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『風の音が恋になる』

第2話 - 𝕖𝕡𝕚𝕤𝕠𝕕𝕖 ✌🏻

2025年10月19日

#弱虫ペダル

#真波山岳

#箱学

Anna:)

真波

ねえ、澪さんってさ、本当にマネージャーなの？

澪ﾐｵ

……え？どういう意味？
（私、何か変なことしちゃったかな……💦）

真波

いやね、さっき朝練のとき、俺の登り見てたでしょ。

澪ﾐｵ

あ……うん。
（フォーム、少し崩れてたなって……）

真波

で、ポツッとつぶやいてたよね。
「もう少し重心、落としたほうがいいかも……」って。

澪ﾐｵ

っ！
（うそ……そんな小声、聞かれてたの……？）

東堂

おや〜〜？これはこれは……
山岳くんが女の子のつぶやきを覚えてるなんて、珍しいこともあるもんだね✨✨

荒北

オイ真波、お前マジでマネージャーちゃんガン見してたのかよ💢
昨日からチラッチラ見てると思ったらそういうことか！

新開

でも確かに、澪ちゃんってときどき選手目線っぽいんだよね。
ボトルの準備も的確だったし、補給のタイミングも読んでた。

澪ﾐｵ

え、えっ……！？
あっ、それは……ただ観察が好きで……💦

真波

澪さんさ、
本当は“走ってた”人でしょ？

澪ﾐｵ

…………
（……やっぱり、この人……勘が鋭すぎる）

真波

目がさ、風と一緒に走る人の目だった。

澪ﾐｵ

……どうしてそんなこと、わかるの？

真波

だって、俺もその目で走ってるから。
わかるよ、自分と似た目をしてる人は。

澪ﾐｵ

………………
（本当に、見透かされてる……）

東堂

ふむふむ、なんだかロマンチックな空気が漂ってきたぞ〜✨
風を読む少年と、風を隠す少女……これは新たな伝説のはじまりかァ？

荒北

おい東堂、盛り上がってんじゃねーぞ
てか真波、お前また“風が”とか言ってるけどよぉ…

真波

……俺が言ってる“風”って、ただの風じゃないよ。
感覚で、空気の変化を読むこと。
それが“走り”に直結するんだ。

澪ﾐｵ

……そう。
私も、それで走ってた。

真波

やっぱり。
……いつまで隠してるの？

澪ﾐｵ

私はもう、走らないって決めたの。
だからマネージャーになったの。
……それだけ

真波

……そっか。
でも、澪さんの“風”、まだ止まってないよ。

鳴子

おっす、澪。
箱学生活、どやねん。山岳とかいう風オタクに絡まれてへんか？

澪ﾐｵ

絡まれた……というか……
“バレた”って感じかな……

鳴子

うわ、やっぱか。
アイツ、変やけど、感覚は天才やからな〜
風感じるってより、風と会話しとるやろアレ。

澪ﾐｵ

ほんとに……それくらい、目が鋭くて。
「君、走ってたでしょ？」って言われた。

鳴子

あ〜あ〜
アイツに目ぇつけられたなら、もう遅いな。

澪ﾐｵ

……どういうこと？

鳴子

真波ってさ、「風が気になる」ってなったら、絶対に手放さへんタイプやねん。
お前の“風”、あいつに届いたってことやろ。

澪ﾐｵ

でも……私はもう、走らないって決めたの。
勝手に身体が壊れて、勝手に限界が来て……
それでもって、勝手に走れなくなった。

澪ﾐｵ

あんなの、もう嫌なの。

鳴子

……お前が“止まった”んは、身体やなくて、心やろ。
澪の“風”は、まだ進もうとしてるで。

澪ﾐｵ

……鳴子くんは、
いつもそうやって、ずるい。

真波くん。

あなたに言われた「まだ風が止まってない」って言葉、ずっと頭から離れない。

私の風は止まってる。そう思ってたのに。

……どうして、少しだけ、走りたくなっちゃったんだろう。

『風の音が恋になる』

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