大嫌いなあいつ

大嫌いなあいつ

連載

優等生

俺は優等生。

誰にでも好かれる

みんなをまとめて

みんなの気を伺って

作り笑いをして

怒ったり、悲しんだりなんかしちゃダメ

だっておれは、

優等生なんだから

朝のホームルームが始まる

先生が教室に入った

教室に入ると同時に俺の名前を呼んだ

そうか

今日は席替えの日

クラスが新しくなったばっかなのに

席替えをするのかと疑問に思いながら

席を立ち、くじの用意をする

席替えと聞いて

教室が一層にうるさくなる

このクラスの担任の紫先生

笑顔が眩しくて

元気で優しい先生

俺は別に嫌いでは無い

…こういうところはきらい

いちいち言わなくていいのに、

さすが〜！！

あざっす！

やっぱり！生徒会長さんなんだよなぁ、

このような言葉が大嫌い

生徒会長だからなんなの、

優等生ってなんなの、

俺は下をうつむきながら

みんながくじを引き終わるのを待った

俺のくじの番号は…

はぁ〜ｯ…

最悪

よりにもよって

大嫌…んん"ｯ

苦手なやつと隣になった

俺は人を嫌いになったりすることなんてなかった

嫌いな人なんてできなかった

なのにこいつだけは

ほんとうにむり、

幸い、後ろが親友で助かった

ちょんちょん、

となりの席のやつが

目を大きく見開いていた

その後すぐに

目を細めて

こいつ、俺に、大嫌いって言った、？

どこが、？

俺のどこが気に食わないの？

俺が嫌われる理由なんて見当たらない

みんなに好かれるように頑張って

顔を伺って生きてきたんだ

だから、あんたが俺の事嫌いになるなんて

あるはずないだろ

俺だってお前のことなんか大嫌いだ

って言ってしまいたかった

だけどそれをおさえて

作り笑いをした

大丈夫なふりをした

後ろの席の青ちゃんだって

斜め前の席の子だって

俺に気を使っている

だから俺は大丈夫なふりをした

青ちゃんも気を使うように

話を始めた

続けて言う

俺のことが嫌いなのはもうわかった

だけど気ぐらい使ったらどうなの

空気読めないのかこいつは

俺もこいつなんか大っ嫌いだ