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怜王
今日も俺は何時も通り残業、徹夜だ
怜王
怜王
少し休憩しようと伸びをする
亮
怜王
突然後ろから声をかけられ、驚きのあまり椅子から落ちてしまった。
怜王
困った様にこめかみをかきながら体制を整え、声をかけてきた女性に向き直る
怜王
刃継 亮。 ストーカーだとか、人殺しだとか色々な噂を聞く。
本当かどうかは分からないけど、彼女の長い前髪から除く桃色の瞳には、とても生気が宿っている様には見えない。
少し不気味で苦手だなぁ…
亮
亮ちゃんはそう淡白な返事をすると何やら紙を差し出してきた
怜王
俺は紙を受け取り、内容をよく見て見ると、追加の仕事だった
怜王
俺は短く文句を垂れると、亮ちゃんは何時もと変わらない感情の無い表情で此方をじっと見た
亮
怜王
噂で聞いた亮ちゃんの印象とは全く違い、ついつい間抜けな声が漏れてしまった
亮
俺の漏れた声に亮ちゃんが首を傾げて問う
怜王
思い返すととても失礼な言葉だが、亮ちゃんはそれに反応もせず、俺の隣のデスクに座り、作業を始めた
怜王
元々からよく喋る方ではない亮ちゃんは、何を話しかけても「はい」「そうですね」などと言った淡白な返ししかしてくれない
お陰で会話が途切れる一方だ
怜王
俺はキーボードから手を離し、顎に手を置いて、考える仕草をした
すると、それに気が付いたのか亮ちゃんが隣から椅子をスライドさせて此方に来てくれた
亮
怜王
『貴女との会話を考えていました』など言えるはずもなく
俺がどもっていると痺れを切らしたのか亮ちゃんが俺とパソコンの間に割って入ってきた
俺は、意図せず亮ちゃんの黄色い髪の毛に埋もれる形となった
怜王
すると、亮ちゃんの髪の毛からふんわりと金木犀の香りがした
怜王
って、コレ!俺が変態見たいじゃん!
と思ったのもつかの間、亮ちゃんが怪訝そうな顔で此方を向いた
あ、初めて表情が変わった
って、言ってる場合じゃない!
絶対引かれた…
亮
怜王
好き、好き?
俺もしかして亮ちゃんの事が好きだと思われた?!
否、其れは大変な事になってしまう!!
何とか否定しようと徹夜続きで良く回らない頭をフル回転させる
亮
…
怜王
亮
あ、なんだそっちか…
怜王
あ、これは話を繋げるチャンスかも!と思い、亮ちゃんの答えを期待する
しかし、亮ちゃんの表情は変わらない
怜王
すると亮ちゃんは
亮
と言い、作業に戻って行った
それだけぇぇぇぇぇ?!!
え、もっと何か有るでしょ?!有るよね?!
などと俺はひたすら自問自答を繰り返した
元々寝不足の為、回っていなかった頭は、情報量の少なさに逆に戸惑っていた
俺が頭をフル回転にしている横で、亮ちゃんはカタカタとリズミカルにキーボードを叩いている
しかし、数秒するとそのキーボードの音が鳴止んだ
それと同時に亮ちゃんが口を開いた
亮
それだけ言うと、亮ちゃんは
亮
と言い、俺を残して去っていった
…
怜王
今日数時間で、俺は刃継 亮と言う女性にハマりそうになっていた