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終わらぬ悪夢を乗り越えて ――長いループの果てに――

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終わらぬ悪夢を乗り越えて ――長いループの果てに――

2 - 終わらぬ悪夢を乗り越えて ――長い長いループの果てで―― 第1話前編

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2021年03月14日

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????

また駄目だった....

終わらぬ悪夢を繰り返し続けて何十年。

彼は決められた最悪の結末を避けるために何度もしてきた。

だが、途中で死んでしまったりしてなかなか最後に辿り着けない。

着いたとしても、彼女は必ず手を離す。

変わらない結末に、終わらないループに彼は疲れていた。

????

....だけど、まだ諦めるわけにはいかない....

遠い遠い過去にした約束。

成長した彼女に頼まれた、たった1つの大切な約束。

????

彼女との約束を守るために、私は...

????

どうか頼む....

????

強くて、賢くて、寂しがり屋な彼女に、最高に幸せな夢を見せてくれ.......

そして彼は歩きだす。

彼女が幸せになれる、幸せな夢を目指して。

??

なんで....

変わり果てた街に、変わり果てた彼女を見た。

??

いつも貴方は無理して...私達ばかり優先して....

ずっと彼女は人の事ばかり優先して、自分の事も見向きもしていなかった。

それが、大切な人だった私達にとってどんなに辛かったか。

??

もっと自分の事も考えてよっ.....

今はもう、彼女は動かない。

だから彼女は、次の世界線へ行く。

とても強がりで何でも出来る、泣き虫な彼女を救いに。

??

待っててね...今度は絶対助けるからっ....

そう喋らない彼女に誓い、次の世界線へととび立った。

????

どうか...あの子と彼女に....

??

救いの手を、あの人に...

????

何でも出来て....

??

凄く強がりで....

????

本当は寂しがり屋な彼女に....

??

救いの手と、最高の物語を....

????

幸せなエンドロールを.....

??

どうか、彼女に....

????

どうか、あの子に....

そして彼らは歩きだす。

過去の自分の過ちを二度と繰り返さぬように。

そして、泣き虫な彼女がこれ以上傷付かないように。

????

(次こそ僕が、彼女を守る....)

??

(今度こそ私が、彼女を救う....)

各々の想いを抱きながら、望んだ未来を迎えにいくため。

2人は、次の世界線へと飛んだ。

??

あら....?

ドサッと、2冊の本が落ちる。

それは、少年少女達の小さな悪夢の物語と。

1人、幻想的な終わらぬ悪夢を見続けている少女の物語だった。

??

この本達は.....

彼女は2冊の本を戻そうとする。

しかし。

すみませーん!

悪いタイミングで客が来る。

??

はい!すぐに行きます!

彼女はバタバタとカウンターへ向かった。

だからこそ、気付いていなかった。

2冊の本が、光を出して消えた事に。

(うっ....ここは.....?)

見渡す限り、何も無い世界。

そんな空間に1人、小さな少年が立っていた。

紙袋を被っている、不思議な少年。

ここにいては埒があかないと思い、彼に話しかけた。

ねぇ、貴方は誰....?

モノ

僕?僕はモノ。お姉さんは?

私は高坂翠。翠って呼んで。

彼は、不思議そうに私を見てきた。

...?モノ君、どうしたの?

モノ

あの、翠さんって...どこからここに来たんですか?

うーん、分かんないや...目を覚まして、気付いたらここにいたの。

モノ

そうだったんですか...僕も同じで...

モノ

閉じ込められたのかな、僕達...

彼が少し不安そうな顔をする。

だから私は、あえてこんな話をした。

ねぇ、モノ君は大切な人っているの?

モノ

...えっ?僕は...

少し驚いた顔をしていたが、答えてくれた。

モノ

シックスっていう、大事な女の子がいるんです。

へ~。どんな子なの?

モノ

凄く可愛くて食いしん坊で、何でも出来る凄い子でなんです。僕なんかいなくても大丈夫なくらい。

モノ

だけど、僕が彼女にすがっているせいで...僕は、彼女の足手まといですよ...。

そっか...私もね、そんな感じの子がいるんだ。

モノ

えっ、翠さんにも?

うん。彰君っていう、大事な男の子がいるの。

凄く冷静な子でね、何でも出来る子だけど、私がいつも足を引っ張っちゃって。

モノ

そうだったんですか...なんだかシックスに似てる気がします...

ふふっ、案外2人とも仲良くなったりして。

モノ

で、でも!シックスは僕の友達ですから!

私も、彰君は大好きな人だから。取らせる気は無いけどね。

モノ君もそうでしょ?

モノ

...えっ!?

それまで楽しそうに話していた彼の顔が突然赤くなる。

(あぁ、私に似てるなこの子...)

シックスちゃんの事話してる時、すっごく優しい顔してたから。そうなのかな~って。

モノ

えっ、僕ってそんな分かりやすかったんですか....。

ふふっ、分かる人には分かるよ。

モノ

ううっ.....

ふふっ、私達ってなんだか似てるね。

モノ

そうですね...2人とも大切な人がいて、そしてその2人が大好きな所も。

一回ぐらい会って話してみたいものだね!

モノ

僕も、ここじゃなくてもっとゆっくりシックスの事を語りたいです...語り尽くせませんから、彼女は!

ふふっ、こっちの彰君もまだまだ良いところはいっぱいあるよ?

モノ

ハハッ、お互い熱中してますね。自分の想い人に。

そう話しているうちに、眠気が襲ってくる。

う~ん、なんだか急に眠く...

強い眠気に襲われ、目の前の彼がぼやける。

モノ

翠さん。

何.....?

モノ

これから大変な事ばかりかもしれません。だから....

朦朧とする意識の中、彼の声が微かに聞こえた。

それは、強い意思のこもった声で。

モノ

僕のシックスを、僕の大切な友達を頼みました。

なん....で.....?

彼からの答えを聞く前に、私の意識は途切れた。

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コメント

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天才ですか?いえ天才でしたね最高です

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