちを話した

すると赤は、少し複雑そうな顔で笑ってから、俺を応援すると言ってくれた

その後しばらくして、俺が交通事故にあった

青達がお見舞いに来た時、俺は大会に出れないこと、青と約束をしたのに果たせなかったことに後悔をしてた

でも青は、そんな俺を優しく抱きしめてくれた

あれがどれだけ俺にとって嬉しかったか、青は分かってないんだろう

その後、青に海へ行きたいと言って約束をした

青がいなくなる前に、どうしても思い出を作りたかったから

外出許可が下りる保証なんてなかったのに、必死にリハビリをしていた

そして、まさかの1発で外出許可が下りて、青と海へ行くことができた

向こうの街でラーメンを食べて思い出話をしたり、砂浜ではしゃいだり

出会えてよかったなんて青の言葉を、唇で塞いだりもした

愛おしかった。幸せだった。

幸せすぎて気づけなかった

青が砂浜に倒れ込むまで

青の名前を無我夢中で呼んだ

力が入らず、だらりと垂れ下がった白い腕があまりにも生気がなくて、怖くなった

急いで震える手で救急車をよんで、それからのことは正直覚えていない

病院で青が処置室から出てくるのを待っていると、青の両親が来た

今俺がそこにいる経緯を説明すると、両親は涙を浮かべて笑った

青のお母さん

病院を抜け出してまで遊びたい友達ができたのね

どういう、ことですか…

青のお母さん

やっぱり、言ってなかったのね…あの子らしいわ

そこで俺は、青の病気のことと余命のことを知った

その後青の両親が医師に掛け合って、病室に入った青の傍にいることを許してもらった

目を覚まさない青の手を握って、俺は願った

青の体調が回復するように

好きになって欲しいなんて贅沢は言わない

生きてるだけで、笑い合えるだけでいいから

俺たちの時間を奪わないで欲しかった

そうしているうちに青が目を覚ました

感情を整理できずに泣いた俺に、青はずっと謝り続けた

でも、一緒に過ごした時間は全部嘘じゃなかったと伝えると、青は涙を拭いて笑った

そして、今まで見たこともないような綺麗な笑顔で、最後のワガママを言ったんだ

その時、青はこれから訪れる別れを受け入れるんだと、俺は悟った

そんな青に、俺は笑い返した

負けないように

青の記憶に、永遠に残るように

そして、同じ願いを口にした俺に、青は嬉しそうに笑って頷いたんだ

しゃがみ込んだまま、打ち寄せる波に視線を移した

俺が青にしたこと、本当に間違ってなかったのか……ときどき不安になるんだよ……

あの日々に、俺は後悔していない

でも、青はどうだったのか

時間を経て少しづつ青の死を乗り越えてきたけど、それだけがずっと気がかりだった

その答えを聞きたくて、今年はカーネーションを選んだ

………なんかさぁ、桃ちゃんと青ちゃんって正反対な気がして、実は似てるよね

頭上で息を吐いた気配がしたあと、横からすっと何かを差し出された

はい、青ちゃんから。ラブレターの返事

………は!!?

予想だにしなかった言葉に顔を上げると、逆光で赤の顔はよく見えない

ん、と促され、淡い水色の封筒を受け取る

桃ちゃんが大会前に事故にあったとき、頼んで書いてもらったんだよね

万が一、転校なんて理由が通じなかったときのためにって

なんで、16年もたって……

雨は気分が沈むから、絶対晴れの日の命日に渡してくれって頼まれてたからさ

今までずっと曇りか雨だったじゃん?

確かに、この日が腫れている記憶はない

16年前も、土砂降りの雨だった

学校が終わり、松葉杖で雨に濡れながら病室を訪れた俺を出迎えたのは、衰弱しきった青だった

桃く……18歳に、なったよ……ニコ

そして、その数時間後に息を引き取った

読んでみなよ。桃ちゃんが知りたいことも、書いてあるかもよ

震える手で封筒を開けると、飛び込んできたのは懐かしい青の字だった

桃くんへ

お久しぶりです、青です。 お元気ですか。

書いておいてなんですが、僕はこの手紙が桃くんの手に渡ることが不本意でなりません

だってこれは、僕が桃くんたちの前からこっそりと姿を消せなかった時のために書いているものだから

転校なんてその場しのぎの理由が運良く通用していれば、この手紙は永遠に誰にも読まれることがないわけです

だから、やっぱり読まれたくなかったかな笑

高一の時、脳に腫瘍が見つかりました

なんで僕なんだろうってたくさん泣いたし、関係の無いことに無理やり原因を見出そうともしました

毎日が真っ暗だった

高校に通うと決めた時も希望なんてなくて、取り戻した代わり映えのない生活を送って誰にも気付かれずに死んでいくんだと思ってた

でも、そんな僕の世界に光が射しました

桃くんです、あなたです

突然だったから眩しくて眩しくて、初めは背を向けてしまっていたけど、本当はとっても嬉しかった

ダメだって分かっていても、手を伸ばすことをやめられなかった

赤くんがいて橙くんがいて紫くんがいて黄くんがいて、何より桃くんがいるその場所が、僕が本当に欲しかったものだと思います

そんな場所をくれた桃くんに、僕はたくさんの嘘をつきました

守れない約束もしました

そのせいで、いっぱい傷つけちゃったよね。ごめんなさい。

バイクの免許を取ったら1番後ろに乗せてって約束は、忘れてください

ちゃんと言っておかなきゃね。桃くんのことだから、律儀に守ってそうだし笑

桃くんに出会えてよかったって、心から思います

毎日が楽しかったのも、桃くんのおかげです。ありがとう。

またいつか、どこかで会おうね!!

ばいばい!!

青より

頬を伝った涙が、砂浜にぽたぽたと落ちる

心配しなくても、桃ちゃんは間違ってなかったよ

その手紙で、青ちゃん本人が教えてくれたでしょ?

返事の代わりに、何度も何度も頷いた

俺は、青の重荷にはなっていなかった

光とさえ言ってくれた

桃ちゃんが青ちゃんのこと好きだったのと一緒で、青ちゃんも桃ちゃんのこと、大好きだったよ

気持ちを自覚して泣いちゃうくらいにはね

海に流したカーネーションはもう見えない

いや、見えなくなったんじゃない。届いたんだ

ずいぶん時間がかかったけど、お互いの想いが、それぞれの元へ

……よし、赤。帰るかっ

え、もういいの?

ん。なんか色々すっきりした

ならいいけど…

赤、今度バイクの後ろ乗せてやるよ

え?なんで??青ちゃんはいいの?

んー?青の許可もらったろ、ほら

桃ちゃんがいいっていうならいいけど……お願いだから事故らないでよ…

は!?んなことするわけねーだろw!

桃ちゃんの運転荒そうなんだもん……w

ふざけんなwww

流れていく時間の中で、何度だって思い出す

18歳の天使と過ごした、かけがえのない日々のことを

sakura

余命わずか

sakura

連載終了ーーー!!

sakura

ありがとうございましたー!!
(´;ω;`)

sakura

ちなみにこれ、エモい曲流しながら読んだらめちゃ泣けた…お試しあれ✨

sakura

あ、あとあと!!

sakura

びっくりしました!!
1万いいね!?
しかもフォロワー115!!?
ほえ!!??
ってなりました笑!!!

sakura

ほんとにありがとうございます😭✨

sakura

ではでは!!

sakura

おつさくー!!

この作品はいかがでしたか?

5,080

コメント

59

ユーザー

素敵な物語をありがとうございました😊 めちゃくちゃ感動しました😭

ユーザー

素敵な作品でしたぁぁぁ!! まじで最終話が涙とまりませんでした笑

ユーザー

顔全体が涙で濡れるくらい感動しました😭 こんな素敵な物語をありがとうございます!!

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