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それから俺は学校を辞めた
行っても良かったのだが
自由に生きると決めた今学校は必要なかった
どうせ長くは生きられない身
今更勉学は必要ない
その代わり通信制の学校に通った
課題は出るが日中は暇なので色々なところに行った
両親はそれを許してくれた
これはそんなある日のこと
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そう唐突に思った
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何故かは分からないが無性に行きたくなった
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早速準備を始めた
………?…… ………… …………w
支度が終わったので1階に降りてみると話し声が聞こえた
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リビングに顔を出し声をかける
母
父
父
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余命宣告を受けてからも両親は日常生活を守ってくれてる
けれど仕事を休む回数が増えた気がする
俺との時間を作ろうとしてくれているのか
少し嫌な気もするが
両親なりの優しさだろう
悪くは言えない
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電車に揺られて海を目指した
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電車のせいで硬くなった体を伸ばす
目の前にはどこまでも続く 青空と青く輝く海
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都会っ子の俺を魅了するには十分な景色だった
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昔入院生活を強いられていた俺に
ずっと病院にいたら気が滅入るだろうと
両親が医者に頭を下げて海に連れて来てくれたことがある
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昔の記憶に頬が緩む
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砂浜をしばらく歩き
見つけた流木に腰をかける
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平日のお昼、また季節も季節なので浜辺には
犬の散歩をするおじいさんしかいなかった
暫くは犬を眺めていたが
散歩が終わったらしく帰って行ったので
今この砂浜にいるのは自分一人になった
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住宅街からも離れたこの場所は
静かで波の音しか聞こえなかった
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暫くはその音を聞いていた
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心地よく頬を撫でる風
普段ならあまり感じられない
自然に癒されていた
その時
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