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最後の冬は暖かい恋だった

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最後の冬は暖かい恋だった

2 - 最後の冬は暖かい恋だった

♥

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2020年09月26日

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翌日

校長(冬野 沙耶)

(ちょっと早く来すぎたかな)

校長(冬野 沙耶)

(つい楽しみで早く来ちゃった)

莉子

あ、いた!沙耶~!

校長(冬野 沙耶)

莉子!久しぶり!

莉子

ほんとに久しぶり!

莉子

雰囲気変わったね、綺麗になった!

校長(冬野 沙耶)

あ、ありがとう…!

女子同士の定番の会話

と分かっていても好きな人に褒められて嬉しかった

校長(冬野 沙耶)

莉子こそ、大人になったね

莉子

そりゃ、10年も経てば大人になるよ~

校長(冬野 沙耶)

でも、話し方とかは変わってない

私は懐かしさでいっぱいになった

莉子

確かにそうかもね!

校長(冬野 沙耶)

それで、今日はどこに行くの?

校長(冬野 沙耶)

莉子のことだし、キッチリ予定決めてるんでしょ?

莉子

よく分かったね!

校長(冬野 沙耶)

何年の付き合いだと思ってるのよ!

莉子

それもそうか(笑)

莉子

改めて、今日の予定は…

莉子は小さなメモ帳を開く

昔からマメにメモをとる子だった

莉子

まず、私達の母校に行く!

校長(冬野 沙耶)

中央中学校?

莉子

そう!それから、昼食を食べにオシャレな喫茶に!

莉子

その後は、私の家で女子会!

校長(冬野 沙耶)

流石莉子!

校長(冬野 沙耶)

家でゆっくりしたい派の私の好みにあってる!

莉子

えっへん!

莉子

午後はたっぷり話そうね!

校長(冬野 沙耶)

うん!

莉子

じゃあ、早速母校に行こっか!

中央中学校

校長(冬野 沙耶)

うわぁ、懐かしい

莉子

学生時代に戻ったみたい…!

莉子

そう言えば、沙耶は校長だったよね

校長(冬野 沙耶)

桜ヶ丘高校のね

莉子

まさか、沙耶が校長になるとは思わなかったな~

校長(冬野 沙耶)

私も思わなかった

私たちは他愛もない会話をしながら

廃校になった校舎に入っていった

校内

校長(冬野 沙耶)

ほんと変わってないね

莉子

ね、この靴箱も観葉植物も全部そのまま!

校長(冬野 沙耶)

あ、ここの物置部屋…

莉子

2人で閉じ込められちゃって焦ったよね(笑)

校長(冬野 沙耶)

うん、あの時はどうなる事かと思ったよ~…

莉子

結局どうなったんだっけ?

校長(冬野 沙耶)

莉子が体当たりでドアを吹き飛ばしたんだよ!

校長(冬野 沙耶)

覚えてないの?

莉子

あぁ、そう言えばそうだったね…

莉子

あの後、どれだけ先生に怒られたことか…

校長(冬野 沙耶)

あはは(笑)

その後も校内を見回った

最後は自分たちの思い出の部屋

旧音楽室に来た

もちろん、旧がついているので

当時も使われていなかった

校長(冬野 沙耶)

ここで、いっぱい話したよね

校長(冬野 沙耶)

2人で合唱練習もしたりとか

莉子

何して遊ぼうかとか

校長(冬野 沙耶)

部活が大変だとか

莉子

どんな大人になりたいかとか

校長(冬野 沙耶)

進路への不安だったりとか…

莉子

懐かしいね…

教室に風が吹き込んできた

その風で少し汚れたカーテンがヒラヒラと揺れる

私は莉子の方を見た

莉子も私を見た

莉子

私達さ…

莉子の声で静寂が切り裂かれる

莉子

よく、からかわれたよね

莉子

付き合ってるの?とか、気持ち悪いって

校長(冬野 沙耶)

…うん

校長(冬野 沙耶)

莉子も嫌だったでしょ?

莉子

もちろん嫌だったけど…

莉子

私は沙耶が傷つけられてるのが嫌だった

校長(冬野 沙耶)

莉子…

莉子

だって、私に見えないところで泣いてたでしょ?

校長(冬野 沙耶)

え、気づいてたの…?

莉子

うん、たまたまこの教室の前を通りかかった時にね

莉子

沙耶の泣き声が聞こえたから

校長(冬野 沙耶)

そっか…

莉子

沙耶は、同姓愛についてどう思う?

校長(冬野 沙耶)

えっ

私は突然の言葉に驚いた

校長(冬野 沙耶)

(どうって言われても…)

莉子

気持ち悪い…と思う?

校長(冬野 沙耶)

さぁ、どうだろう…

校長(冬野 沙耶)

(自分がそうだなんて言えないよ)

校長(冬野 沙耶)

別に気持ち悪いとは思わないよ

莉子

ほんと?

校長(冬野 沙耶)

うん、ほんと

莉子

そっか

莉子はしばらく黙っていた

そして、ゆっくり口を開いた

莉子

あのね、私さ────
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