舞姫side
望月舞姫
相川真冬
相川真冬
朝から何作ってるんですか??
望月舞姫
やりたい放題カレー!折角だし
まふくんも一緒にカレー、作る?
ちょこちょこと、リビングに設置された 天蓋付きの大きなベットから起き上がった 天使がキッチンへとやってくる。あぁ、 今日も相変わらず、私の天使様は可愛いんだな。
相川真冬
あっ、その前に着替えてきても……
望月舞姫
いってらっしゃーい。
相川真冬
そう言い、奥の部屋へと飛んでいった 天使を見送った後、再びコンロの上の 大きなピンクのお鍋に視線を移す。
望月舞姫
可愛いんだよな~。ふふっ、あー幸せ。
甘いお砂糖で満たされたこのガラスのお城。 ここには私と天使様の他には わんこが1匹、にゃんこが3匹居るのだ。
相川真冬
いろぽてこめふくにご飯あげてきました!
望月舞姫
相川真冬
窓開けっ放しにするのが気持ちいいですよね。
望月舞姫
辛いけど……でもまふくんが喜んでるなら
薬飲んで頑張って我慢するからね!
相川真冬
望月舞姫
私は天使様の笑顔を守りたい。 こんな事言ったら、馬鹿なエゴイストだと 思われるのだろうか。 思わず、薄く開けた口をゆっくりと閉じた。
望月舞姫
ちょっとした換気は大事だもんね!
良い気分転換にもなるし♪
望月舞姫
辛くなって来たら窓閉めてもらえるかな?
相川真冬
こんな朝の輝かしいひとコマ。 あぁ、私の中の心の瓶がキラキラとした 砂糖菓子や果物で埋め尽くされるこの感覚。 私、幸せな女の子になれたんだなぁ。
望月舞姫
大丈夫なんだよね?なんかあったら
バイト中でもすぐに連絡してね!
相川真冬
何歳だと思ってるんですか?
相川真冬
望月舞姫
相川真冬
遅れちゃいますよ?
望月舞姫
じゃあ、行って来るからね!
相川真冬
望月舞姫
望月舞姫
朝から眩しい笑顔と、大好きな天使様の 行ってらっしゃいを聞けた私は 上機嫌で新しいバイト先へと向かった。
望月舞姫
手持ち沙汰だし……給料良いと良いな。
足元を覆うレザーのショートブーツが コツン、カツンと音を立てた。 うらたさんからの教えで、足元には 常に気を使うようにしている。
望月舞姫
舐められるから常に賢く生きろ……
望月舞姫
上手く生きれてるんだもんな私。
航side
浦田航
月崎志麻
折原清良
浦田航
もうめちゃくちゃ可愛いんだよ。
液晶画面に映る舞姫の写真を 志麻くんとセンラに見せる。二人は 「俺の姪っ子」に興味津々だった。
坂田明
可愛いし優しい自慢のお姉ちゃん!
折原清良
浦田航
坂田ともすぐ仲良くなってくれたし。
始めて二人を会わせた時は、 舞姫の素行が良くない時だったから少しの 心配はしていたけど、いざ会わせてみると、 心配する余地も無かったのが結局の所の本音。
月崎志麻
浦田航
言ってたから折角ならここで働けばって。
浦田航
折原清良
浦田航
浦田航
舐められる。常に頭を働かせ、
ずる賢く生きてみせろ、って。
浦田航
舞姫にも勿論教えてるよ。
舞姫は俺この教えを守って、今も尚。 ずる賢く強かに現代社会を生き抜いている。 自慢の強い姪っ子ちゃんだ。
坂田明
この現代社会に置いて、頭の良さって
何よりも大事だし賢くなきゃ生き残れない。
坂田明
浦田航
携帯をシャットダウンさせる。 心配するくらいなら、いっその事 舞姫をこちらの世界に引きずり込めば良い。 アイツなら、こっちでも上手くやれるだろう。
浦田航
坂田明
浦田航
さて、それまでは彼女の愛を 見届けるとするか。