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逢華 桜
……
ほんのちょっと期待してた。
誰か来てくれるんだって。
でも、誰も来てくれなかった。
今日で私は死ぬ。
それはもう、変わらない。
桜の木の下で息を絶える事は不可能だと感じた。
誰か……来て欲しかった。
逢華 桜
……
逢華 桜
さよ、なら……
逢華 桜
春斗……
ガラッッッ
中川 春斗
はぁ……はぁ……
逢華 桜
……！
逢華 桜
春、斗……？
中川 春斗
来たぞ……
逢華 桜
な、んで……？
中川 春斗
そりゃぁ……さ。
逢華 桜
……
逢華 桜
うっ……
中川 春斗
！？
中川 春斗
な、なぜに泣く……！？
逢華 桜
だって……
逢華 桜
来て……くれな、いかと……おも、てた……
中川 春斗
はぁ……
中川 春斗
来ないはず、ねぇだろ
逢華 桜
春……斗
逢華 桜
……
今なら、あの願いが……
叶うかもしれない。
逢華 桜
春斗……
中川 春斗
……ん？
逢華 桜
お願い、があるんだけど……
逢華 桜
中川 春斗
ここでいいか？
逢華 桜
……うん。
逢華 桜
私……ここで……眠りたいか、ら……
中川 春斗
眠りたいって……まさか…
逢華 桜
うん……
逢華 桜
私、この桜の木で眠るのが……夢だった……。
逢華 桜
今なら……叶えられるね……
中川 春斗
……おう
逢華 桜
別に……
逢華 桜
叶えてくれる人が……あんたでも……
逢華 桜
良いかな。
中川 春斗
……！
中川 春斗
うん……
中川 春斗
叶えられる人が俺で嬉しいよ……
ギュッ
逢華 桜
……
逢華 桜
私……春斗のこと……が、ね、
"好き"
中川 春斗
……
中川 春斗
俺も好きだ……桜。
逢華 桜
……うん。
逢華 桜
じゃあ、お別れだよ……春斗……
中川 春斗
……おう。
逢華 桜
ふへへ……
逢華 桜
またね……
逢華 桜
春斗……
逢華 桜
おやすみ……
中川 春斗
おう。
中川 春斗
おやすみ……
こうして、逢華桜の16年の 人生は
幕を閉じた。
٭❀*
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