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NOT FOUND   ーThe choice he choseー

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NOT FOUND ーThe choice he choseー

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2022年02月09日

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ー黛の自室ー

師匠を削除してしまった。

俺が望んだわけじゃないのに。

俺が、物語のキャラクターだから。

俺の意志は、リスナーによって、
“物語の外側にいる傍観者”によって決められたのか。

俺の意志は、作り物だっていうの…?

どうして…。

しばらく考えていたが、どのくらい経っただろうか。

ふっと立ち上がって、俺はある事をする為に、
準備に取り掛かった。

ー渋谷・スクランブル交差点ー

通行人

「ねぇ、あれ何?」

通行人

「なんか映ってね?」

ブォン

「どーも。
にじさんじ所属、VTuberの黛灰。」

俺は物語の内側から、外側の人々に干渉することにした。

なぜ俺が物語の中なのか、どうしてリスナー達は外側から見ているのか。

街中の大きなビジョンから問いかけた。

大勢の人がビジョンに映っている俺をじっと見ている。

「これを聞いている、“現実を生きる人達”に、
ただ聞きたい事がある。」

「こうして直接干渉しに来た。」

「今耳を傾けている、目を向けてくれる人たちには、」

『俺がどう映ってる?』

「俺は、」

「今見てる人たちと同じ、」

「人間なんだ。」

『人間のはずだった。』

俺は自分の思っていた事、疑問を、
現実世界を生きる人達に投げかけた。

「自分がただのいちキャラクターの、
空想の産物にすぎない事を知った。」

「ねぇ、“現実”ってどんなの?
俺の住む世界と、どう違うの?」

「どうして、」

そっちがリアルで

こっちがバーチャルなの…?

そう言って、俺はビジョンから姿を消した。

通行人

「えぇ〜?」

通行人

「何、今のー?」

俺の思いは、果たして伝わっただろうか。

俺は師匠がやったように、システムハッキングをして
最後の投票を行う事にした。

選択肢は、
『現実に送り出される』
『仮想に再構築される』

これで、俺の行く末は全て決まる。

物語の外側の人達に、俺は判断を任せる事にした。

ー投票開始ー

(投票が終わったら、果たしてどうなっているだろうか。)

(もう、今までの「黛灰」はいなくなるのか。)

そして、投票が完了した。

投票の結果は、

現実に送り出される  50% 仮想に再構築される  50%

「え…。」

ただ驚いた。こんな事、あり得ない。

(どういう事?皆、選べなかったの?)

「いや、違う。
“選べなかった”んじゃない、
“選ばなかった”んだ」

皆、俺に選ばせる為に、選択しなかったのか。

…ありがとう。

TRUE END3 「灰は灰に」

ここから先に、彼の物語はなく、あるのは彼の人生のみである。

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