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大森

ん…ふぁ〜。

めちゃくちゃ寝た。

若井が居なくなってから、やっと一人になれた安心感からか、朝からずっと寝続けていた。

身体を起こし、大きく欠伸をして伸びをする。

大森

ん?

ふと、おでこに違和感があり、触ると何か貼られていた。

更に周りを見渡すと、ベッドの横に、ビニール袋が置かれていて、中を覗くと、薬と冷えピタとポカリとその他諸々が詰め込まれていた。

大森

…若井?

おでこに貼られた、恐らく冷えピタであろうそれをもう一度触る。

今の状況を寝起きで働かない頭で考えていると、ノックの音が聞こえ、ガチャっと部屋のドアが開いた。

若井

あ、元貴起きてたんだ!

そう言う若井の手にはお盆が握られていた。

若井

ごめん、入っていい?

大森

え、あ…うん。

若井

お邪魔しまーす!
ってか、さっき勝手に入っちゃったんだけどね。

そう言って、ごめん!と謝る若井。

大森

あ、これ若井が買ってきてくれたの?
あと、冷えピタも…

若井

うん!なんか出来る事ないかと思って。
あとこれ!

若井がお盆に乗っているどんぶりをぼくに見せる。

若井

食堂のおじちゃんに、友達が熱出して寝込んでるって言ったら、特別にお粥作ってもらえたんだ!

大森

…友達。

若井

あ、ごめん!
勝手に友達とか言って。

大森

え、あ!いや…別に…

若井

え!ほんと?!
じゃあ、元貴、おれと友達になってよ!

大森

う、うん…いいよ。

やったー!と嬉しそうにする若井。

ぼくなんかと友達になって何が嬉しいんだか…

陽キャが陰キャと仲良く出来るわけないし、コイツとは関わらないようにしようと思ってたのに…

でも、いいよって言ってしまったのは、若井と一週間過ごして、若井が良い奴だって知ってしまったからだ。

若井

てか、元貴お腹空いてない?
薬も飲まなきゃだし、お粥食べよ!

若井はそう言うと、近くの椅子に座り、スプーンでお粥を掬うと、ぼくの口元に持ってきた。

大森

ありがと…。

ぼくは反射的にパクッとスプーンを口に入れた。

若井

ぁ。

若井と目が合う。

スプーンを持ったまま動かない若井。

大森

あ、や、ごめんっ。

やってしまった。

大森

あの、おれ、お兄ちゃんが二人居て、それで…あの!末っ子で…

焦って意味の分からない説明を早口で捲し立てる。

歳の離れた兄は過保護で、親も末っ子のぼくには甘く、自分も甘やかされて育った自覚はあった。 ただ、このままじゃダメだと親も寮がある学校に入れたんだろうけど…

ずっと友達も居なかったから人との距離感がイマイチ分からないのもあるが…

まさかこんな所で末っ子気質が出るなんて。

最悪だ…

大森

あの!じ、自分で食べれるから…!

若井

あ、そ、そうだよね!
なんかごめん!!

気まずい空気のまま、お粥の器を受け取ると、若井は逃げるようにぼくの部屋から出ていった。

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コメント

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すきですッッ泣

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